羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

朝カルオンライン野口体操講座 7月お知らせ

2022年06月30日 09時22分44秒 | Weblog
生活習慣改善アドバイスシート

いよいよ上半期も本日まで。

先日、令和4年の国保特定健康審査を受けてきた。
その前日、写真に載せた「生活習慣改善アドバンスシート」なるものが、我が家に届いた。
《国保加入者の健診結果の傾向から  あなたの将来の健診結果を予測!》
封書から取り出して読んでみると、過去の健診結果から将来3年分の健診結果を予測してくれたものと判明。

“当たるも八卦、当たらぬも八卦”と呟きながらも、目を凝らして「12項目」を丁寧に見てしまった。
毎年のこと、6月か7月に健診を受けているので、1年前というのは、令和2年。現在というの令和3年の結果。今年は1年後で令和4年となる。

先日、本年度の健診結果票をかかりつけ医からもらってきた。
なんと!まぁ〜。
アドバイスシート予測を、ことごとく裏切る結果が出ていた。
前回、前々回よりも、改善された数字が出ているのでありますー。
はてさて、どんな基準で、どんな数値をAI 様に学習させたのか?

実は、2022年6月29日付け、日経新聞朝刊 『「AI診察」全身に拡大へ』を読んだ。
小見出しには、「大腸・肺から喉・目も追加 アイリス十秒でインする判定 ウイインク 白内障症状検査アプリ」とある。
人工知能(AI)を活用して医療現場を技術で下支えするサービスが記事になっていた。
市場は急成長しているそうだ。

読み進めば
《AIシステムは発売後でも学習を重ねると判定の精度を向上できる。だが、現状はソフトを更新するたびに薬事承認を取り直す必要があり、半年ほど時間がかかる》

まだまだ「筮竹の域」を出ないのか?
間違っても、憎まれ口は叩くまい。

では、健康のため?! 未経験の方々、野口体操をやってみませんか。
7月2日土曜日です。
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文字を読む意欲湧く・・・・夏の宿題

2022年06月28日 17時07分46秒 | Weblog
三月に『「野口体操」ふたたび。』が書店に並んでから、何かと落ち着かず資料や本を読むことができなっていた。
読み始めても根気が続かない。途中で投げ出していた。

6月の下旬になってようやく活字を文字を読む意欲が湧いてきた。
『ボタニカ』朝井まかて著 日本の植物学者・牧野富太郎伝記(祥伝社)、これが滅法面白い。古風な文体は柔らかく、ほんわかした日本語に出会った。女流文学の金字塔ではないだろうか!

そして野口ノートの中から、昭和40年代のものを選び出して、読み始めている。
『現代の眼』『原初生命体としての人間』の年代である。

一人で黙々読む時間の醍醐味は、早すぎる酷暑を忘れさせてくれるかもしれない。
今年の夏の宿題に取り掛かっている。

皆さま、酷暑お見舞い申しあげます。

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コロナ禍の施設事情と自分の暮らし

2022年06月26日 15時01分51秒 | Weblog
先週の月曜日、窓越し面会でのこと。
一時は簡易陰圧室での面会ができた。写真はその時のもの。
ところが、再びそれもできなくなって、窓越しに戻ってしまって久しい。

耳が遠い母とのコミュニケーションには、スケッチブックに伝えたいことを書いてそれを読んでもらっていた。
ところが最近では声を出してくれなくなった。
そして、とうとう6月13日には面会の間に、母は眠ってしまった。
「この頃、昼夜逆転しています」
介護士さんはそう話ながら、母の肩を叩いて起こそうとしてくれた。
薄目を開けるもののすぐに眠ってしまう。

そして、15分の面会時間が終わって、施設を後にした。
帰りの道道、私の心に芽生えた、次回母を訪ねることに躊躇う気持ちに気づいた。
「窓越しでもなく、陰圧室でもなく、直接手で触れる距離で会えるのなら、眠っている母でも会いに行きたい」
それが正直な気持ちだった。

本日、6月26日付け 日経新聞朝刊『高齢者の認知機能低下ーコロナ下8割の施設で確認 規制緩和 環境作り急務」の記事を読んだ。
コロナ下が長引くほど行動制限による心身の健康リスクが高まる、と書かれている。
その通り!

