旅の途中

にいがた単身赴任時代に綴り始めた旅の備忘録。街道を歩いたり、酒肴をもとめてローカル線に乗ったり、時には単車に跨って。

昭和な町並みと銀の円盤と醤油焼きそばと 西武山口線・狭山線を完乗!

2024-05-25 | 呑み鉄放浪記 私鉄編

ゴルフ場の南辺を舐めるように、最大勾配50‰をゴムタイヤを履いた「レオライナー」が下ってきた。
全幅2,380㎜の車両はまるで遊園地の乗り物の様だけど、案内軌条式鉄道といって法律上はれっきとした鉄道だ。

レンガ造りの壁面とドーム屋根、ネオルネッサンス様式の取水塔が多摩湖に映る。
山口線はこの堰堤直下にある多摩湖駅を起点に、西武園ゆうえんちと西武球場を結んで走っている。

多摩湖駅を出て1分、短いトンネルを潜ると西武園ゆうえんちが見えてくる。
電車は多摩湖に沿って走っているはずだけど、水源を守る保安林が繁っているので湖面をみることはない。

西武ゆうえんち駅前には昭和の町並みが広がっている。夕日が丘商店街というらしい。
「活気・元気・熱気がほとばしる、あの日あの頃の昭和」だって、昭和は遠くになりにけりだね。

若い女の子がオート三輪と写真を撮っている。SNSにあげる映える一枚になるのだろうか。
出掛ける前にはこの商店街の大衆食堂で一杯やろうと思ったけど、ここ、有料エリアなんだね。先を急ごう。

西武園ゆうえんち駅を出たレオライナーは、グリーンを右手に見ながら東中峯信号場で上り下りが交換する。
いつしか軌道は下り勾配に変わり、夏の太陽を照り返す巨大な円盤が見えてくると西武球場前駅だ。

躍動感溢れる巨大なライオン像が吠えるベルーナドームには、すでに多くのファンが詰めかけている。
千葉ロッテを迎えてのゲームは18:00試合開始のはずだけど、すでに熱気いっぱいのボールパークなのだ。

旅の後半は狭山線に乗って、西武球場前駅から狭山丘陵を北に向かって降りていく。
1番線に迎えにきてくれた20000系は、エレガントブルーで装った堂々の10両編成。

当然のことながら、この駅の装飾は若き獅子たちに埋め尽くされている。
そしてこの時間帯、到着する列車は10両編成いっぱいのファンを吐き出し、乗り込む乗客は数えるほどだ。

エレガントブルーの10両編成は、35‰という鉄道としては結構な急勾配を慎重に降りていく。
唯一の途中駅である下山口で申し訳程度の乗降があって、やがて大きな左カーブを切って西所沢に終着する。

池袋線にひと駅乗車して所沢、新しく拓けつつある東口を降りると、昼呑みの大衆居酒屋がある。
大衆居酒屋といってもモダンな作りで、この時間帯、草野球を終えたオヤジ達のグループが盛り上がっている。
およそ似つかわしくないお嬢さんが一人で生ビールを呷っていたり、なんだか混沌としている。

それでは負けじと呑み人も生ビール、冷凍庫から登場したキンキンのジョッキーに、赤いダルマがカワイイ。
暑いときはシンプルに “冷奴” がいい。冷えた豆腐を箸で崩しているうちに、汗がひいていく。

続くアテはサッパリと “豚肉の梅照り焼き”、二杯目はHAPPY HOURのメニューから “樽ハイ倶楽部” を。
このアテは案外美味しい。家呑みのメニューに加えよう。ひょっとしてボクでも出来そうだ。

三杯目の “薫香ハイボール” を呑みながら、〆は “ところざわ醤油焼きそば” をいただく。
これっ醤油メーカーと製麺会社の社長の仕掛けた新しいB級グルメらしい。なるほどね。
ニンニクやら生姜が効いた麺に白髪ネギを散らして、これもサッパリした一品、なかなか美味しい。

真夏日の呑み鉄散歩、少しだけ日焼けした顔が昼呑みの痕跡を消して、さあ夕立が来る前に帰ろう。

西武鉄道 山口線 多摩湖~西武球場前 2.8km 完乗
西武鉄道 狭山線 西武球場前~西所沢 4.2km 完乗

<40年前に街で流れたJ-POP>
メイン・テーマ /  薬師丸ひろ子 1984



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