日暮らし通信


その日暮らしの生活でも、感謝しています

日頃、見た事・聞いた事・感じた事・そして言いたい事などを発信します

イギリス in 1977 (その26)

2022年10月19日 08時24分33秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 一泊二日のフランス旅行 ●

土曜、日曜日は休みなのでこの機会にフランスに行こうと話しが纏まった。往きは飛行機、帰りはカレーからホバークラフトで帰ろうとの予定であった。参加者は出張で同行した男性6人。

さて飛行機でドゴール空港へ。通関も5人までスムーズで早フランスへ。ところが6人目の私だけは許可が下りない。

別に悪いことはしていないのにストップなのである。恐らくは何かを照合しているのであろう。

後で聞いた話だが、私が日本赤軍派の手配写真に似ているのでその確認のためストップされた理由らしい。。待つこと約20分。やっと許可が下りた。言葉が喋れたら文句の一つも言ってやりたいくらいである。

この一件ですっかりフランス人が嫌になってしまった。それに輪を掛ける嫌なことがあった。

すぐ凱旋門やノートルダム寺院などを見た。さすが立派な歴史的な構造物である。

その後あるレストランへ。ところがウエイターがいるのだが一向に注文を聞きに来ない。忙しそうでもない。

6人ともいささか痺れをきらせたがどうもこの店のフランス人は我々日本人を無視しているらしい。席を蹴って出てしまったがこれでまたすっかりフランス人が嫌いになってしまった。

それから私はずうっと "フランス人は愛想の悪い人種" だと決め付けている。

夕食はあるレストランを利用したがそこのショーには驚いた。
客の前に巨大な透明の水槽があり、その中でビキニ姿の美女が泳ぎながら踊るのである。
とにかく水槽の大きさはかなり大きい。これには圧倒された。
どんな夕食のメニューであったかは忘れたが素晴らしく面白いひとときだった。

宿はセーヌ河畔の日航・ド・パリホテルの22階でした。ここでも私には不思議な番号22が一緒でした。


短いフランスの旅であったが残念なことにドーバー海峡が時化ていてホバークラフトが運行中止。海底トンネル経由鉄道利用のお帰りとなってしまった。
      (この項終わり)

神代植物公園の大温室を出てからは園内を歩いてみた。
大広場に行くとススキが巨大化したような白い植物が見えてきた。

案内板を見ると 「シロガネヨシ」 と表示されていた。
シロガネヨシはイネ科シロガネヨシ属の多年生植物。ススキに似た外見の割に高く育つため 「お化けススキ」 という俗称もあるそうです。
寒さにはやや弱いが関東地方までなら全体が枯れることはまずないそうです。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  シロガネヨシ

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







日々雑感

2022年10月18日 11時15分33秒 | 日暮らし通信


発信元:  赤とんぼ






8時半過ぎ、Mは迎えの車に乗ってDS (デイサービス) へ行った。私はその車が見えなくなるまで見送った。
もうこのような事が十数年続いている。

聞くところによれば家族から無理強いされてDSへ行かされている人もいるとのことだが、そのような人は耐えがたい思いをしていることだろう。

最初、私がMのDS行きを考えた時、その雰囲気に馴染むことができるだろうか? と心配したが、それは杞憂に終り、行きも帰りもニコニコ顔を失わないので安心している。

Mが元気な頃は人付き合いも温和な性格だったが、記憶の一部を無くしてもその穏やかさはDSでも生かされているようだ。

MがDSへ行く日だけは私は限られた時間だけ、自由に使うことができる。でも17時頃には帰って来るのであっという間にその自由時間も終ってしまう。

この時間を利用して独り散歩したり、普段買い物にも行けないから、必要な物をスマホのメモ帳に書いておいて買い物に行く。これだけでも午前の時間は過ぎてしまう。

今日も独り散歩した。小雨なので傘持参だったが、すぐに止んでしまった。

本来、飛行機の写真を撮るのが趣味なのだが、それは諦めてもっぱら花や鳥を撮っている。

人生の晩年はこんなはずでは無かったと思うが、これも人生、こんな生活パターンがまだまだ続きそうだ。

今日は散歩で撮った萩・メドーセージ・ツユクサの花をアップしました。








★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★







メドーセージ




ツユクサ



      写真説明:  散歩で撮った花

      撮影場所:  空堀川沿いにて  (2022.10.18)







イギリス in 1977 (その25)

2022年10月17日 10時38分51秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: トラファルガー広場 ●

休みはもっぱらドライブを楽しんでいた。

他にやることが無かったせいもある。先日テレビでの英国特集番組でトラファルガー広場の画面があり懐かしかった。

今から想うと冷や汗もののドライブだったがあの広場に車で行った。

同行したスタッフのIさんは音楽好きで、ある時有名な 「アルバートロイアル・ホール」 での演奏会を聞きに行ったが、帰りは車で迎えに来て欲しいとのことだった。

そこで慣れない道路を探しながら辿り着いたのがトラファルガー広場だった。

ぐるぐる回って道を探していたが、偶然Iさんに会うことができたが、もし会えなかったらまだぐるぐると回っていたに違いない。

広場でお馴染みのあのライオン像も "あの日本人の車はいったい何をしているんだ" と胡散臭げに見ていたことだろう。今、ロンドンに行ったとしても絶対あの広場をドライブするなんて御免です。

あの頃は若かったからいろいろなことが出来ました。
       (この項終わり)

今日も熱帯スイレンをアップしました。
私はスイレンの花を見ていると不思議な感情が湧き出てくる。
何故そのような感情になるのか自分でもはっきりしない。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  熱帯スイレン

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その24)

2022年10月16日 08時19分00秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: ストーンヘッジ ●

