虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの脳に良い働きかけ方(0~3歳、3~7歳、7~10歳)

2021-08-01 20:51:02 | 教育論 読者の方からのQ&A

日本大学医学部教授、マイアミ大学脳神経外科生涯臨床教授などを経て、
06年から日本大学総合科学研究科教授をしておられる林成之氏の著書
『子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!』(幻冬舎新書)に、
0~3歳、3~7歳、7~10歳以降の脳のために良い子どもへの働きかけ方が載っていました。
簡単にまとめて紹介しますね。(読みやすい本ですから、ぜひ著書を読まれることをおすすめします)

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0~3歳は、脳の細胞が増え続ける時期で、未熟な脳に負担をかける知識の詰め込みはNG。
将来的に才能が伸びなくなる原因を作ります。
理解力や思考力、記憶力を存分に発揮するための最初のかぎは、「興味を持ち、好きになり、感動すること」です。
人間の脳が「好きになる力」をつけるのに大きな役割を果たしているのが、お母さんの役割です。

3~7歳は、不要な脳の細胞が死んでいく「間引き」の時期。
脳神経回路網は、間引きが適切に行われるほどほどよく発達し、「勉強やスポーツのできる脳」の基礎固めを目指します。
適切に「間引き」し、脳神経伝達回路網のベースをしっかり作ることが重要なので、知識やテクニックを教え込む時期ではないのです。
この時期は、脳の機能や本能、心を鍛える際の妨げとなる「脳に悪い習慣」をやめることが大切です。

<脳に悪い習慣>

★物事に興味が持てない 感動しない
子どもが「面白くない」「つまらない」「そんなのどうでもいい」などとしょっちゅう口にしていたら要注意。
興味や感動は、脳をしっかり働かせるための鍵です。

★「無理」「できない」「大変」など否定的な言葉を使う
子どもの口から否定的な言葉が出るのは、楽をしたい、失敗したくないといった自己保存の法則が働いているから。
否定語が脳に及ぼす影響は、とても大きく、すべてA10神経群が情報にマイナスのレッテルを貼る作用があるので、口にするだけで脳の理解力や思考力が落ちます。

★よく「後でやるよ」と言う
★集中できず、途中で違うことを考える
★だいたいできたところでやめる
★人の話を聞き流す
★人をバカにする 尊敬できない
★学んだことを確認しない
★自分が失敗したことを素直に言えない
★損得を考えて手を抜く


7歳~10歳以降の勉強は、自主的に勉強させることが大切です。

この時期、子どもに「勉強しなさい」と言ってはいけないそうです。
子どもを思えばこそ出る「勉強しなさい」。でも、「勉強しなさい」は封印しなくてはなりません。
特にある程度発達した子どもの脳にとっては、このような指示・命令は ”百害あって一利なし”だからです。
もちろんただ放っておけばいいわけでもありません。
自己報酬神経群の機能を高めつつ、うまく子どもを導くためには、「よい質問を投げること」が有効です。

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<虹色教室からの補足>

否定語を口にするだけで脳に悪影響があることがわかっても、「そんな言葉を使ってはだめ」と注意することで、子ども達の口から否定語を減らすのは大変です。

「しなさい」と指示するのでは、「楽をしたい」という自己保存の法則が働くだけですよね。

学んでいることの中の興味深い部分に大人も関心を示して、子どもの意見や発見に耳を傾けることが大事だと感じています。

おはじきや折り紙などを使って、見て、触れて、自分の頭で主体的に考えられるようにしてあげると、「無理、できない、大変」という言葉は減ってきます。

また、失敗することを恐れずにチャレンジするために、何度か失敗するであろうチャレンジをする前に、「失敗しても、くじけず取り組めた」という時に渡す「レベルアップした、進化した」などと書いたメダルを用意しておくのもいいです。

言葉で繰り返し励ますだけでも、失敗を気にせず、我慢強く取り組む姿勢が身に付いてきます。

 

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