中国では、今年の高考も終わり、6月下旬から高考受験者に高考での得点が通知されている様です。大理古城等にも高考が終わって一息ついて旅行に来ていると思われる高校生の姿も目に付きます。中国の大学は日本の大学とは違い授業のコマ数も多く、出欠も厳しいので、高考が終わった今が一番ノンビリ出来る時期かもしれません。
高考の得点は、一般には750点満点の様です、英語150点、数学150点、語文150点、総合300点ですが、総合で理系と文系では受験科目が分かれる様です。但し、上海の満点は630点、江蘇省は480点、浙江省は810点等と市・省・自治区により満点の違いもあり、中国の高考は部外者には大変に分かり難いです。また、試験問題も地区により違う様です。
また、試験で得点した点数以外に、中国語で「加分」と云われる加点もあります。例えば少数民族は加点があるようですが、これも各市・省・自治区毎に細かい規定があり、例えば、北京市と上海市では少数民族には5点加点される様です。また、烈士女子と呼ばれる人にも加点があるようです。
各省、市、自治区等で、高考で最も得点が高い人を俗に「状元」と称する様ですが、2016年度の大理州の「状元」は大理一中の理系を選択した和敏と云う女生徒で、702点だったそうです。この成績は、雲南省全体でも21位との事。この和敏と云う女性は、怒江州蘭平県の出身との事ですが、小中学校は地元だったそうですが、高校は大理州の進学校の大理一中に進学したとの事です。因みに、雲南省の状元は文系では713点 理系も713点だったそうです。
状元とは、元々は、科挙の殿試で、首席で合格した者を状元と云った様ですが、どう云う訳か今でも「状元」と云う言葉は使われており、高考が終わり、高考の成績が発表されると、各地の新聞には、各市、省、自治区の理系の状元、文系の状元の名前、出身校、得点が掲載されます。また、彼、彼女らがどの大学に進んだかも年度毎に載っています。
2016年の文系の状元は、高い順に雲南省状元の713点、河北省状元の706点、貴州省状元の704点との事ですが、北京市の状元は700点との事です。文系は700点以下の地域も多い様です。
理系は文系より点数が高い様で、2016年度の理系の状元のベスト3は、河北省の724点、陝西省の721点、重慶市720点との事ですので、理系の場合は、700点を超えないと状元にはなれない様です。因みに雲南省状元は713点で全国では5位、貴州省状元は717点で全国では、4位との事。状元と云われる高校生は、当然ながら、北京大学、精華大学等の有名大学に進学する様です。
また、新聞に拠れば、ここ数年間は、各地区の状元は圧倒的に女生徒が多いとの事で、男子生徒の状元は全国的に見ても少ないとの事です。また、河南省では、今年僅か9歳の子供が高考に参加して、点数は172点だったそうです。
各高校では高考の受験者の名簿・得点も張り出されていますが、学校により、学校内ではなく部外者にも良く見える場所に、高得点者の名簿、得点、進学先の大学の一覧が張り出されます。貴州省凱里市等の高校では、道路に面したよく見える場所にその高校の進学先や点数が張り出されていました。
学校に拠っては、この様に校外にその年の高考の点数や進学先の一覧を張り出します。中国では小中高とも門があり守衛もいて父兄と云えども校内自由には入れません。大学へは自由に出入り出来ますが。