(ニュースタイムズが報じた)葛飾北斎の浮世絵は、日本の伝統的な美術の代表作として世界中で知られています。しかし、このような公共財産となった作品が、米国の写真素材サイト「ゲッティイメージズ」で有料で販売されていることが分かりました。しかも、一枚のダウンロードに最高499ドル(約5万4000円)もの値段がつけられています。これは、著作権を侵害する詐欺行為なのでしょうか?
ゲッティイメージズは、世界最大の写真素材サイトで、報道や広告などに使われる写真やイラストを提供しています。しかし、同社のウェブサイトを調べると、「浮世絵」や「日本美術」などのキーワードで検索すると、葛飾北斎をはじめとする江戸時代の浮世絵師たちの作品が多数表示されます。これらの作品は、すべて「ゲッティイメージズ」のロゴが入った水印が付けられており、ダウンロードするには料金が必要です。
無料でダウンロードできるアート作品はすべて有料です。ゲッティイメージズのスクリーンショット。
しかし、これらの作品はすでに著作権の保護期間を超えており、パブリックドメイン(公共財産)となっています。つまり、誰でも自由に利用できるものです。実際、ウィキメディアやフリッカーなどのオンラインサービスでは、これらの作品を無料でダウンロードできますし、国立国会図書館や東京国立博物館などの公的機関も、自分たちが所蔵する浮世絵をオンラインで公開しています。
では、なぜゲッティイメージズは、公共財産となった浮世絵を有料で販売しているのでしょうか?同社は、自分たちが提供する画像には「独自性」があると主張しています。つまり、同社が撮影した写真やスキャンした画像は、オリジナルの作品とは異なるものとして扱われるということです。また、同社は自分たちが提供する画像に対して「使用許諾契約」を結ぶことで、利用者に対して一定の保証やサービスを提供しているとも述べています。
しかし、このような主張には疑問が残ります。公共財産となった作品に対して、新たに著作権を主張することはできないはずですし、利用者に対して高額な料金を請求することも不当だと言えます。また、同社が提供する画像には、「色調補正」や「トリミング」などの加工が施されている場合もありますが、これらはオリジナルの作品の価値や意味を損なう可能性もあります。
この問題は、日本だけではありません。ゲッティイメージズは、「美術」や「歴史」などのカテゴリーで、世界各国の公共財産となった作品を有料で販売しています。これらの作品は、人類の文化遺産として、誰もが自由にアクセスできるべきものです。ゲッティイメージズの商業的な行為は、公共財産の権利を侵害するだけでなく、文化的な多様性や創造性にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
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