3歳までと、3歳~を年齢でバシッと線引きできるわけではないのですが、3歳までの子の「言うことをきかない」と、3歳以降の子の「言うことをきかない」は、少しわけて考えた方がよいかと思います。
3歳以降の子は、集団の場などではとても上手に過ごせるのに、お母さんや親しい人をたたく、大人をにらみながら反抗するという子がいます。
この、一方では非常に良い子で、あるとき、「わがまま」と見える態度がある子は、大人をたたいたり反抗したりしているときに、同時に大人に強く甘えたがっている子が多いと感じています。
「園ではおりこう、お母さんには反抗的」という子を教室でお預かりしていると、最初は良い子すぎ、次に私をたたきはじめ、しまいに私のひざにのったり、抱きついてきたりしてべったり甘えていて、最後に、良い子すぎでもなく、反抗的でもないその子らしい明るい笑顔を見せて遊び始めます。
このごろは、3歳から幼稚園に入園している子もたくさんいますから、3歳の子が、小学生並みの「しっかり」を求められている場合がよくあります。
この時期の子は、どんなにしっかりしている子でも、赤ちゃんの頃と同じように抱っこされたり、さまざまな義務を大目に見てもらったりして、幼い子としての扱いも十分受けていないと、ひねた反抗的な態度になっていきます。
3歳以上の子が甘えてきたときは、「あれ~赤ちゃんみたい」「恥ずかしいな~」などと子どもをからかうようなことを言わず、愛されていることがしっかり伝わるように、ぎゅっと抱きしめてあげると、自然と自分から離れていくようになりますよ。
3歳以上の子で、「おもちゃを貸してあげなさい」と言っても、「いやだも~ん」と言いながら、他のおもちゃまで全部自分のものにしてしまったり、お友だちを威嚇して、自分の思い通りに事を進めようとする子がいます。
大人が叱っても平気で、悪者にあこがれているような言動が目立つ子がいます。
こうした子は、自分に自信がない子、自分に過剰に自信がある子の2タイプがあると思います。
自分に過剰に自信がある子の場合、その強さやパワーへの憧れを、正義感につなげるようにしつけていきます。
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自分に自信がなくて、わがままが過ぎる子には、悪い場面で子どもを注意するのを控えて、しっかりできているときに着目して、十分褒めて、自分に対する肯定的なイメージが抱けるように働きかけます。
3歳までの子が感情にのみこまれていたのと異なり、3歳以上の子は、感情にのまれながらも、成長したい思いも同時に抱いていて、良い子と悪い子の間を揺れています。
成長したい思いが強いから、思うようにいかないジレンマでごねているとも言えます。
また、「あれもしたい」「これもできるようになりたい」という思いが増えた分だけ、不安や挫折感も強くなりますから、たっぷり甘えてエネルギーを充電する必要があります。
3歳~4歳前半の不安定な時期を上手に越えると、光輝く4歳児と名づけられるような時期が訪れますよ。
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