▲秋ドラマ雑感、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」上白石萌音・安子編
秋ドラマがほぼ最終回を迎えたので、視聴していた秋ドラマの雑感です。
トップは今一番楽しみに視聴している、朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の、上白石萌音・安子編です。
朝ドラ東京班の大失敗作「おかえりモネ」を受けてのスタートでしたが、「おかえりモネ」とは好対照の素晴らしいロケットスタートを決めてくれました。
3代・100年に亘る物語ということで、ある程度は展開の早いドラマを予想していましたが、ヒロインの幼少時代をあっさり2回で終了し、第3話から上白石萌音・安子編がスタートするという予想以上のハイペースさでした。
ドラマの展開は早いながらも、きっちり描くところはきっちりと描かれているので、上白石萌音・安子編開始早々から安子に感情移入し、その状態が上白石萌音退場の第38話まで続きました。
上白石萌音を初めとして、配役がとても素晴らしく、プロデューサーの慧眼をひたすら褒めるしか手がありません。
特に安子の相手役である稔に、松村北斗くんを抜擢したのが素晴らしかったです。
彼はJのタレントですが、今まで当ブログに何度も書いてきたことですが、この稔役を、顔が売れているから、と言う理由で同じJの山田くんとか、中島くんとか、あるいは菊池くんなんかに振っていたら、ドラマ自体の印象が、相当変わってしまったことでしょう。
やはり、プロデューサーの慧眼を褒めるしかありません。
さて、安子編全38話中、私が強く心を動かされたのが以下です。
神回といっても良いと思います。
第3〜5話の稔との出会い、自転車練習、祭からの「May I write a letter to you?」まで。
第8話 稔と安子の岡山駅での邂逅。
第15話 結婚編。
第17話 慟哭する金太。
第19話 急逝した金太。
第31話 算太を抱擁する美都里。
基本、褒めるところしかないドラマですが、私が初見から強い違和感を感じたのが、祭りで、稔が安子を残してカンザシを探しに行くシーンでした。
その直後、勇が登場して「兄貴とは釣り合わん」と言うことで物語が展開するので、脚本家の都合上、安子と勇を一瞬でも二人きりにする必要があったのだと理解できましたが、勇が安子と稔のあとをこっそりつけて、安子がひとりになる時を待っていた、というのは勇のキャラと一致しませんし、それでは、偶然出会った?というのもかなりご都合良すぎます。
脚本の藤本有紀さんも随分ご苦労されたこととは思いますが、このシーンについてはもう一捻り、欲しかったと私は思いました。
そして最悪だった第38話。
いくらなんでも詰め込みすぎで、ドラマが破綻するのでは?と思うほどでした。
これはもう少し、丁寧な展開にすべきだったと強く思います。
第38話の安子とるいの別離には、「死別」という選択肢もあったはずです。
しかし、あえて視聴者の印象が最悪の「生き別れ」で、安子はアメリカにいる、という選択をしたので、多分、これから先にあっと驚くような伏線回収があるのだろう、と期待しながら今後の展開を見守ることにします。