羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

糸電話

2006年03月19日 09時13分57秒 | Weblog
 昨日の朝日カルチャー土曜日クラスのレッスンは、なかなかに刺激的だった。
 はじめての試みをした。
 東大の跡見順子先生の研究成果と野口体操の「腕立てバウンド」に象徴される動きの原理・「座位によるほぐし」の在り方を、照合しながらすすめてみた。
 
 そのときのキーワードは「緊張」と「弛緩」。
 もう一つは、細胞レベルから見た「からだを伸ばす」ことの意味だった。

 で、「からだを伸ばすこと」についてだけ、ここに書いておこうと思う。
 跡見先生曰く『体は、適度に伸ばしてあげないと筋肉がどんどん「短く」なって、そのまま固定されてしまいます。歳をとって背中が丸まったり姿勢が悪くなったりするのは、そのせい。ストレッチの効用は「長さ」に維持です』

 細胞レベルで見ると、細胞はピンと張った状態の「長さ」を維持するのが特徴だと言う。
 そこで、例に出されたのが「糸電話」だった。
 糸電話は、糸が緩んでたるむと、声がピタッと伝わらなくなる。細胞は、ピンと張ることで機能が生まれてくるというわけ。
 昨日は、糸電話と割り箸とセロテープで作られたウエーブマシン(名称とものから受けるイメージがまるで違う)で「ピンと張った状態が機能を生む」その体験をしていただいた。

 更に
「体を伸ばさない状態のままでいると、その状態のまま、細胞は筋肉を「頑張ろう」と働かせてしまい、筋肉はたちまち「短く」なるように調整してしまうのだそうです」
 跡見理論を読み上げると、
「からだが縮んできたな、と感じたら伸びをしましょう、ってことですね。大事なことは」
 ある人がいった。
 
 そのあと、糸電話体験の効用か、「やすらぎの動き」や「真の動き」といった床にからだをゆだねておこなう「座位によるほぐし」を、皆さん本気でその気になってやっておられた。

 そして、「緊張」と「弛緩」の微妙な関係を味わう「腕立てバウンド」とその「バリエーション」を跡見理論と照合しながら味わう時間が、有意義に過ぎていった。

「野口体操って、ものすごくよく考えられているなぁ~」
帰りの道々、そう独り言をつぶやく方も多かったのではなかろうか?
 少なくとも、私は、呟いていたが……。
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1 コメント

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鰐腕立て (Deoa ライヒ)
2006-03-20 09:03:46
苦手意識の強かった鰐腕立てですが、土曜レッスンの糸電話・割り箸ウェーブと講義で新たなイメージをいただいて「緊張」(といってもガチガチでなくハリのある状態)の中に「弛緩」をたくさん作るつもりでやってみたら今までよりは「楽」に取り組むことができました。野口体操にこの動きがあることの意味をあらためて考えさせられました。深い! 土曜レッスン、とても発見がありました、

ありがとうございました!
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