私の処で今中学生や高校生が7名程日本語を勉強していますが、その中の一人の生徒の故郷は巍山県との事です。大理州の中では、剣川県が松茸の産地としては特に有名なのですが、何でもこの巍山県も地元大理州では松茸の産地として知られている所だそうです。そんな訳で、巍山県出身の生徒の親から松茸を頂きました。
巍山県では、松茸をどのようにして食べるか、その生徒に尋ねたところ、一般に生食するとの事です。てっきり油で炒めるか焼くか、スープにして食べるかと思いきや生で食べるのが、巍山県では結構一般的と云う答えが返ってきました。巍山県は正式には巍山彜族・回族自治県と呼ばれ、元々少数民族の彜族が多い処ですので、その民族の食生活とも関係があるのか知れませんが巍山県では生食で松茸を食べる事が多いそうです。
このブログでも、何度か原子爆弾と松茸の話に付いて触れた事があるのですが、巍山県出身の生徒の親の口からも矢張り、原子爆弾と松茸の話が出ました。一応、そのような話は根拠の無い話だとやんわり否定しておきましたが、日本では広島に原子爆弾が投下された後、唯一生えたのが松茸で、その為日本人は松茸には、免疫力がある、癌にも効果がある、生命力があるとして特に珍重して、好んで食べると云う様な話が、生徒の親の口からも出たくらいですから、松茸と原子爆弾の話は、雲南省の一部の地域では、かなり広く流布している話の様です。一体全体、何処からこの様な話が出たか分かりませんが、なかなか興味深い話ではあります。
大理州は巍山県産の松茸。知り合いの中国人の処で、湯(スープ)等にして頂きましたが、大変美味しかったです。これは戴いた松茸のほんの一部で、戴いた松茸は全部で3キロ程ありました。市場価格はどの位かは分かりません。
私が、中国で松茸を食べたのは、これで二度目です。最初は1989年に昆明市で語学留学している時、日本人留学生達と松茸を買って食べたのですが、4名で食べる分として100元程払った記憶があります。その際には松茸は焼いて食べたのですが、その際の松茸がどんな味がしたのかと云う様な具体的な記憶は、あまりありません。只、みんなで松茸を食べたと云う記憶のみがあるだけで、松茸がどんな味がしたか覚えてません。
今回は巍山県出身の生徒の親から贈り物として戴いたのですが、かなり上物の様でした。昆明市に長年住んでいるある日本人の話では、雲南省香格里拉の農貿市場にも、松茸の季節には松茸が沢山並ぶそうで、日本では考えられない様な値段で松茸が並ぶので、昆明市から松茸を買いに行く日本人もいるそうです。以前剣川県に行った際、日本へ行った事のあると云う中国人の口から矢張り松茸の話が出た事がありました。その時松茸一斤が200元位と話して居た様に思います。その中国人の親も松茸の季節になると山へ松茸を取りに行くと云う話をして居た様に思います。松茸には執着も興味も無かったので、剣川県では、どのようにして松茸を食べるかも聞かないで終いました。香格里拉等では油で炒めたり、石で出来た鍋というかフライパンの様な物の上で焼いて食べるのが一般的の様です。
今回は、松茸を焼いたり、松茸ご飯にしたりと色々と料理して食べたのですが大変美味しかったです。巍山で食べると云う様に生でも食べたのですが、私は余り美味しいとは思いませんでした。香格里拉の蔵族(チベット族)が食べると云う食べ方、牦牛(ヤク)の乳で作ったバター(酥油)で松茸を炒めて食べたかったのですが、手元に酥油が無いのであきらめました。今回の巍山の松茸が大変に美味しかったので、機会があれば松茸の季節に巍山に行ってみようかと思う様になりました。