中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

張芸謀夫妻が払う罰金

2013年12月03日 | 中国事情

中国の中央TVや多くの新聞は連日のように映画監督張芸謀の一人っ子政策違反の問題を取り上げています。

新京報や南方週末(電子版)等に拠れば張芸謀は、弁護士を通じて「現在との妻との間に、二男一女の子供が居るとして、一人っ子政策に違反して事を認めると共に、関係当局の調査を受けて、法律に基づいて処罰を受け入れる」と表明したとの事です。

その結果、今注目を浴びているのが、張芸謀が一体幾らの罰金を払うかと云う点です。12月3日付の新京報(電子版)に撚れは、張芸謀の三人の子供は、現在の妻と江蘇省無錫市に居住しているそうです。その「江蘇省人口与計画生育条例」等に拠れば、「非婚の子供の場合は、基準所得の0.5倍から2倍の養育費を払う。また、非婚で二人以上の子供が居る場合は、基準所得の5倍から8倍の養育費を払う」と云う規則があるそうです。(注:養育費とは一人っ子政策に違反した人が払う違反金で、中国語では養育費と称される)

「江蘇省人口与計画生育条例」に拠れば、その際の基準所得とは、市県等に居住する「城鎮居住民」の場合は、前年の平均可処分所得を基準にし、農村に居住する住民の場合は、郷(鎮)農村居住民の平均純所得を基準にすると定められているそうです。(注:違反金の算出基準は他の省・市等もほぼ同じ)

中国中央TV等に拠れば、2012年度の無錫市城鎮居住民の平均可処分所得は、35663元だったので、この規則に照らして計算すると張芸謀夫婦が支払う養育費は最高、各々8倍となり、二人では16倍で合計570608元になるだろうと計算しています。また、少ない場合は、夫婦がそれぞれ平均可処分所得の4倍づつ払う事になり、総額は285304元と計算しています。

騰讯網(電子版)等は、最初の子供は2001年に産まれたので、当然滞納金も払う事になるだろうとも報じています。一部のメディアは、張芸謀の収入から計算して、罰金の額が1.6億元を超えるとも報じていますがどうなんでしょうか?

12月2日の中国中央TV等に拠れば、無錫市の関係当局はTVの取材に応じて「今後の調査結果については公開したい」と話しています。

12月2日付け新京報(電子版)では、張芸謀の三人の子供が無錫市戸籍に登録されている事についても疑問を投げかけています。普通の住民が、二人目の子供を戸籍に登録するのには、公安当局に養育費払ったと云う証明証の提出が義務付けられているそうですが、張芸謀は、未だ養育費を払っていないにも関わらず、既に三人の子供が無錫市に戸籍登録されているので、この点はどうなっているのかについて疑問を呈しています。尚、張芸謀夫妻は、2011年9月に結婚証明書を受け取ったとの事です。また、二人目の子供は2004年に、三人目の子供は2006年生まれたとの事。

張芸謀は代理人を通して、「女性が3.4人も居るとか、子供も7.8人も居る等の根拠の無い報道をされた事や今回の件で妻や子供が平穏な生活が脅かされて事について抗議すると共に、場合により法的な措置も講じる権利を保留する」と述べたそうです。

今年5月頃にも張芸謀の「超生問題」が取り上げられて中国のTVや新聞等でも問題になったものの、いつの間にかこの問題は、有耶無耶になりましたが、今回は張芸謀側が違反を認めて全く違う展開となりました。これは私が思うには、中国共産党の新体制となり、イロイロな点で厳しい対応が予想されるので、張芸謀側が素直に罪を認めたのかなと推測します。



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