中国語では「キノコ」は「野菌」或いは「野生菌」というのが一般的のようです。今私が滞在中の雲南省大理古城の農貿市場等では、7月末から実に沢山の種類のキノコが並び、売られています。市場によってはキノコだらけというほどの様々な「野菌」を売る人、その「野菌」を買う人で賑わっています。雲南省は「キノコ王国」として有名とは聞いていましたが、これほど沢山の種類の食用キノコが売られているとは想像だにしませんでした。
私は、以前貴州省にも3年程滞在していましたが、農貿市場や菜市等でもキノコが売られているのを度々見かけましたが、貴州省で売られているキノコは、種類も左程多くはなく、特段に珍しいとも感じませんでした。がここ大理古城で売られているキノコの種類の多さ、キノコを専門に売る人の多さには圧倒される想いです。その売られている「野生菌」の種類の多さを見ると雲南省が「キノコ王国」とも称されるのを実感すると共に納得する次第です。値段はキノコの種類により様々ですが、大体一斤12元から高い物で20元程度のようです。
農貿市場等では、このようにキノコを種類別に籠に入れて売っている事が多い。値段はキノコの種類により、また、時期により違いますが、聞いたところでは、平均一斤(500g)15元前後のようです。
この時期には、農貿市場や菜市等には、キノコだけを売りに来る人も多く、自分で採ったキノコを市場に持ち込んで売る人が主流のようです。一斤5元という野生菌もあり。
農貿市場の一角は、このように野菌を売る人で埋め尽くされています。今私が滞在中の「大理古城」だけでも食用として売られているキノコの種類はいったい、どの位あるのだろうと思います。数えていませんが、ざっと見ても4、50種類位は優にありそうです。まさに「野生菌王国」と言う感じです。
このように食べても大丈夫なのかな?と思うような野菌も売っています。
農貿市場に売りに来た人が、籠からこのキノコを取り出したら奪い合いのようになり、多くの人が、このキノコ買っていました。このキノコは、一斤15元との事。
あるサイト等に拠れば、この様な珈琲色や淡い紫色をしているキノコは食べても大丈夫との事。
あるサイトに拠れば、毒キノコはジャガイモや大根のような臭いがするが、食べても問題のないキノコは果物のような臭いやアーモンドのような臭いがするとも述べています。
今の所食べようという気が無いので、手に取って臭いなども嗅いでません。日本などでも毒キノコかどうかの見分け方があったと思いますが、日本の見分け方は当てはまらない感じではあります。
これは松茸で、値段は一斤50元から60元との事。やはり松茸は、他のキノコと比べると、とても高い。
7月中旬頃に地元の新聞「雲南信息報」(電子版)には、売られている「野菌」の中には毒キノコもあるので注意するようにと、消費者に注意を促す記事も載りました。また、ネット上には、食用可能な野菌と毒野菌の見分け方等についての記事も載っています。
面白いのは、食用可能な野菌の見分け方の一つの方法として、昆虫等がその野菌を食べれば、毒野菌ではないので大丈夫としている記事に対して、ある専門家は昆虫に無害であっても、人間には有害で中毒を起こす可能性があると指摘している事です。また、食べる事が出来るキノコか、毒キノコかは多くの場合は、雲南省では、そのキノコを食べた事のある人の経験に基づいているとの事です。従って、ある人には中毒を起こさなくても、他の人は中毒にかかる事もありうる事になります。
毒キノコと食用キノコの見分け方としては、形、臭い、色、キノコの表面の分泌物等を良く見て見分けるべきとしていますが、一部の専門家は色や形だけで、毒キノコかどうかの判定は難しいとしています。その一例として「鶏油菌」というキノコは色鮮やかな黄色をしているが食用キノコであると述べています。植物図鑑などで毒キノコかどうかを調べるのも一つの方法としていますが、市場に並んで売られている様々な種類のキノコは、食べても全く問題ないのかチョット心配ではあります。
7月から8月にかけて雲南省では、野生菌のシーズンだそうですが、今の時点では、私も農貿市場等で売られている野生菌を食べてみようという勇気はありませんので、雲南の野菌は残念ながら食べていません。
尚、 ネット等で調べたところ、雲南省では全世界の食用キノコのうちの約半分は、ここ雲南省で採れるとの事です。また、全中国の食用キノコのうちの、三分の二は雲南省産との事。中国全土で食用に出来るキノコとしては、約930種類程確認されているそうですが、その内の約90%は雲南省でも採れるとの事。また、全世界では約2000種類ほど食べる事の出来るキノコがあるそうです。
雲南省でも、特に楚雄市南華県が「野生菌王国」として名高いそうで、この県だけでも約290種類もの、食用キノコが採れるそうですが、4年連続の旱魃の影響で、雲南省の野生菌の収穫量も例年に比べ少ないようですが、ここ大理市は8月に入り雨量も多く、野生菌の育ちも良いそうです。