虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

子どもの内面に 言葉にできないうっぷんが溜まっている時には? 1

2016-05-27 12:50:39 | 子育て しつけ

2歳10ヶ月のAくんは、大らかで茶目っ気のある性質。

2歳を過ぎた頃から、周囲で起こっていることをじっくり観察して

自分なりの意見をよく口にしていました。

 

ところが今回のレッスンでは、ちょっと様子が違いました。

やりたいことがあっても、他の子がしている間は

身構えた慎重な態度で立ちすくしている姿が何度も見られました。

 

これまでニコッと顔をほころばせては自分の考えをつぶやいていたのに、

終始、表情をこわばらせて黙りこくっていました。

そういえば、数ヶ月前から、Aくんが何かしようとするたびにAくんのお兄ちゃんに

全て奪い取られてしまったり、Aくんが「これで遊びたいよ」と言っても、

「こっちで遊ぶんだよ」と無理強いされたり、Aくんが何か言おうとすると

お兄ちゃんが割りこんできたりすることが続いていたのです。

男の子の兄弟は、こんな風に周囲をヒヤヒヤさせるほどの衝突を繰り返しながら

成長していくものです。

とはいえ、あまりに理不尽すぎる出来事の連続に、

さすがに大らかな気質のAくんも自分のなかに溜めこんでいるものがあるようでした。

 

この日、Aくんのお兄ちゃんは教室に来ていなかったのですが、

お友だちのBくんのお兄ちゃんが来ていて、いっしょに遊んでいました。

Aくんが、Bくんのお兄ちゃんと同じおもちゃを使いたがり、

同じ遊びをしたがるものですから、自分のお兄ちゃんとの衝突ほど激しくないものの、

たびたび思いがぶつかりあっていました。

 

といっても、Aくんは以前のように自分の意見を主張しようとせず、黙ったまんま

固まっていました。その表情から、口には出さないものの

Aくんの心のなかには、さまざまな思いが渦巻いているのが見て取れました。

 

この日教室には、他の子が「これは、いらない」と残していった

工作作品が置いてありました。それを見つけたAくんは、ゆっくり

それをやぶきだしました。

あわててお母さんが注意しても、さらにやぶいていきます。

「それはね、お友だちが、もういらないよって言ってた作品だから、

Aくんがもらうことができるよ。好きなように改造してみたら?」と問いかけても、

まだやぶいています。

やぶいているAくんの表情は、派目をはずして悪さをしている感じでは

ありませんでした。

何か言いたいことがあるけど、うまく言葉にできなくていじいじしている……

そんな感じです。

 

次回に続きます。


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