行動制限を緩和しやすい環境作りを施設に提言する、ともある。
その通り!

でも、母の先日の様子を思い出すと、遅きに失した感じがする。
坂を転げ落ちるスピードは、かなり早くなっている?
ある種の覚悟が自分の中に起こってきていることも感じる。

さて、パンデミックは、社会のあらゆるところに大きな負の影響を与えているが弱い人への影響は、新聞に書かれていなくても殊更に大きいとつくづく思う。

さて、これからどうやって立て直していくのだろう。
そういう私も少なからずコロナ下制約の影響を受けている。
母とのこともふくめて、どう生きるのか?
自分に問いかけているが、これだという答えは得られない。
なんでもいいから、一日を行動の中で過ごすことに。
って、わけで億劫になっていた雑巾掛けに取りかかったのは今朝のこと。
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「体操による人間変革」ー読み解き・動き解き

2022年06月26日 13時09分43秒 | Weblog
昨日、朝日カルチャー土曜日クラスに、マッチョ系で感覚のいい二十代半ば過ぎの男性がトライアルされた。

4月−6月期の最後なので、まとめのつもりもあって『現代の眼』から「体操による人間変革」をコピーを用意していた。
運動の数よりも、難解な文章を“絵解き”ならぬ“動き解き”をしながら読み進めていく計画だった。

初めての方には、お気の毒な2時間になるかな。
杞憂であることに気づくのに時間はかからなかった。
素敵な反応を、新鮮な面持ちで次々と返してくださる。

皆さんの手元にはコピーを置いてもらった。
記事の初めから小見出しごとに抜粋して読み上げる。
話の部分にふさわしい動きを、いくつか取り上げていった。

「尻叩き・腿の胸付け」
「鞭」
「上体のぶら下げ」・・・・・
トライアルの方が、大ハッスル!してくださったのは「腕立て伏せ」での筋肉の働き。野口体操真髄のテーマでは、彼の独壇場であった。

野口先生の写真をお見せしながら、腕立て伏臥の腕屈伸(腕立て伏せ)の時の、屈筋・伸筋、つまり拮抗筋の解剖学的捉え方と、野口体操の「重さの方向」を加味した実際の働き方の比較を試みてもらった時のことだ。
それはいつになく活気で溢れた瞬間だった。
彼曰く
「きっと野口先生が、今日のために遣わしてくださったんですよ!」

「写真の野口先生、60歳代ですか。この筋肉、すごーい!」
マッスル氏は写真の先生に負けじと挑戦。
感覚の赴くままに発言してくれたこともあって、長年の参加者に新鮮な刺激を与えてくれた。

その後、頸から肩だけをマッサージして、ここがほぐされると骨盤の中や足裏筋にあった抵抗感やしこり感を消すことができる人間のからだの不思議を実体験してもらった。

野口先生の『原初生命体としての人間』第一章に転載されている文章は緻密・精緻・精確で、誰でもがすぐに理解できるものではない。
しかし、読み砕きながら、動きも挟みながら、さらにそれぞれの方が進んで発言してくださった。
最後には、難解な評論がイキイキした文章に読み替えられ野口体操の理解が深まったような印象を受けたのは、私だけではなかったようだ。

実は、出かける前からいつになくテンションを上げていった。
その上、予想しなかったトライアルの方の出現で、コロナ禍で失われていた土曜クラスの活気が戻ってきた。

暑さも吹き飛ぶ、6月最後のレッスンだった。
ありがとう!
お陰様です!
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声に出して読むと……『現代の眼』掲載「体操による人間変革」

