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☆良い子 立派な子に 育って欲しい…… 1
という記事の続きです。私はわが子に良い子になって欲しいとか、立派な子になって欲しいとかは思わないのですが、自分の心に正直でいて欲しいな~と思って子育てしています。
(以前、記事にしたものと同じですが)
息子が小学3~4年生の頃、同じクラスに暴言をはいたり
暴力を振るったりすることが多くクラスになじめない男の子がいました。
息子とは正反対のタイプで、おまけに息子には他に仲の良いお友達が何人かいたのですがその子は毎日のように 息子と遊びたいから…と言って
遊びに来ていました。
せっかく遊びに来ても 数分もすると その男の子のワガママが過ぎて
息子たちは よそで遊び始めてしまい
私とその男の子でいっしょにゲームをしたり
遊んだりする日々が続きました。
この子は 私が友達でもいいんだな…と思うと
ちょっとおかしくもあり
時間が許せば遊んであげるようにしていました。
そのうち、 6年生になったその子は、
ますます問題行動が増えたようでたびたび悪いうわさを耳にするようになりました。その子のお母さんは ずいぶん前に家出していて
暴走族に入っている兄と 粗暴な感じの父親と暮らしている
という話もうわさの中で知りました。
その頃になっても、
その子は 私の元にちょくちょく遊びに来ては
兄のバイクに乗せてもらったことや白バイへのあこがれなどを話して帰りました。
息子と同じクラスの他のお母さんたちは、
その子の不良っぽい言動を気にして子どもを近づけないように注意していましたが私自身は その子が息子に暴力を振るうとは思えないし
息子もその子に誘われたくらいで悪いことをするとは、到底、思えなかったので
気にせず遊ばせていました。
あるとき、その男の子が青い顔でやってきて
「学校のガラスを割ってしまった…。」と言いました。
わざとやったのか カッとなった時に乱暴が過ぎてしまったのか
事情はわからなかったけれど
「私も 子どもの頃 妹とけんかして
トイレに飛び込んで隠れていたら
妹がどんどんトイレのドアを叩くもんだから
しまいにガラスが割れて すごくびっくりしたことがあるよ。ガラスがある時は
カッとしていても注意しなくちゃいけないね。」
と言うと、少しホッとしたような、なみだ目になって帰って行きました。
息子が6年生のある日
いつも何ヶ月か置きに演劇を見に連れて行ってたのですが
ちょうどチケットが一枚余ったのでその子を連れて行くことにしました。
誘ったのは 息子の仲の良いお友達は みんな塾で忙しく
その日に都合が良いのは その子くらいだったからです。
それで 親御さんに伝えて、いっしょに劇を見に行きました。
終始 予想以上のはしゃぎっぷりで、もう楽しくてしょうがない様子でした。
劇場で会った私のお友達は その子を連れてきたことに、
ひどくびっくりしてあきれ返っていましたが
思い切って誘ってよかったと思いました。
その時すでに 年上の非行少年たちとの交流があったようですし
もう一年経ったら 道で会ってもそっぽを向くのかもしれません……。
ふつうに暮らしているだけで 悪い道を進んでいきそうな環境で
その子の夢が「白バイに乗ること」だったことが救いで
少しでもいっしょにいれるうちに
「がんばって警察官になってね。☆くんは きっと良い警官になれるよ。」
と繰り返し言っておきたかったんです。
少しして 6年生の修学旅行がありました。
息子の帰りを学校の校庭まで迎えに行くと
子どもたちが 大きすぎるリュックをしょって帰ってきました。
引率の先生は ひとりの生徒をつかまえて
がみがみと叱りながら 歩いていました。見ると、あの子なのです。
きっとよほど悪いことをしたのでしょう。
でも どの子も迎えに来た親が リュックを持ってやったり
「どうだった?楽しかった?」と声をかけたりして
楽しく帰宅していく中
その子ひとりお迎えがいないんです。
そんな心細い状態で まるで見世物のように叱られているのです。
たまらなくなって その子のそばまで行って
「自転車にまだリュックを乗せれるから 乗せて送っていってあげるよ。」
と言いました。するとそばにいたさきほど怒っていた先生に
「あなた だれですか?」と冷たい口調で聞かれました。
「この子は息子の友達なので…。」と言うと
ちょっとイライラした様子で どこかへ行ってしまいました。
その日 とても辛かったのは
他のお母さんたちの視線が冷ややかに感じられた
ことです。でも おそらく この子についての嫌なイメージが
先行しすぎていたために 場の空気が凍り付いちゃっただけだと思うんですが…。悪意があったわけでもないのに しばらく落ち込んでしまいました。
その子の粗暴な行動は
発達障害にあるのか 環境のためなのかはわかりませんが
どちらも根本的にはその子に因があるわけではないと思うのです。
私は今も、その子について、「本当に悪い子なの?」と
疑問に感じています。
次回に続きます。
