Naoの誰でもわかる!英語の話

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「使える英語表現」(No. 61)「他にも方法はあるわ」

2008-05-07 | Weblog
表現61)There is more than one way to skin a cat.(他にも方法はあるわ)

僕が始めてこの表現に出会った時は、「え、うそ。そんな言い方ってないでしょ」と思って、正直ゾッとしました。だってそうですよね。There is more than one way(英語では「一つ以上」=日本語では「2つ以上」、つまり、複数の方法がある、という意味)まではいいですが、そのあとですよね、ゾッとするのは。何の方法かというと、to skin a cat?skinは皮で、それが動詞として使われているわけですから、「皮をはぐ」はいいですが、その対象がa cat(猫)でしょ。まさか猫を…と思いません?ハイ、僕はそう思いました。欧米はなんと残酷な文化なんだ!てね(あ、日本にもそんな文化が昔あったような…)。

そこで、なぜそんな文化が生まれたのかを調べようと辞書を引いた僕は、そこで気づいたのです。自分が間違っていたことを…。a cat は、猫じゃなくて、catfishのことだったのです(よかった…)。その猫のようにひげがある風貌からその名前がついた魚、そう、ナマズのことです。つまり、「ナマズの皮をはぐ方法はいろいろある」というのがもともとの意味ということでした。

1800年代のアメリカでは、自分で獲って来た魚や動物を家でさばくのは一般的で、ナマズも家庭料理の一つの具材だったそうです。しかし、その皮は固く、食べるためにはその皮をうまくむく必要があったらしいのですが、そのむき方(the way to skin a cat)は家によって異なり、一つではなかったそうです。始めはそのことだけを意味していた冒頭の表現は、時間の経過とともに一般化され、そのうち「何かを達成するための方法は一つではない」「他にも方法がある」を意味するアメリカ英語の一表現になったというわけです。ね、納得でしょ?

おさらいしましょう。まずは、この表現の中にあるa cat が「猫」ではなく、「ナマズ」であるということを頭において、その全体の意味を確認してください。そして、今度は、to skin a catを「目的を達成するため」
という意味であると理解してください。できましたか?では、次の文章を読んでみてください。There is more than one way to skin a cat.どうですか? 「何かを達成するための方法は一つではない」「他にも方法がある」という意味になりました?だったら、グー!です(ん?)。では、それが会話の中でどう使われるかを見てみましょう。Here you go!

Jill: What would you do for your mother on Mother's Day?
(母の日にお母さんには何をするつもりなの?)
Tom: I have no idea right now. How about you?
(今は何をするかわからないなぁ。きみは?)
Jill: I'm planning to send her a card with a message.
(メッセージを書いたカードを送ろうと思ってるわ)
Tom: I'm not good at writing. I don't know what to say.
(僕は書くのは苦手だしなぁ。何を書けばいいかわからないものなぁ)
Jill: There is more than one way to skin a cat, Tom.
(他にも方法はあるわ)
Tom: Like what?
(どんな)
Jill: You can send her some flowers, or you can take her out for dinner or something.
(お花を送ることもできるし、夕食とかに連れ出すって手もあるじゃない)
Tom: Right. Oh, she enjoys listening to classical music, so I can send her a pair of tickets to the concert to be held next week.
(そうだよね。そういえば、お母さんはクラッシック音楽を聞くのが好きだから、来週開かれるコンサートのチケットを二枚送るって手もあるよね)
Jill: That's a good idea, Tom.
(それはいいアイディアね、トム)

母の日…何かしたいですが、何がいいか、結構迷いますよね。皆さんはどうですか?あ、父の日もありますが、これは忘れられがちですよね(Poor fathers…)。ということで、今回はちょっとショッキング(?)な表現を取り上げてみました。ショッキングなだけに、一度覚えると忘れることはないはずですので、しっかり理解して覚えてくださいね。では、今回はこの辺で…。See you in the next story, guys. Bye! Nao