英文の基本構造とNP(名詞句について)
今回は、私がアメリカの大学院で勉強したもののなかで、もっとも意味があったと思うことについてお話をしたいと思います。それは英文構造についてです。日本でそれなりに英語はできるようになり、英文についても、まあ理解していたと思っていた私にとって、その新しい考え方は、大変衝撃的なものでした。日本の学校では、英文と言えば、先生たちが第一文型とか第二文型とか言っていたことを思い出しますが、私はそれをまともに覚えたことはありませんし、そんなことを知らなくても、単語や表現、構文、文法などさえわかっておれば、英語の点数は取れました。つまり、英文構造について日本でまともに教わったこともなければ、考えたこともなかったわけです。しかし、アメリカでそれを学んだことで、私を含めた日本人が、英語を話したり、特に書く際におかす多くの間違いの原因がどこにあるのかが、わかるようになりました。実際、学生たちが書いた多くのエッセイや研究論文などの文章をチェックすると、それは明白です。この英文構造の話については、いろいろな要素がありますので、できるだけ分かりやすくする為に、数回に分けてお話したいと思います。今回は英文構造の話、第1回です。
では、まず今回のテーマ、英文構造の話で皆さんに覚えておいてほしいことを先に言いたいと思います。また何度を言うことになるかとは思いますが…。それは、「英文は、様々な意味のかたまり、「句」から構成されており、基本、一つの英文、センテンスは、その「主語となる名詞句」と、「主動詞が先頭に来る動詞句」の二つのかたまりで出来ている。」ということです。どんなに複雑にみえる文章でも、それは一つ一つの単純なセンテンスが集まってできているだけなので、まず英文の基本構造をしっかり理解すれば、後は必要な規則を適用することで、どんな英文もそれなりに理解出来るようになります。
言語学において、このような文の構造を取り扱う学問分野を「統語論」、「シンタックス(Syntax)」と言います。統語の「統」は「統一」の「統」です。「語をまとめる」って理解すればいいかと思います。言語学の主要な分野の一つです。英文構造を分析する方法としては、いろいろな理論がありますが、その中で私が最も重要と思っているのが、また、日本人が理解すべきものと考えているのが、Phrase Structure Grammar、句構造文法、と言われるものです。Phrase、「句」、とは、ある意味のかたまりのことを言います。字は、俳句の「句」です。そう、学校でよく聞いた、名詞句、動詞句、前置詞句、副詞句などのことを言います。簡単に言うと、言語は、それぞれ意味のかたまりである複数の「句」が、一定の規則に従ってつながってできており、その言語を母語とする人は、皆その規則、これを統語規則と言いますが、それを知っていて、言葉を発する際には、その規則に基づいて、必要な言葉、単語類を並べていくと考えます。この意味のある、一つにまとめられる単語群などが「句」と呼ばれ、言語学では、文の構成素、Constituentと呼ばれます。この構成素からなる英文の構造を統語規則とともに明らかにして、人の言語創造過程を理解しようとするのが、句構造文法と言われるものです。これは世界的言語学者である、ノーム・チョムスキーが考案、提唱したもので、人が文章を意味のある形に作り上げる際に、どのような過程を踏むのか、脳が正しい文章を作り上げるまでに行う過程を、そこに適用される規則とともに明らかにしようとするものです。
(End of Part 1)
今回は、私がアメリカの大学院で勉強したもののなかで、もっとも意味があったと思うことについてお話をしたいと思います。それは英文構造についてです。日本でそれなりに英語はできるようになり、英文についても、まあ理解していたと思っていた私にとって、その新しい考え方は、大変衝撃的なものでした。日本の学校では、英文と言えば、先生たちが第一文型とか第二文型とか言っていたことを思い出しますが、私はそれをまともに覚えたことはありませんし、そんなことを知らなくても、単語や表現、構文、文法などさえわかっておれば、英語の点数は取れました。つまり、英文構造について日本でまともに教わったこともなければ、考えたこともなかったわけです。しかし、アメリカでそれを学んだことで、私を含めた日本人が、英語を話したり、特に書く際におかす多くの間違いの原因がどこにあるのかが、わかるようになりました。実際、学生たちが書いた多くのエッセイや研究論文などの文章をチェックすると、それは明白です。この英文構造の話については、いろいろな要素がありますので、できるだけ分かりやすくする為に、数回に分けてお話したいと思います。今回は英文構造の話、第1回です。
では、まず今回のテーマ、英文構造の話で皆さんに覚えておいてほしいことを先に言いたいと思います。また何度を言うことになるかとは思いますが…。それは、「英文は、様々な意味のかたまり、「句」から構成されており、基本、一つの英文、センテンスは、その「主語となる名詞句」と、「主動詞が先頭に来る動詞句」の二つのかたまりで出来ている。」ということです。どんなに複雑にみえる文章でも、それは一つ一つの単純なセンテンスが集まってできているだけなので、まず英文の基本構造をしっかり理解すれば、後は必要な規則を適用することで、どんな英文もそれなりに理解出来るようになります。
言語学において、このような文の構造を取り扱う学問分野を「統語論」、「シンタックス(Syntax)」と言います。統語の「統」は「統一」の「統」です。「語をまとめる」って理解すればいいかと思います。言語学の主要な分野の一つです。英文構造を分析する方法としては、いろいろな理論がありますが、その中で私が最も重要と思っているのが、また、日本人が理解すべきものと考えているのが、Phrase Structure Grammar、句構造文法、と言われるものです。Phrase、「句」、とは、ある意味のかたまりのことを言います。字は、俳句の「句」です。そう、学校でよく聞いた、名詞句、動詞句、前置詞句、副詞句などのことを言います。簡単に言うと、言語は、それぞれ意味のかたまりである複数の「句」が、一定の規則に従ってつながってできており、その言語を母語とする人は、皆その規則、これを統語規則と言いますが、それを知っていて、言葉を発する際には、その規則に基づいて、必要な言葉、単語類を並べていくと考えます。この意味のある、一つにまとめられる単語群などが「句」と呼ばれ、言語学では、文の構成素、Constituentと呼ばれます。この構成素からなる英文の構造を統語規則とともに明らかにして、人の言語創造過程を理解しようとするのが、句構造文法と言われるものです。これは世界的言語学者である、ノーム・チョムスキーが考案、提唱したもので、人が文章を意味のある形に作り上げる際に、どのような過程を踏むのか、脳が正しい文章を作り上げるまでに行う過程を、そこに適用される規則とともに明らかにしようとするものです。
(End of Part 1)