10月末、一人の女性研究者をお蔵スタジオにお迎えした。
九州大学に所属しながら、日本学術振興会 特別研究員をなさっている。
《やまとことばの音の体感を探ることを通して、言葉を実感に満ちたものに作り変えていく学びの探究》をテーマにされているというメールを事前にいただいてあった。
もちろん、会わずにいられない。
野口三千三の「原初音韻遊び」は彼女の先行研究であることに驚かれて、6月末に朝日カルチャーの野口体操講座を受講され、その後、居ても立ってもいられず面会を申し入れるに至った熱い思いが伝えられた。
驚くのは私も同様。
野口が最後まであたためていたテーマを、今、国語教育に生かしたいと思う研究者がいるとは!
野口先生は草葉の陰でどれほどお喜びになっておられることか!!
前日に、国語学会に出席されて発表したものの、客観性が乏しいとの批判も受けたと意気消沈されていた。
そこで私は、野口先生が「やまとことば」の音について探究をはじめることになった端緒から『原初生命体としての人間』『野口体操 からだに貞く』『野口体操 おもさに貞く』に至るまでの歩みをお話した。
感動!台本『沖縄』随所にある「へ」
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ご覧にいれた資料の一部
・藤堂明保 音韻を中心とした『単語家族』漢字の字源
・ぶどうの会 『夕鶴』千回記念台本
・ぶどうの会 『沖縄』台本
・岩波書店編集部編『教育をどうする』
・3冊の『原初生命体としての人間』
ほか
これから彼女の研究に生かされることは間違いない。
いいご縁をいただいた。
この日の出会いは、『三千三伝』に詳しく書きたいと思っている。