中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

「単独二孩」実施されて一年

2015年05月04日 | 中国事情

5月3日付の雲南網(電子版)に拠ると、雲南省では「単独二孩」(夫婦の内の片方が一人っ子の場合は、子供は二人まで産んでも良い)と云う政策が実施されて、今年の3月末で丁度一年経ったそうですが、二人目を産むと申請があったのは、約8千件で、実際生まれたのは、僅か2887人と3千人にも届かなかったとの事。また、申請した夫婦の約半分の4210件は昆明市内に住む人からの申請だったそうです。

一人っ子政策が緩和されると云う事で、事前の予想ではこの政策により雲南省では、新たに約16000人の新生児が生まれると見積もられていたものの、この政策緩和で新たに生まれた子供が3000人にも届かなかったので、余計に話題となっている様です。昨年は、この緩和政策が実施された初年度なので、予測より少ないが来年度以降はもっと増えると予測する向きも多い様です。また、一人っ子政策が緩和される事で、新生児が増えて、医療機関や教育機関、社会保障等の方面に大きな負担かかかると予想されていたようですが、それも予測を大きく下回った事で、杞憂に終わった様です。

甘粛省でも、対象となる夫婦は約48000組居るとの事ですが、今年の2月まで二人目を産むと申請したのは5600組しか居なかったとの事です。予測よりこの政策緩和で生まれる子供が大幅に少ない理由として、甘粛省衛生和計画委員会の当局者は、この政策に付いての宣伝が不足していた事、二人目を産む事に経済的な面での心配があるので二人目を望まない夫婦が多い事、若い夫婦の間では子供、家族に対する伝統的な観念が大きく変わった事等を挙げている様です。

国家衛生和計画委員会に拠れば、2014年12月の時点で、中国全土では約1100万組の申請の対象となる夫婦が居るとの事ですが、実際に二人目を産みたいと申請したのは、僅か70万組だけだったとの事で、これは率にして6%との事で、この数字は事前に予測された数字18%と比べても大幅に少ないとの事です。北京でも、申請率は6.23%、上海では6.7%との事で、何れも予想された数字を大きく下回った様です。(注:昨年、中央政府が「単独二孩」を認めた後、具体的な実施の時期は、各市・省・自治区に任されているので中国全土では、バラツキがあります。全体の数字が分かるのはもう少し時間が必要と思われます。)

但し、広東省の東莞市では約78%、深圳では約41% 広州市では約29%の夫婦が申請したとの事で、広東省一省だけで全国の約10%の約10万組の申請があったとの事です。この事は子供を二人産む事は多くの夫婦が経済的負担が大きいと感じて、申請を躊躇する事を裏付けているのかも知れません。云うまでもなく広東省の中でも、東莞市や深圳市、広州市等の都市は中国の中でもに特に経済的に豊かな土地だからです。

雲南省に限らず、中国内の全ての市・省・自治区で、昨年から「単独二孩」を実施したものの、この政策により新たに産まれた新生児の数が大幅に予測を下回った事で、改めて全ての夫婦に、二人までは子供を産む事を認めるべきと云う要望もあるようですが、中央政府は、現時点では政策を転換する考えはない様です。羊城晩報(電子版)に拠れば、今年の3月には人口学者39名が連名で、「全ての夫婦に、二人までは子供を産む事を認めるべき」との建議書を関係当局の提出したそうです。

但、新聞等で報道されている数字は、何れも二人目を産みたいと申請があった数字ですので、実際に生まれる子供の数は次年度は増える様思われます。

 

 

 

 

 



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