昨日、施設に母を見舞った。
「貞子さーん」
名前を呼ぶと目を開けて、こちらを見てくれた。
そこに女性の介護士さんがやってきて、耳元で
「こんにちは」
それに応えて
「こ ん に ち は」
母の少女のような明るい高い声に驚かされた。
思うに、話しかけた若い介護士さんの声のピッチは高く、非常にはっきりしていた。きっとよく聞こえるのだろう。
驚くことに肌の色艶もよい。
痩せてはいるが、全体に安定しているように見受けられた。
「食事は、一日に一回はしっかり食べてくれています。排泄もほとんど普通になってきていますよ」
ただただ ありがとうございます 感謝の言葉を。
ラジオが鳴っている。
寂しくならなように、また刺激を与えるために、ラジオを設置して鳴らしてくれているらしい。
こんな優しい心遣いをしてくれるとは。
感謝あるのみ。
うつらうつらする中でも、きっと話や音楽が聞こえているに違いない。
とにもかくにも落ち着いている。
いつものように左手で母の手を握って、右手で首筋や背中や顔を撫でていると目を閉じて眠りについた。
今までに見たこともない穏やかな寝顔だった。
「また 来ます」
1週間に一回の訪問はしばらく続けられそうだ。
午前中に訪ねた馬橋稲荷神社の紅葉
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ご利益があるのかしら。
ご利益あります!
残り2週間で、新しい年を迎える。