中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

中国では年間1300万件の人工中絶が

2015年01月30日 | 中国事情

先日放送された中国中央TV13チャンネルの「新聞1+1」と云う番組の中で中国では毎年1300万件もの人工中絶(中国語では人工流産と云う)が行われていると云う実態を取り上げ報道していました。中国では年間1300万件もの人工中絶が行われていると云う数字には、私も些か驚いたのですが、報道に拠れば、この数字は別に特に目新しい数字ではなく、2013年にも中国での人工中絶は、年間1300万件に及ぶとの報道がされたそうです。1300万件と云う数字もさることながら、最近では特に、人工中絶をする人の低年齢化が目立つとの事です。25歳以下の女性が半分を占め、特に最近では人工中絶をする「女子学生」が、その主力となっていると共に、より低年齢化が進んでいるとの事です。

2013年に行われたある調査(中国国内の30省の300の病院で行った約8万件の人工中絶の調査に基づく)に拠れば、人工中絶をした者の平均年齢は27歳で、中には13歳の少女もいたとの事。24歳以下が全体の約31%を占め、19歳以下の者は約3.1%を占めたそうですが中絶をする者のより低年齢化や中絶を繰り返す者の数も増えているとの事です。

「新聞1+1」と云う番組の中では、人工中絶の件数は1300万件よりも多いだろうとも報じていました。公式の医療機関とは云えない闇の医療機関で中絶を受ける人や登録されていない私人の医療施設で中絶を受ける人も多く、その数に関しての調査は無いので実態は1300万よりかなり多いのではないかとしています。

以前中国の人工中絶について調査した事のある「国家計画衛生科学技術研究所」は、中国の人工中絶について、その数は世界一多く年間800万件から1300万件人工中絶が行われている事、人工中絶を受ける年齢は24歳以下の者が約28%から約47%占める事、その内少女が約3%占める事、人工中絶を受ける者は、未婚の女性が多く約31%を占める事。繰り返し中絶を受ける者が約55%から約65%を占める等の特徴があると指摘しているそうです。

北京など大都市では人工中絶を受ける女性は大学生以外には、所謂「農民工」と呼ばれる地方から都市部に出稼ぎに来ている若い女性が多いとの事です。闇の施設で中絶した結果、後で子供を産めない体になっている事を知る女性も少なからず居るとの事ですが、北京でも中絶する若い大学生が増えているとの事です。この様に中国で人工中絶が多いのは、性に対する知識の欠如や適切な性教育がなされていない事がその理由に挙げられる様です。また、「中絶は安全で、その上、無痛で出来る」等の人工中絶に関する宣伝を真に受ける女性も多く、人工中絶の危険性についての知識が乏しいとの指摘もある様です。

1月26日付の「中国青年報」(電子版)でも、「人工流産の低年齢化」と題して中国に於ける人工中絶の現状を取り上げています。この記事では、2013年のある調査では中国では年間1300万件行われているとしています。若い人達の性に対する考えは解放されたが、性に対する知識が追い付いていないと指摘しています。広東省で行われたある調査に拠れば、大学生の約48%は恋人同士であれは性的な関係は当然と答えたとの事です。中国のある大都市の或大学周辺では週末や休日には旅館や小旅店はカップルの学生で埋まるそうです。また、ある大学の正門では中絶の宣伝のチラシも配られるているとの事。

私も貴州滞在中には大学の周辺には、意外にも沢山の旅館や宿泊休息する施設があり、若い人が利用すると云う話は聞いた事があります。また、中国では大学や高校は基本的には全員学生寮に入る事が義務付けらているのですが、3,4年生ともなると寮を出て部屋を借りる人も多く、その場合は大抵恋人がいる場合が多い様でした。無論中には寮生活だとプライバシーが無い、勉強に集中出来ない等の理由を挙げる人もいましたが、私が教えた学生の中の寮を出た何人かは彼女乃至は彼氏がいると云うのが一番の理由の様でした。大学2,3年生ともなると彼氏、彼女が居るか居ないかが大きな関心の一つで、いない人が珍しい様な雰囲気でした。

また、貴陽市にいる時、地元の新聞が高校生が親で内緒で「部屋」を借りるケースが多い事も問題視し、記事にしていました。中国では高校も原則全寮制なので、子供は週末の金曜日の夜家に戻り、日曜日の夕方再び学校に戻るのと云う繰り返しなので平日はどのように生活しているかは親には分かり難い様です。親に内緒で部屋を借りる場合も、その理由は二人で過ごしたいからとの事。また、学校周辺には、その手の安い部屋が沢山あり需要に供給が追い付かないとの事でした。

 



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