2022年06月25日 10時27分52秒 | Weblog
本日、午後からの朝日カルチャー土曜クラスの準備で、「体操による人間変革」を声に出して読んでいる。というか読み方の練習をしている。
400字詰原稿 40枚ほどの活字を、一字一字落とさずに読む時間は、45分から50分かかった。
それは昨日のことだった。

今朝も、再び練習している。
今回は、一つ一つに野口体操の動きが重なって、絵解きしながら進めていることもあって、50分ではたらなかった。

1967年(昭和42年)、55年前にこれほどの内容を書き上げた野口三千三を改めて驚きを持ってすごいと思う。
今更ながら、授業をする野口の姿と声が蘇ってくる。ここに書かれていることは野口自身のからだの動きの実感から書かれていると確信となってくれた。

手元にある『原初生命体としての人間』手書き原稿と、1967年以前から1972年にかけての野口の日記と照らしてみよう。

はてさて、野口の評論が掲載されている『現代の眼』を頂戴したことで、『三千三伝』を最初から書き直しを迫られているような気がしてならない。
それはそれは、良きこと!
良きことかな!
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体操による人間変革

2022年06月20日 15時40分06秒 | Weblog
昨日、朝日カルチャー「野口体操講座」日曜クラスのレッスンがあった。
先日来、このブログでも紹介している青柳茂男氏からいただいた『現代の眼』1967(昭和42)年9月号を持参した。
この月刊誌に掲載された野口の評論は、5年後に同じく青柳氏の編集で三笠書房から『原初生命体としての人間』として単行本として出版され、第一章にほぼそっくり収録された。

さて、昨日のテーマ:解剖学の視点から『骨格と伸筋・屈筋の関係』をはじめに説明した。それを踏まえて、野口三千三の『体操による人間変革』から「動きが成立するための条件」(およそ3000字)を取り上げた。

ここでは、「腕立て伏臥の腕屈伸(腕立て伏せ)」を行うとき、腕を曲げるときにはたらく上腕二頭筋(屈筋)と、伸ばすときにはたらく上腕三頭筋(伸筋)の拮抗筋の関係を通して、解剖学の言葉にまどわされない野口体操の基本理論の根拠となる実感を得る実験を含んでいる。

そこから導かれる一つ目の結論は
《最大量の力をだし、最高速度や持久力を求めるためには、それぞれの瞬間には全身の筋肉のうち、少なくとも半数の筋肉は完全に休ませなかればならない》

この部分、三笠書房版では少し整理されているが、初出の文章にかえって読んでみると野口三千三が苦労しながら言語化した痕跡がそこここにあって、その苦労を追体験する感覚を重ねて読んでみると「なるほど」と納得がいく。

そこで昨日は、野口体操の理解が深まって成長著しいMさんに「腕立て伏せ」をやってもらいながら、センテンスを区切って3000字ほどの文章を朗読し、多少の解説も加えながら、見て聞いてそれぞれの感覚に落とし込んでもらいながらレッスンを進めた。
このテーマに40・50分以上の時間をかけた甲斐もあって、最初は何のことやら戸惑いの表情だったが、最後には「分かってきたーッ!」と、表情が大きく変化していた。

もう二つ目の結論:動きが成立するための条件ー最後にある「休む」(完全に力を抜く、完全に緊張を解く、よくほぐれている)ということを重要視する野口体操の真髄に触れられた、という反応が返ってきた。

レッスンが終わって、雑談時間にある方が一言。
「月刊誌だけに終わらせないで、三笠の単行本につなげてくれたことは、快挙ですよね! 昭和42年当時、『現代の眼』の読者がこの文章をどれだけ理解したのか、むにゃむにゃむにゃ・・・・・」

以上、昨日の報告でした。
今週の土曜日に、もう一回取り上げてみたい。
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月刊『秘伝』BOOKレビュー

