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Question 44:ある映画で、「もう寝る時間だよ」という字幕なのに、俳優は、「It is time to go to bed.」ではなく、「It is time you went to bed.」と言ってました…いや、そんな気がします。僕の聞き間違いでしょうか?(20歳、大学生、男(のつもり))
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Answer:
聞き間違いじゃないです。そんな言い方があるんですよ。もちろん、「もう寝る時間だよ」って意味で、It is time to go to bed. でもいいですけどね。
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でも、主語が it で、動詞(主動詞)が is(現在形)ならば、その文章の時制は現在ですよね。であれば、その後にthat(省略されている)で導かれる節(文)くれば、当然時制の一致で、その後の文の時制も現在でなければいけないじゃないですか。ということは、「It is time (that) you go to bed.」でなければ…?
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考え方はそれでいいですね。でも、問題の文では時制の一致は起こっていない。ということは、時制の一致を受けないなんらかの理由があるということです。それは何か?動詞が過去形になっているにもかかわらず、過去のことを言っているわけではない時って、どんな時か、思い出しませんか?
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それは…あ、「仮定法過去」の時だ。ですよね?
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その通りです。現在の文の中にいきなり過去形の動詞。それが過去を意味してないとしたら、「仮定法過去」における過去形の動詞と捉えましょう。つまり、それは仮定を意味しているわけです。では、問題の文を見てみましょう。
It is time (that) you went to bed.
It is timeは、「~の時間ですよ」でいいですね。「~という」を意味するthatがあって、それがどういう時間なのかが、それに続く文で説明される。
you went to bed
通常の文ならば、「あなたは寝た」となるわけですが、went が、その文全体が仮定法過去の文であることを示しているとなると、その意味は、
「あなたは寝ていたでしょうに」(実際には寝ていない)
となります。え?仮定法にはいつも If があるが、ここにはない、ですって?たしかに。この場合は、我々が慣れ親しんでいる(?)「もし~だったら、~だろう」という通常の形ではありませんね。別の仮定法(過去)の形と考えた方がいいです。以下がその考え方です。
[It is time (that) ~(主語)+動詞(過去形)~]
「今はもう当然~している(動詞)ときなのになぁ(実際はしていない)」
このパターンで覚えれば、簡単でしょ?以下、その例文を二つ挙げますね。
It is time we left for work.
(もう僕たちは仕事に出かける(出かけている)時間だよ。)
It is time you started to work.
(もうお前も働く(働いていなければいけない)時だよ。)
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なるほど。でも、その仮定法を使う時と、使わないで、不定詞(to)を使う時とでは、その意味に違いがあるんですか?
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すこしありますね。以下の二つの文の意味の違いに注目してください。
It is time to go.
(さあ、行く時間だ。)
It is time (that) we went.
(もう行ってなきゃいけない時間だ。)
つまり、上の不定詞(to)を使う場合は、「行く時間がちょうどきた」という意味合いがあるのに対して、下の仮定法を使っている文は、「もう行く時間を少し過ぎている」という含みがあります。では、質問に出た最初の文で今回のポイントを再確認してください。映画でよく見かけるシーンですね。
Okay, kids. It's time to go to bed.
(さあさあ、みんな、寝る時間だ。)
Okay, kid. It's high time you went to bed.
(さあさあ、みんな、もうとっくに寝る時間がきてるぞ。)
highは、timeを強調するために使われる言葉です。very とかと同じ役目をしていると考えていいでしょう。
どうでしょう。その違い、わかってもらえましたか?ということで、今回は、日本人にはちょっとわかりにくい仮定法過去を使った口語表現を取り上げてみました。この文型は英語の試験にも時々出てきますので、しっかり押さえておいてくださいね。では、今回はこの辺で。See you in the next story, folks. Goodbye!
(End of Story)
Question 44:ある映画で、「もう寝る時間だよ」という字幕なのに、俳優は、「It is time to go to bed.」ではなく、「It is time you went to bed.」と言ってました…いや、そんな気がします。僕の聞き間違いでしょうか?(20歳、大学生、男(のつもり))
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Answer:
聞き間違いじゃないです。そんな言い方があるんですよ。もちろん、「もう寝る時間だよ」って意味で、It is time to go to bed. でもいいですけどね。
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でも、主語が it で、動詞(主動詞)が is(現在形)ならば、その文章の時制は現在ですよね。であれば、その後にthat(省略されている)で導かれる節(文)くれば、当然時制の一致で、その後の文の時制も現在でなければいけないじゃないですか。ということは、「It is time (that) you go to bed.」でなければ…?
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考え方はそれでいいですね。でも、問題の文では時制の一致は起こっていない。ということは、時制の一致を受けないなんらかの理由があるということです。それは何か?動詞が過去形になっているにもかかわらず、過去のことを言っているわけではない時って、どんな時か、思い出しませんか?
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それは…あ、「仮定法過去」の時だ。ですよね?
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その通りです。現在の文の中にいきなり過去形の動詞。それが過去を意味してないとしたら、「仮定法過去」における過去形の動詞と捉えましょう。つまり、それは仮定を意味しているわけです。では、問題の文を見てみましょう。
It is time (that) you went to bed.
It is timeは、「~の時間ですよ」でいいですね。「~という」を意味するthatがあって、それがどういう時間なのかが、それに続く文で説明される。
you went to bed
通常の文ならば、「あなたは寝た」となるわけですが、went が、その文全体が仮定法過去の文であることを示しているとなると、その意味は、
「あなたは寝ていたでしょうに」(実際には寝ていない)
となります。え?仮定法にはいつも If があるが、ここにはない、ですって?たしかに。この場合は、我々が慣れ親しんでいる(?)「もし~だったら、~だろう」という通常の形ではありませんね。別の仮定法(過去)の形と考えた方がいいです。以下がその考え方です。
[It is time (that) ~(主語)+動詞(過去形)~]
「今はもう当然~している(動詞)ときなのになぁ(実際はしていない)」
このパターンで覚えれば、簡単でしょ?以下、その例文を二つ挙げますね。
It is time we left for work.
(もう僕たちは仕事に出かける(出かけている)時間だよ。)
It is time you started to work.
(もうお前も働く(働いていなければいけない)時だよ。)
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なるほど。でも、その仮定法を使う時と、使わないで、不定詞(to)を使う時とでは、その意味に違いがあるんですか?
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すこしありますね。以下の二つの文の意味の違いに注目してください。
It is time to go.
(さあ、行く時間だ。)
It is time (that) we went.
(もう行ってなきゃいけない時間だ。)
つまり、上の不定詞(to)を使う場合は、「行く時間がちょうどきた」という意味合いがあるのに対して、下の仮定法を使っている文は、「もう行く時間を少し過ぎている」という含みがあります。では、質問に出た最初の文で今回のポイントを再確認してください。映画でよく見かけるシーンですね。
Okay, kids. It's time to go to bed.
(さあさあ、みんな、寝る時間だ。)
Okay, kid. It's high time you went to bed.
(さあさあ、みんな、もうとっくに寝る時間がきてるぞ。)
highは、timeを強調するために使われる言葉です。very とかと同じ役目をしていると考えていいでしょう。
どうでしょう。その違い、わかってもらえましたか?ということで、今回は、日本人にはちょっとわかりにくい仮定法過去を使った口語表現を取り上げてみました。この文型は英語の試験にも時々出てきますので、しっかり押さえておいてくださいね。では、今回はこの辺で。See you in the next story, folks. Goodbye!
(End of Story)