中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴州省畢節田坎郷で子供4名が自殺か

2015年06月11日 | 中国農村

新京報(電子版)等に拠れば、貴州省畢節市七星関区田坎郷で、6月9日夜半4名の児童が農薬を飲んで自殺したとの事です。4名の子供は所謂「留守児童」で、4名の子供は兄弟姉妹(注:一男三女)で、一番年長の子供は男の子で13歳、一番年下の子供は4歳の女の子だったそうです。子供の両親は共に出稼ぎに出ていており、おじいさん、おばあさんも既に亡くなっており、4人の兄弟の面倒を見る人は、周辺には、誰もいなかったとの事で、兄弟姉妹4名だけで暮らしていたとの事です。

村人の話に拠れば、4名の子供は生活費にも事欠く様な状態だったので、一ヶ月前には学校も辞めてしまったとの事。子供達が食べるものと云えば、去年収穫したトウモロコシだけで、それを「トウモロコシ麺」にして食べていたとの事です。子供達は、他の人達とは、特段に何の問題も抱えていなかったとの事。子供達が家の中に倒れていたのを村人が見つけたそうですが、枕元には農薬のビンが転がっていたそうです。何故に4名の兄弟姉妹が自殺するにいたったか、その理由に付いては現時点では詳しくは判らない様です。

以前、このブログでも触れたのですが、貴州省畢節市では2012年に家出してホームレス状態の子供5名が、寒いのでゴミ箱の中で暖を取っていて、ゴミ箱の中で中毒死したと云う事件がありました。やはり、その子供達の何れの親も出稼ぎに出ており、また、その子供らが学校に行かなくなっていても誰も注意を払っていなかったとの事です。

今回も、子供らが学校を辞めていたにも関わらず、特に誰も注意を払わなかったようです。確か、2012年に畢節市で児童5名がなくなった後には、以前子供達が通っていた学校の校長や郷・村当局の関係者が、その責任を指摘されたようですが、未だ詳しい事情はわかりませんが、今回その際の教訓が生かされていなかった様です。

田坎郷は苗族彝族が多く住む地域で、海抜も900メートルと高く自然条件が大変厳しい地域で、それ故大半の家からは、若い人達は皆出稼ぎに出ており、大半の子供は所謂の「留守児童」との事です。また、トウモロコシ、ジャガイモくらいしか栽培出来ないとの事。それ以外は、胡桃との事です。

どの様な状況の小学校に子供らが通っていたか興味がありますが、今の時点では、その辺の事情は全くわかりません。中国新聞網等に拠れば、近辺のある小学校(教学点)には、6年生のクラスと3年生のクラス二クラスがあるのみで先生は一人の事。先生に用事などがある場合は、授業はお仕舞いとなるとの事。また、ある小学校には、未だに教室に電気も引かれていないので、授業にも差し支えるような状態との事です。

 

中国新聞網より、田坎郷にある某小学校の様子。この様に満足に、学習机や椅子のない学校も中国の農村には多いです。2.3年前にはある省では、依然子供たちが学校に椅子を持参して通うと話題になったこ事もあります。最近では一部の農村の学校にも、日本の学校で見られる様な学習机や椅子がある学校も増えています。

 

田坎郷にある農家の様子。中国新聞網より(注;自殺した児童の家とは関係ありません)

 

今回の事件に付いては、ネット上でもかなりの関心を呼んでいるようで、今回の事件に対する意見も多く寄せられています。2012年に起きた事件の後には、幾つかのメディアが子供らの家の様子や子供らが通っていた学校や村の状態を割合に詳しく調査し、その後再度報道しましたが今回はどうでしょうか



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