2022年06月13日 17時58分35秒 | Weblog
月刊『秘伝』BOOKレビュー

いつも丁寧な紹介をしてくださる月刊『秘伝』で、『「野口体操」ふたたび。』をBOOKレビューに掲載してくれました。
大阪の白藤さんがFBで知らせてくださいました。
6月号138ページです。
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『現代の眼』「体操による人間変革」野口三千三

2022年06月12日 13時07分24秒 | Weblog
写真は、6月9日のブログで紹介した青柳茂男氏からいただいた『現代の眼』昭和42年(1967)9月号 現代評論社 特集「現代の戦争」表紙と目次の一部である。

6月11日(土)、朝日カルチャー「野口体操講座」で、この月刊誌をご覧に入れた。

『体操による人間変革ーわが内なる僻地と化した「からだ」との対話を通じ人間の可能性をさぐる』野口三千三(東京芸術大学助教授・体操)

「えーッ、目次の最後の方に体操ってのが、異質!」
しばらくざわめきがおさまらなかった。

「私、この月刊誌、読んでましたー」
これほど堅い内容を読みこなす方がおられるとは?
言葉には出さなかったが、驚きと尊敬が混じり合った眼差しが彼女に注がれた。

「いやー、野口先生の原稿を載せた編集長がエライ」
レッスンが終わって、新宿駅までの道すがら肩を並べて歩いていたSさんが呟いた。
その言葉が、“すべてを物語っている” 。
同行していた皆んながいっせいにうなづいた。

ここに掲載された40枚ほどの原稿が第一章となって、三笠書房から『原初生命体としての人間』として上梓されることになるのは、それから5年後の昭和47年(1972)のことである。









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邂逅

2022年06月09日 14時56分24秒 | Weblog
一昨日、拙宅にお客人を迎えた。
数十本の薔薇の花束のほかに、大きな袋を二つ下げての来訪。
二階の座敷にお通しして間もなく、その中身が判明。

ノートパソコン
紙焼き写真
古い雑誌や絶版になっている書籍
台紙に貼り付けられている新聞記事
東京藝大出身のご友人の「野口体操の思い出」聞き書き

どれも貴重な資料を周到に準備されてお持ちくださった。

昼下がり。
野口体操顧問の二階のぶ子さんと二人で、野口三千三先生との出会いから、彼の企画で『現代の眼』に掲載した「体操による人間変革」。
その原稿を第一章に掲げて単行本『原初生命体としての人間』として実を結ぶまでの来歴を伺った。

紹介が遅れた。
お客人は、三笠書房『原初生命体としての人間』初代編集者・青柳茂男氏 御歳78歳。
実は、拙著『「野口体操」ふたたび』の読後すぐにメールをくださった。
それから3週間近くの間、手紙やメールで連絡を取らせていただいた。

まず、初対面で一言お詫びを
「年長の方に、同窓生・同級生のような言葉遣いや親しさで申し訳ない」と。

ブログに載せている写真は、薔薇に添えて野口三千三執筆掲載誌『現代の眼』1967(昭和42)年9月号。そして『原初生命体としての人間』を出版後程なくして三笠書房を退社し、「日刊ゲンダイ」の創刊から、編集局の中心となって活躍された日刊紙(これは2022/6/9)。
日刊紙創刊にあたって、偶然にも野口体操にも関わりある出来事が判明。
三人揃って「アッと驚く!」
もう一冊の『原初・・・』は、羽鳥が第三章『息と「生き」』以外に、呼吸について書かれているところに付箋を入れたもの。

この日以来、私家版『野口三千三伝』には、【『原初生命体としての人間』誕生秘話】を一章に、と私は密かに思い巡らせて……。
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路面電車 朝日新聞 BE

