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日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

18年3月29日ニューズウィーク日本語版の記事と写真は変

2018年03月31日 | 日本と中国

2018年3月29日(木)付のニューズウィーク日本語版(電子版)に掲載された、習近平との会談の席上で必死にメモをとる金正恩として掲載された下記の写真は完全な間違いです。この写真は首脳会談の席上の写真ではありません。別の時の写真です。

金正恩が習近平の前で大人しくなった...「必死のメモ」と強ばった笑顔

018年3月29日(木)付のニューズウィーク日本語版HPより

訪中した金正恩は習近平国家主席との会談で懸命にメモを取っていた CCTV-REUTERS TV

この写真の説明として、「訪中した金正恩は習近平国家主席との会談で懸命にメモを取っていた。」とありますが、この写真は金正恩が北京にある「十八大以来中国科学院创新成果展」と云う展覧会を参観した後に金正恩が、ここを参観した記念に感想等を書き記している場面の写真です。(注:中国語では、題詞留念と云う)

この写真を見て、そもそもこんな大きな紙の上に、首脳会談の席でメモを取るのは変だとは思わないのでしょうか?また、この様な大きな紅い紙の上に、この様な大きな字でメモを取るのも可笑しいとは思わないのでしょうか?

当然この記事を掲載転載にするに際して編集長等も目を通していると思いますが、誰も間違いを指摘しないのは理解に苦しみます。また、写真の背景を見ても、すぐにこれは首脳会談の席での写真では無いとわかります。

更に、ニューズウィーク日本語版の記事では<北朝鮮国内では傍若無人な振る舞いを見せる金正恩だが、習近平の前では懸命にメモ書きするなど相当なプレッシャーを感じていた様子>と小見出しを付けていますが、当然この写真が間違いなのですから、この様な解釈も可笑しい事になります。

この記事を書いた人も中国中央テレビの中朝首脳会談の様子を報じたテレビニュースを見て書いたと思われますが、確かに首脳会談の席上、金正恩がメモを取る場面も流れていますが、特に必死と云う感じはありません。当然ですが、習近平が話す間中、絶え間なくメモを取っている訳でもありません。 私も中国中央テレビの中朝首脳会談を報じた番組を見ましたが、特に必死にメモを取り続けていると云う感じではありません。当然ですが、習近平が話している間に、金正恩がメモを取らないで彼の顔を見ている場面も流れています。

また、この記事の中に「筆者が注目したのは、金正恩氏が習近平氏の話を目の前に置かれたノートに懸命にメモ書きする様子が見られたことだ。」ともありますが、これもかなり誇張された表現と云う事になります。この筆者は一体何処に注目したのかと云いたくなります。

尚、この記事は、高英起(デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト) ※デイリーNKジャパンより転載とありますが、当然この間違いを見逃した責任はニューズウィーク日本語版(電子版)にもあると思います。

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