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第30回イタリア語スピーチコンテストを聞きに行きました!(2025.2.21)@イタリア文化会館
5年ぶりのイタリア語スピーチコンテスト
いつもスピーチコンテストの日は 朝から武者震いがします 聞きに行くだけなのに😲 まだ全然喋れない18年前から欠かさず聞きに行っており 友人の優勝や入賞を何度も見届け 自分も2回本選出場させていただき 賞もいただきました たくさんの思い出があります
主催者側のスタッフも数名チェンジされており 5年の歳月の長さを感じました
またこの日は久しぶりにサークルの先生も聞きに来てくださり再会できました💕 今回は金曜日でしたが会場に聴衆はけっこう入っておりました
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(公財)日伊協会の高田副会長の開会のあいさつによると このコンテストは35年前の1991年から始まったそうです 今回は33名のエントリーがあり7名のファイナリストが本選出場となりました
(100名を超すエントリーがある年もありましたが 今回はいつもと異なる時期に告知が出たため間に合わなかった方もいらっしゃるのではないかと思います)
共催のイタリア文化会館のS.デマイオ館長の挨拶に続き 5名の審査員の紹介があり いよいよディエーゴ・マルティーナ氏の講演です
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13:00~ イタリア人による日本語講演
テーマ「言葉を変えて自分を変える」
講師:ディエーゴ・マルティーナ
講師:ディエーゴ・マルティーナ
子供の頃に古代ギリシャの本を読んでいたがイタリア語と古代ギリシャ語が併記されていた 日本の漫画もイタリア語で読んでいた
外国語を意識したのはローマ大学で日本語を学び始めた時からで
1週間遅れてクラスに入ると すでにひらがなが終わっており 次のカタカナに入る前に先生が 「2つめのアルファベット(secondo alfabeto)に入ります」と言ったことに衝撃を受けた イタリア語には1つしかアルファベットがないのに 日本語にはひらがな カタカナ 漢字があり しかも一人称単数形は イタリア語では "io" だけなのに 日本語では 「私 僕 おいら 拙者etc.」と沢山あることに驚愕した それらの使い分けによってアイデンティティも変わることに気づき 言語とは何かに気づいた 今も大学の授業でまずその質問を学生たちにしている
言語は コミュニケーションのツールであり 思想を形作るために必要であり 例えば日本の若い学生たちがよく使う「やばい」という言葉にも色々な意味がある
嬉しい時(felice, allegro, raggiante/太陽が輝くように幸せ, soddisfatto, contento)にも 困った時にも 驚いた時にも何でも「やばい」(イントネーションを変えながら)と... そのシチュエーションに合った言葉を発するのがよいのだが...
またイタリア人は大げさに stanco morto とか lo smartfon è morto (スマホの電池切れ)とか Non ci vediamo dal secolo! (久しぶり!)とか Ti amo per sempre(永遠に愛してる)と言うと いつまで?と聞かれたり(笑) 色々な例を出してくださいました😲 大げさな表現が多いのですねイタリア語...