2022年06月04日 08時44分32秒 | Weblog
土曜日の朝は、朝日新聞「BE」6−7面 「はじまりを歩く」を声を出して読む練習に使わせてもらっている。
興味のある題材も、あまり興味を持てない題材もかまわずに読んでいる。
全体を読み上げると15分ほどかかる。
読み間違いや、カムことなく読めた試しはない。
十回ほど繰り返せば良いのだろうけど、3回がせいぜいである。

本日は、日本初の1895(明治28)年に登場した路面電車「京都電気鉄道」の話から始まって、現在、復活しつつある路面電車のことまで書かれていた。

読みながら、野口三千三先生のご自宅があった豊島区西巣鴨に通った日々を思い出した。
JR山手線大塚駅から、都電荒川線に乗って「庚申塚」下車。
東京に残るたった一つの路線だ。
町中を走る。家家の窓を覗き込もうと思えばできそうな距離感。
なつかし!

実は、コロナ禍で声を出すことが少なくなって、午後からのオンライン講座の準備として、いつの頃からか声を出してこの記事を読むようになった。
声の、話し方のウォーミングアップでもある。

本日、3時30分から講座は始まります。
今からでも申し込みは可能です。
宜しゅうに、お頼もうしますー。



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索引をつくってみようか!

2022年06月01日 12時24分20秒 | Weblog
6月4日の朝カル・オンライン「野口体操講座」の準備で、『原初生命体としての人間』から「呼吸」に関する記述を抜き出している。
テーマを『「痛み」と「動き」と「呼吸」』する予定で始めたからである。

最初のページから「呼吸」の文字を拾いながら、全編を通うしてみた。
すると思ってもいなかったところに呼吸に関する記述を見つけて、これまでも読んでいたはずなのに、野口三千三の「呼吸」に対する深い考えを理解していなかったことに気づかされた。だからと言ってすべてを理解したということではない。まだまだであるのだが。

それでも、1972年当時の「呼吸」の捉え方と、1986年6月26日付けの「呼吸における基礎感覚」野口三千三手書きによる「A4 一枚」にまとめられた語録集と比較してみると具体的になった「呼吸」が読み取れたのだった。

その作業をしながら、ふと 思った。
自分用にその他の言葉で「索引」をつくってみようか!
そうすることで、野口三千三が生涯を通してご自身の体操に何を求めていたのか、それがより明確になるような気がしてきた。

「呼吸」だけでもかなり興味深いのだから、他のキーワードを選びだして索引づくりをしたら、野口体操を深める一歩になるかもしれない。

見出し写真は、三笠書房版 6刷りに当たっていただいたサイン入りの本である。
文字は「甲骨文」まじり。
当用漢字では、次のように置き換えられる。

〈捧げる 羽鳥 操 様 第六刷 に当って 野口三千三〉

奥付には1979年とあるから初版から7年後である。
美しい!

そして、今、ようやく私の野口体操の緒につくことができた思いの中で、残された時間が少ないことに愕然としている。

ようやくわかり始めたことがあるが、73歳という年齢はあまりにも遅い、と嘆息。

ようやく それでも「痛み」「動き」「呼吸」を通して、野口三千三の身体実感に迫れるような気がしている。ただし「内臓」の問題ではなく、運動系の問題として。

そう言えば、こんなことがあった。
野口三千三没後のこと、見ず知らずの男性から電話が入った。
「僕は、孫弟子くらいの方に野口体操を習いました。紹介された『原初生命体としての人間』を読みました。すべて野口先生の実感をもとに書かれている、とその人から言われましたが、本当でしょうか。真面目に体操を習い、真面目に本を読んでいるうちに、社会生活が出来なくなりました。
本部はどこですか。こうなってしまったことを、どなたが責任を取ってくれるのですか」
1時間ほどおっしゃることを聞き続けました。
その時、どのように返答をしたのかはっきり覚えていない。
それでも最後はお礼を言って電話を切ってくれた。

体操を身につけ、深い理解までいかなくても一冊の本を読みこなす、ということは難しい。
今、言えることは、ただ それだけ。
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