中国で豆豉と呼ばれる物を、日本の納豆の同類として、一括りにして論じるには些か抵抗を感じます。日本で納豆と呼ばれる物は、一般には大豆を発酵させた後、何ら加工はしないで食べますが、中国の豆豉は、大豆を発酵させる迄は同じですが、その後更に手を加える様です。私の知り合いの中国人の故郷は、雲南省の臨滄市なのですが、大豆を蒸した後、植物の葉に来るんで温かい所に置くと発酵して糸も引く様になり、日本の納豆と何ら変わらないとの事ですが、その儘食べる事はないそうです。(注:その中国人は日本に10年程滞在経験のある人です)その後、唐辛子、花椒、塩等加え加工し、云わば保存の効く調味料として使うとの事です。
中国での「豆豉」の作り方を中国語検索エンジン「百度」で検索すると「柔らかく煮た大豆を温かい所に置いて、発酵させた後(注:ここ迄の段階では日本の納豆を作る工程と全く同じで、そして糸も引く様です。場所に拠り、そのヌルヌルを取り除き、それを砕き、花椒や唐辛子や生姜、ニンニク等の調味料を加え、更に白酒や塩を加え良く混ぜた後、団子状にして、それを天日に晒して出来上がるとあります。(百度に拠る)
従って、中国の豆豉は一種の調味料であり、保存食でもあります。それを日本の納豆と同類に扱うのは、如何なものかと私は思います。但し、日本の納豆と同じような物が、中国やミヤンマーに在ると云うとより皆の関心を引くのかも知れませんが、私としては中国の豆豉と日本の納豆を一括りにするのには大いに抵抗を感じます。
せんべい状にして、天日で乾燥しているところ。出来たばかりと云う感じです。
この様な形の豆豉は調味料として使われる様です。出来てからかなり時間か経っている感じです。調味料です。
形もせんべい状の物から、この様な物と色々です。
これらの豆豉を日本の納豆と同類に扱うのは如何な物かと思います。そういう意味では、生豆豉は日本の納豆に近いと思います。と言うか日本の納豆そのものかと思います。
これは貴州省貴陽市の農貿市場で見かけた生豆豉ですが、大豆を発酵させた後、何ら加工せず売られています。これと上の様な加工した類の豆豉を同じに扱うには無理がある様に思います。