中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴州のおこわ(糯米飯)

2015年01月09日 | 少数民族の食べ物

貴州省と雲南省の食習慣の違いの一つに、貴州省は何方かと云えば雲南省と比べると一般に良くモチ米を食べる様に思います。モチ米の食べ方としては、モチ、お強、粽やモチ米を原料とする酒(中国語で糯米酒と云う)等に加工して食すようです。

貴州省のトン族や苗族は祭りの際にも、モチ米で粽を作りよく食べます。また、モチ米を原料にして「糯米酒」を造ります。この糯米で作った酒も蒸留された物が多く、アルコール分を上げた蒸留酒が好まれる様です。苗族の村で糯米で作った酒を飲んだ事がありますが、うるち米で作った酒よりずいぶん甘いです。貴州省の少数民族の多くの村では今でも自宅で酒が造られています。

また、貴州省では、街頭などでもお強が売られている光景を良く見ますが、雲南省ではこのような光景は余り見かけない様です。雲南省でもタイ族自治州である西双版納では良く見かけますが、それ以外の地域では余りお強が売られているのを見かけません。貴州では貴陽市の駅前の屋台でもお強が売られていますし、貴陽市内を初め省内の凱里市、安順等でも、お強は極普通に見かけます。無論お強はお祭りの際にも必ず出される様です、貴州省の苗族の村の祭りを見学した際にも、お強が皆に振舞われていました。黔東南苗族トン族自治州は台江県施洞鎮の姉妹節は、大変に有名ですが、この祭りの際には、黒や黄色に色付けされたお強が作られ食べられます。

モチは中国語では「糯米粑」「粑粑」等と呼ばれている様です。私が今滞在中の大理州では冬至にモチを食べると云う様な習慣もあり、11月から2月頃迄は「モチ」を売っているのを見かけますが、その後は姿を消します。

 

貴州省貴陽市の駅前の屋台で売られているお強。昆明市の駅や大理州の駅では、このような光景は見かけません。

 

お強は、そのまま食べるのではなく、混布を細かく切った物やドクダミの根を味付けした物と一緒に食べます。貴陽市に行った時には、お強を食べますが美味しいです。

 
糯米は、中国語で「江米」とも云い「江」とは長江を意味するとの事で、糯米は中国でも長江流域や長江以南で良く食べられていたそうです。糯米の生産量は少ない事もあり、政府の政策で糯米からうるち米への転作が積極的に勧められた結果、糯米の生産量は激減したのでお強を食べる地域は全体的に減った様ですが、貴州では依然良く糯米は食べられている様に思います。
 
日本の様に小豆で色付けした「赤飯」は、私は見かけた事はありません。お強に色付けするのには、一般に植物の葉や植物の実等を使う様ですが、日本の様にお強に「ゴマ」を振りかけ食べると云う様な食べ方も、私は見た事はありません。

 

 

 



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