一方日本語は具体的な言語で 抽象的ではありません 日本語を話す時は日本人よりのアイデンティティで話し イタリア語を話す時はイタリア人のアイデンティティで話す自分に気づく 一つの言葉を習得するともう一人の自分が生まれてゆき 自分のアイデンティティをそれだけ増やしてゆける気がする という貴重なお話でした💕
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13:40~ イタリア語スピーチコンテスト本選 7名
7名と例年より少なめです アジア国籍の高校生のスピーチに始まり イタリアでの体験を語った方が4名 外国人高齢者の問題や コロナ禍で失われた人間関係の再構築について話された2名の 計7名のスピーチでした 今回はシニアの本選出場者はなし (過去には70代までいらした)
スピーチが始まり4分30秒でベル1回 5分で2回鳴り 5分30秒以上で減点の対象とのこと
(私はいつも沢山話したくて早口になってしまい 勢いミスが増えるので 時間内に納めるのがよいですね 練習しているうちに早く話せるようになりますが)
質問者のP.チヴィテッロ先生は NHKラジオで聞いていた声そのままの 質問者に合わせた質問のやり取りでの3分間でした
(私の時は4問4分で 用意していた長めの答えを覚えておいて話しましたが この日はすぐに答えられる簡単な質問から 内容に沿った深い質問までいくつも 3分ぎりぎりまでやりとりが続きました)
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15:00~ 日本人落語家によるイタリア語落語口演
ー伝統芸能「落語」とは何か、その楽しみ方をわかりやすく説明いただき、その後 日本語およびイタリア語で口演いただきます。
演者:三遊亭竜楽師匠
イタリアン落語を聞くのは初めてでびっくり😲 流暢に話され 扇子を箸に見立てて食べるしぐさも本物そっくりです 250年続く日本の伝統芸能の落語は 扇子(ventaglio)と手ぬぐい(fazzoletto)を使いながら 他の登場人物まで一人で演じ分けます
「気の長短」(気の短い人と長い人のかけあい小噺)と 「ちりとてちん」(酢豆腐の現代版)をご披露いただきました 師匠は8か国語落語を達成しイタリアには40回も公演でいらしているとのこと😲
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16:00~ 審査結果発表および授賞式
ー1位から3位まで(各1名)を入賞とし、日伊協会より賞杯、さらに各入賞者に副賞が授与されます。
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3位(副賞として朝日新聞社賞 日伊協会賞3万円 Alessi Japan特別提供のイタリアデザイン雑貨)は 「令和のルネッサンス(Il Rinascimento Reiwanese)」をスピーチされた男性に贈られました 前回一緒に出場したので少しお話もできました😊
2位(副賞としてイタリア文化会館賞 日伊協会賞5万円 Alessi Japan特別提供のイタリアデザイン雑貨)は 「思い出の川: 私の心の中のトリノ(Il fiume dei ricordi: Torino nel mio cuore)」 というタイトルで トリノでの2週間の経験を語った大学生に贈られました
3人の友人たちとの思い出 イタリアは第2の我が家というイタリアへの強い思いを語ってくださいました
1位(副賞としてITA AIRWAYSの航空券 日伊協会賞10万円 Alessi Japan特別提供のイタリアデザイン雑貨)は 10か月学んだナポリで得た人生を楽しむ秘訣について 「大好きなイタリアとナポリが私に教えてくれたこと Cosa mi hanno insegnato la mia amata Italia e Napoli?」というタイトルで 素晴らしい発音で語ってくださった女性に贈られました
引っ込み思案だったのが外交的になったこと 日本人は完璧主義だが イタリア人は褒めるのが上手で 楽しむのが好きでフレキシブル等々...ラストにはナポリ方言も飛び出した素晴らしいスピーチでした👏 ← 友人と 彼女が優勝するよね~と話していました😊
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また 参加賞として全員に 日伊協会イタリア語講座受講券5,000円と イタリア食材詰め合わせ(地中海フーズ㈱提供)が贈られました🍷🍝
例年は 1~3位までの賞と 他に副賞として色々な賞がそれぞれ贈られておりましたが(12名に対して賞が6つ前後) 再開後の今回は7名に対して3名が 副賞とセットでの受賞と変わりました🏆
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高田副会長による講評です チャレンジされる方はよく読んでください:
再開後の今回(第30回)は 33名のエントリーがあり7名が本選出場となった 10代から年齢の幅も広く 一番多いのは20代
スピーチはイタリア語力だけでなく 内容も重要な要素 社会的なテーマを扱ったものも見られたが パンデミックの時期から今までなかなかイタリアに行かれずにいた中にあって イタリアに行き体験したことをもとにしたスピーチが4名と一番多かった
審査基準としては 「自分の体験」をどこまで一般的なことがらにつなげられるかがポイントであること ← 体験ではなく 調べたことの発表では足りないと言うことであります😊
話の進め方も 論点を最初に上げてから話の組み立て方に気を配ること 思ったままをどんどん書くのではなく 順を追って段階的に 論理的に話を構成してゆくこと等を挙げられました
今回はビュッフェはなく 帰りにドトールで桜セットのケーキ🎂とコーヒー☕をいただいて帰りました
夫はイタリア語わからないのにイタリアン落語を聞きに来てくれて 師匠ともお話できてラッキー😊
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素晴らしいスピーチコンテストを開催してくださいました(公財)日伊協会様 御関係者の皆様に心よりお礼申し上げます