橋桁をガタガタ鳴らしてエメラルドグリーンの帯を纏ったE231が長門川橋りょうを渡ってきた。
東京に乗り入れる通勤電車がこうして田園地帯の単線区間を往く姿はなかなかシュールだ。
時刻表を調べると成田線は成田駅を中心にX字に延びている。乗り潰すには手強い路線だ。
先週、佐倉から松岸の本線を潰したから、今回は残した我孫子支線と空港支線で吞む。
我孫子駅で発車を待つのは堂々の10両編成、常磐快速のがそのまま入るので、車内はガラガラに空いている。
手賀川を渡る頃には車窓は稲刈りを終えた田圃の風景、駅でドアが開くたびに土の匂いがする。悪くない。
我孫子から40分、エメラルドグリーンの10両編成は成田駅6番ホームいっぱいいっぱいに停車して旅を終える。
成田に来たからには成田山新勝寺に詣でないわけにはいかない。
大きな寺社の参道を歩くのは楽しい。早速左右から名物の鰻を焼く香ばしい匂いが流れてくる。
仁王門の大提灯の「紅」が鮮やか。「魚がし」の文字は魚河岸講の奉納、訪日外国人に大人気だ。
七五三の参詣で賑やかな聖徳太子堂、そして「十六羅漢」の彫刻を抱えた三重塔の「朱」が映える。
駅近の大衆酒場の赤提灯に誘われる。真中に細長いコの字カウンターを配して昭和レトロな雰囲気が良い。
一方、地元の常連さんが通う店だけに、ビジターとしては店独特のお作法に気を使うことになる。これ大切。
先ずは渋くサッポロラガー "赤星" でスタート。アテは定番の "ポテサラ"、それに "鶏ごぼう煮" を注文する。
ほぼ家庭の味と言っていいアテは小皿に盛られる適量だから、品数を重ねると美味しく楽しい。
"ホッピー" は凍らせたジョッキーで氷を入れないのがこの店のスタイル。焼酎が薄まらないのがいい。
昼抜きだったから、めずらしく "茄子ミートグラタン" なんてのを注文してみる。ごはんものメニューも豊富だ。
常連さんで埋まってきたから、頃合を見て席を立つ。これもある意味ビジターのマナーかも知れない。
夕暮れの成田駅に戻ったら、空港支線の11km2駅を潰す。
成田空港へ向かうのは横須賀線からやってくる快速ばかりかと思っていたら、ローカル列車もあるんだね。
成田16:58発、1461Mは所謂房総色の8両編成、途中でスカイライナーに抜かれながらも生真面目に走って行く。
すっかり夜の帳が降りた成田空港駅、本来出発便が多い時間帯だけれど現下の状況で閑散としている。
空港ビルディングのグリーンサインもなんだか寂しげな成田線で吞む旅の終わりなのだ。
成田線 我孫子支線 我孫子~成田 32.9km
空港支線 成田~成田空港 10.8km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
ひとり上手 / 中島みゆき 1982
我孫子東我孫子湖北木下小林安食下総松崎終点成田どこか抜けているかな?私は木下までしか行ったことがないです。成田空港へは安い京成で行きますし。電車で成田山行ってみようかな🎵
常磐線or成田線の沿線でお住まいでしたか?
都心にほど近くそれでいて田園風景があっていいところですね。
駅は湖北と木下の間にありますね。
popraさんのすてきな思い出を呼び起こしていたら幸いです。
調べました!
そうそう新木布佐!
新木から通ってくる子がいました!
成田線は本数少ない田舎路線で若干笑い者扱いというか、自虐扱いというか、何かとネタになりましたね。
新木在住の子、今や横浜市民です。
乗り鉄呑み鉄ドライブ紀行、楽しみにしています。
住んでるところを揶揄した、無邪気だけど切ないネタがありましたね。覚えがあります。
流行り病には万全を期しながら、まだまだ出掛けたいと思います。
popraさんもご自愛ください。