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という記事の続きです。私はわが子に良い子になって欲しいとか、立派な子になって欲しいとかは思わないのですが、自分の心に正直でいて欲しいな~と思って子育てしています。
(以前、記事にしたものと同じですが)
息子が小学3~4年生の頃、同じクラスに暴言をはいたり
暴力を振るったりすることが多くクラスになじめない男の子がいました。
息子とは正反対のタイプで、おまけに息子には他に仲の良いお友達が何人かいたのですがその子は毎日のように 息子と遊びたいから…と言って
遊びに来ていました。
せっかく遊びに来ても 数分もすると その男の子のワガママが過ぎて
息子たちは よそで遊び始めてしまい
私とその男の子でいっしょにゲームをしたり
遊んだりする日々が続きました。
この子は 私が友達でもいいんだな…と思うと
ちょっとおかしくもあり
時間が許せば遊んであげるようにしていました。
そのうち、 6年生になったその子は、
ますます問題行動が増えたようでたびたび悪いうわさを耳にするようになりました。その子のお母さんは ずいぶん前に家出していて
暴走族に入っている兄と 粗暴な感じの父親と暮らしている
という話もうわさの中で知りました。
その頃になっても、
その子は 私の元にちょくちょく遊びに来ては
兄のバイクに乗せてもらったことや白バイへのあこがれなどを話して帰りました。
息子と同じクラスの他のお母さんたちは、
その子の不良っぽい言動を気にして子どもを近づけないように注意していましたが私自身は その子が息子に暴力を振るうとは思えないし
息子もその子に誘われたくらいで悪いことをするとは、到底、思えなかったので
気にせず遊ばせていました。
あるとき、その男の子が青い顔でやってきて
「学校のガラスを割ってしまった…。」と言いました。
わざとやったのか カッとなった時に乱暴が過ぎてしまったのか
事情はわからなかったけれど
「私も 子どもの頃 妹とけんかして
トイレに飛び込んで隠れていたら
妹がどんどんトイレのドアを叩くもんだから
しまいにガラスが割れて すごくびっくりしたことがあるよ。ガラスがある時は
カッとしていても注意しなくちゃいけないね。」
と言うと、少しホッとしたような、なみだ目になって帰って行きました。
息子が6年生のある日
いつも何ヶ月か置きに演劇を見に連れて行ってたのですが
ちょうどチケットが一枚余ったのでその子を連れて行くことにしました。
誘ったのは 息子の仲の良いお友達は みんな塾で忙しく
その日に都合が良いのは その子くらいだったからです。
それで 親御さんに伝えて、いっしょに劇を見に行きました。
終始 予想以上のはしゃぎっぷりで、もう楽しくてしょうがない様子でした。
劇場で会った私のお友達は その子を連れてきたことに、
ひどくびっくりしてあきれ返っていましたが
思い切って誘ってよかったと思いました。
その時すでに 年上の非行少年たちとの交流があったようですし
もう一年経ったら 道で会ってもそっぽを向くのかもしれません……。
ふつうに暮らしているだけで 悪い道を進んでいきそうな環境で
その子の夢が「白バイに乗ること」だったことが救いで
少しでもいっしょにいれるうちに
「がんばって警察官になってね。☆くんは きっと良い警官になれるよ。」
と繰り返し言っておきたかったんです。
少しして 6年生の修学旅行がありました。
息子の帰りを学校の校庭まで迎えに行くと
子どもたちが 大きすぎるリュックをしょって帰ってきました。
引率の先生は ひとりの生徒をつかまえて
がみがみと叱りながら 歩いていました。見ると、あの子なのです。
きっとよほど悪いことをしたのでしょう。
でも どの子も迎えに来た親が リュックを持ってやったり
「どうだった?楽しかった?」と声をかけたりして
楽しく帰宅していく中
その子ひとりお迎えがいないんです。
そんな心細い状態で まるで見世物のように叱られているのです。
たまらなくなって その子のそばまで行って
「自転車にまだリュックを乗せれるから 乗せて送っていってあげるよ。」
と言いました。するとそばにいたさきほど怒っていた先生に
「あなた だれですか?」と冷たい口調で聞かれました。
「この子は息子の友達なので…。」と言うと
ちょっとイライラした様子で どこかへ行ってしまいました。
その日 とても辛かったのは
他のお母さんたちの視線が冷ややかに感じられた
ことです。でも おそらく この子についての嫌なイメージが
先行しすぎていたために 場の空気が凍り付いちゃっただけだと思うんですが…。悪意があったわけでもないのに しばらく落ち込んでしまいました。
その子の粗暴な行動は
発達障害にあるのか 環境のためなのかはわかりませんが
どちらも根本的にはその子に因があるわけではないと思うのです。
私は今も、その子について、「本当に悪い子なの?」と
疑問に感じています。
次回に続きます。
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