羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

コロナ禍の施設事情と自分の暮らし

2022年06月26日 15時01分51秒 | Weblog
先週の月曜日、窓越し面会でのこと。
一時は簡易陰圧室での面会ができた。写真はその時のもの。
ところが、再びそれもできなくなって、窓越しに戻ってしまって久しい。

耳が遠い母とのコミュニケーションには、スケッチブックに伝えたいことを書いてそれを読んでもらっていた。
ところが最近では声を出してくれなくなった。
そして、とうとう6月13日には面会の間に、母は眠ってしまった。
「この頃、昼夜逆転しています」
介護士さんはそう話ながら、母の肩を叩いて起こそうとしてくれた。
薄目を開けるもののすぐに眠ってしまう。

そして、15分の面会時間が終わって、施設を後にした。
帰りの道道、私の心に芽生えた、次回母を訪ねることに躊躇う気持ちに気づいた。
「窓越しでもなく、陰圧室でもなく、直接手で触れる距離で会えるのなら、眠っている母でも会いに行きたい」
それが正直な気持ちだった。

本日、6月26日付け 日経新聞朝刊『高齢者の認知機能低下ーコロナ下8割の施設で確認 規制緩和 環境作り急務」の記事を読んだ。
コロナ下が長引くほど行動制限による心身の健康リスクが高まる、と書かれている。
その通り!

行動制限を緩和しやすい環境作りを施設に提言する、ともある。
その通り!

でも、母の先日の様子を思い出すと、遅きに失した感じがする。
坂を転げ落ちるスピードは、かなり早くなっている?
ある種の覚悟が自分の中に起こってきていることも感じる。

さて、パンデミックは、社会のあらゆるところに大きな負の影響を与えているが弱い人への影響は、新聞に書かれていなくても殊更に大きいとつくづく思う。

さて、これからどうやって立て直していくのだろう。
そういう私も少なからずコロナ下制約の影響を受けている。
母とのこともふくめて、どう生きるのか?
自分に問いかけているが、これだという答えは得られない。
なんでもいいから、一日を行動の中で過ごすことに。
って、わけで億劫になっていた雑巾掛けに取りかかったのは今朝のこと。
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「体操による人間変革」ー読み解き・動き解き

2022年06月26日 13時09分43秒 | Weblog
昨日、朝日カルチャー土曜日クラスに、マッチョ系で感覚のいい二十代半ば過ぎの男性がトライアルされた。

4月−6月期の最後なので、まとめのつもりもあって『現代の眼』から「体操による人間変革」をコピーを用意していた。
運動の数よりも、難解な文章を“絵解き”ならぬ“動き解き”をしながら読み進めていく計画だった。

初めての方には、お気の毒な2時間になるかな。
杞憂であることに気づくのに時間はかからなかった。
素敵な反応を、新鮮な面持ちで次々と返してくださる。

皆さんの手元にはコピーを置いてもらった。
記事の初めから小見出しごとに抜粋して読み上げる。
話の部分にふさわしい動きを、いくつか取り上げていった。

「尻叩き・腿の胸付け」
「鞭」
「上体のぶら下げ」・・・・・
トライアルの方が、大ハッスル!してくださったのは「腕立て伏せ」での筋肉の働き。野口体操真髄のテーマでは、彼の独壇場であった。

野口先生の写真をお見せしながら、腕立て伏臥の腕屈伸(腕立て伏せ)の時の、屈筋・伸筋、つまり拮抗筋の解剖学的捉え方と、野口体操の「重さの方向」を加味した実際の働き方の比較を試みてもらった時のことだ。
それはいつになく活気で溢れた瞬間だった。
彼曰く
「きっと野口先生が、今日のために遣わしてくださったんですよ!」

「写真の野口先生、60歳代ですか。この筋肉、すごーい!」
マッスル氏は写真の先生に負けじと挑戦。
感覚の赴くままに発言してくれたこともあって、長年の参加者に新鮮な刺激を与えてくれた。

その後、頸から肩だけをマッサージして、ここがほぐされると骨盤の中や足裏筋にあった抵抗感やしこり感を消すことができる人間のからだの不思議を実体験してもらった。

野口先生の『原初生命体としての人間』第一章に転載されている文章は緻密・精緻・精確で、誰でもがすぐに理解できるものではない。
しかし、読み砕きながら、動きも挟みながら、さらにそれぞれの方が進んで発言してくださった。
最後には、難解な評論がイキイキした文章に読み替えられ野口体操の理解が深まったような印象を受けたのは、私だけではなかったようだ。

実は、出かける前からいつになくテンションを上げていった。
その上、予想しなかったトライアルの方の出現で、コロナ禍で失われていた土曜クラスの活気が戻ってきた。

暑さも吹き飛ぶ、6月最後のレッスンだった。
ありがとう!
お陰様です!
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