中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

白族の焼茶について

2013年06月05日 | 少数民族の食べ物

今私が滞在中の大理古城は、白族が多く住む鎮の一つです。 大理古城に生まれ育った白族の人の話では70年代の末頃までは朝起きると先ず「焼茶」を入れて飲むのが、ここ大理古城等に住む白族の習慣だったそうですが、今ではそういう習慣もすっかり廃れてしまったそうです。

中国語の「焼」は、「kao」 「shao」の二種類の発音があり、ここ大理古城では.「kao」と発音する人が多いようで焼茶も「kao cha」と云う人が多いようです。

その話を聞いた人に拠れば、大理古城の白族の焼茶の喫茶法は、先ず小さな陶器製の缶にお茶の葉を入れ、お茶を焙る。お茶を焙じるときは出来るだけ均一になるように陶器で出来た缶を時々ゆっくり振り動かす。お茶の葉の色が変わり、少し黄色くなったらお湯を入れる。それに炒米や胡桃、紅糖を加えて飲んでいたそうです。このような白族の喫茶法は、貴州省など住むトン族の油茶ととても似たお茶の飲み方のようです。(注: トン族の油茶については以前このブログでも触れていますので興味ある方はそちらを覗いてください。)

何故そのような習慣が廃れてしまったのか、その人の話では「今は勤めている人も多く、朝のんびりとお茶を入れてお茶等を飲んでいる時間がない」との事。また、もう一つの理由は以前は多くの家に囲炉裏があったのが、その囲炉裏が無くなった事も関係しているようです。囲炉裏で陶製の缶にお茶の葉を入れてお茶の葉を焙じていたようですが、その囲炉裏が多くの家から姿を消した事もあり、ここ大理鎮では焼茶という伝統的な喫茶法はほぼ姿を消したようです。

場所により今でも伝統的な白族の焼茶は残っているようですが、私は残念ながらそれを味わっていません。

 

 



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