今私が滞在中の「大理古城」には大きな農貿市場が二箇所あります。それ以外にも夕方になると近在の人が天秤棒やリヤカー、自動三輪車等で、野菜や豆腐、果物、豚肉、日用雑貨品等を運んで来て開かれる小規模な菜市という市場もあります。こちらの方は場所によりますが規模も小さく並んでいる店もせいぜい5,6軒というような場合もあります。夕方5時頃から始まり一時間半程度で店じまいとなります。大理鎮には多くの村もありますが、村の入り口等にも夕方になると小規模な菜市場が立つ事も多いようです。
先日農貿市場に行ったら、農貿市場近くの路上で赤紫蘇を売っているのを見かけました。中国の農貿市場で赤紫蘇を見たのは初めての事です。貴州省の農貿市場でも青紫蘇に近いような物は何度も見かけた事はありますが、はたして本当の紫蘇なのかどうかは自信がなく、本物の紫蘇なのかどうかは確信がもてませんでした。今回大理古城で見た赤紫蘇は間違いなく日本で見る赤紫蘇と同じ赤紫蘇のようで、臭いも紫蘇の臭いがしました。
大理古城で見かけた赤紫蘇。値段は一束2元との事。赤紫蘇を見たのは初めてです。
こちらは、その赤紫蘇を使った料理の一つで「梅餅」。一個4元。
赤紫蘇を使った「梅餅」の赤い色を見て、日本の手作りの梅干を思い出しました。私が小さい頃はどの家でも梅干を作っていて、梅干を作る時には、この赤紫蘇を使ったものでした。今では市販の梅干等も人工の着色料を使っている物が多いようですが、ここ中国は雲南省大理古城で赤紫蘇の本当に懐かしい、云わば本物の色を見るとは、思いもしませんでした。
農貿市場には、その時期の旬の物が並ぶようなのでこの時期を逃すとこの赤紫蘇も、もう見る事が出来ないのかも知れません。農貿市場で売っている野菜には、当然日本で売っているのと同じ野菜もありますが、中国ならではの野菜も沢山あります。牛蒡も日本では良く見かけますが、中国でも牛蒡が売っていないか農貿市場等を覗くたびに注意して見ていたのですがナカナカ牛蒡を売っているのは見る事が出来ませんでした。
その牛蒡も雲南省麗江市の農貿市場で見かけました。麗江市にある農貿市場をぶらついて居たら牛蒡を売っている人を見て、初めて牛蒡を見たので「あっ牛蒡だ」と思い、売っている人に近づいたら、その人から「これは薬だ」と云われました。雲南省や貴州省等の農貿市場では牛蒡を売っているのはまず見かけませんから、この地域では牛蒡は野菜と云うより、やはり薬として扱われるのかもしれません。その人は、袋に入った牛蒡だけを売っていました。
ネット等で調べると紫蘇も牛蒡も中国から日本に伝わったそうですが、最初は紫蘇も牛蒡も薬として中国から伝わったとの事。赤紫蘇を売っている人の話では「風邪に効果がある、喉に良い」との事でした。尚、牛蒡はどんな効き目があるかは聴かないでしまいました。私としては.牛蒡は野菜と思い、売っている人に近づいたら、思いもかけずに「薬だよ」と云われたので、値段や牛蒡の効き目を聴くきっかけをなくしたような次第です。
こちらは雲南省麗江市の農貿市場で見かけた牛蒡。中国で私が初めて見た牛蒡です。いかにも野生の牛蒡と云う感じですが、この様に袋に牛蒡を入れて、この牛蒡だけを売っていました。