英国へ来ていろいろな場所を訪れたがストーンヘッジも忘れられない。

ストーンヘッジは誰が造ったのか?、何のために造ったのか判らない謎の多い円形の巨石群。

ロンドンより西へ約100キロ以上も車で走らなければならない。しばらく走るとやがて緑が多くなり牛や馬が見えるのどかな田園風景に変わる。


山らしい山は無く、緑の丘の間を高速道路が一本走っている。この風景はどことなく北海道に似ている。

やがてストーンヘッジが視界の中に入ってきた。

曇り空と巨石のコントラストは宇宙人がUFOで飛んできてもおかしくない雰囲気だ。

ただ、回りには何も無い。ただ巨大な石が積み上げられているだけだ。もし宇宙人が来てもあまりの殺風景な佇まいにすぐ帰って行くかも知れないように何もない。

手持ち無沙汰な気持ちで小さな石の上に飛び乗ってみた。

とたんに "Don't climb !!" と声が飛んできた。

気が付かなかったが警備員のおっさんがいたらしい。 "すんません" と小声の日本語で謝って飛び降りた。

我に返ってもう一度回りを見回すとほんとうに何も無い。これがストーンヘッジである。
         (この項終わり)

今日も熱帯スイレンをアップしました。
表示板には白色と説明していたが、少し薄い黄色が目立つスイレンだった。
このスイレンは何とも清楚で幻想的な雰囲気があった。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  熱帯スイレン

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)








イギリス in 1977 (その23)

2022年10月15日 10時58分21秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: サッカー ●

英国はサッカーの本場。私はあまり興味は無いが同行したサッカー好きなスタッフに誘われて試合を見に行った。またびっくりすることばかりであった。

この試合は第4部リーグの試合だからかなり実力は下のチームらしい。行われた街は全くの田舎で普段は人影も無く、寂しい静かな佇まいである。

ところがサッカーの試合があると一変する。

どこから来るのか知れないがとにかく人が集まってくる。道路も臨時の駐車エリアとなり、普段は警官の姿を見つけるのに苦労するくらいなのに、サッカーがある時は警官が大勢いる。騎馬警官や警察犬のシェパードも動員されている。

さて試合が始まると応援する歓声がすごい。

ひいきの引き倒しと言えるほどのエキサイトぶりである。何やら小競り合いも始まっていた。

ハーフタイムになったらまたびっくりした。日本車の宣伝だが、日産車十数台がコートの回りを周回してデモを行っていた。

これらの日本車を見て私はいささかホームシックになってしまった。当時、私の愛車が日産スカイライン 2000GT だったから日産車を見てますます家が恋しくなってきた。


サッカーにあまり興味の無い私はいささかうんざりしたが、英国人のサッカー好きは充分に判った。

ある時、研究所のメカニックの家に招待されたことがあったが、子供がソファにふんぞり返ってテレビに食い入るように見ていたが、やはりサッカーの試合だった。

4部の試合でもこのくらいだからもっと上位の試合での熱狂ぶりはどんなものか想像もできなかった。
          (この項終わり)

今日も熱帯スイレンをアップしました。
白いスイレンを見ていると、小さな天使が飛び出してくるような幻想的な趣を感じました。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  熱帯スイレン

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その22)

2022年10月14日 08時51分20秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: コンコルド ●

研究所内の通路を職長のジャクソンにエスコートされながら歩いていたら突然上空でバリッ~バリッ~と音がした。

 「ハリー、コンコルドだ!!」 とジャクソンが叫んだ。

見上げるとコンコルドだ。ヒースロー空港に向かっているのだろうが、コンコルド特有の機首を下げて低高度で飛行している。名の通り "怪鳥" がランディングの体勢に入っていた。

ジャクソンは 「見たか、英国の誇り "コンコルド" だ」 と言いたげに見上げている。

私は初めてコンコルドが飛んでいる姿を見た。民間機で音速を超えた飛行で商業ベースにのったのはコンコルドだけである。

英国人はかなりこの飛行機を自慢しているようだ。しかし私の感想は 「何とうるさい飛行機であろうか?」 であった。

この騒音問題がネックとなって日本の航空会社も採用しなかったほどである。しかし、その時は就航してからまだ一年目。目新しい斬新なデザインは当時では持てはやされていた。

その後、フランスのドゴール空港で駐機中のコンコルドを見た。

比較的小さな機体だが音速を超えた時にどのような衝撃を受けるのか?、などと思いながらしばし釘付けになってしまった。

だが2000年7月25日、エールフランスのコンコルド機がパリのシャルル・ド・ゴール国際空港を離陸時に、滑走路上に落ちていた部品により主脚のタイヤが破裂し、そのまま炎上墜落し、113人が死亡するという大惨事になった。

そのコンコルドも2003年10月24日、ニューヨークのケネディ空港から英国ヒースロー空港までの飛行を最後に "二十世紀で最も美しく、最も速い旅客機コンコルド" はその27年間の仕事を終えた。
     (この項終わり)


今日も熱帯スイレンをアップしました。
私はスイレンを見ると何故か仏教的な雰囲気を想ってしまいます。
このスイレン、きりっと咲いている姿からは逞しさを感じました。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  熱帯スイレン

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その21)

2022年10月13日 13時23分46秒 | 日暮らし通信


発信元:  赤とんぼ







● この項のタイトル: イギリス空軍ヘンドン飛行機博物館 ●


「FJR710 エンジンの想い出」 を続けることにしよう。


英国出張は昭和52年 (1977) のこと。もう昔話になってしまうが私にとって初めての外国とあって懐かしい想い出ばかりである。


いつかは忘れられてしまう私の歴史だろうが、このページ以降ではその想い出の幾つかを纏めておくことにする。

しかし、何しろ記憶が薄れてしまったことが多いので纏まりの無い文書になることであろう。


英国出張が決まった時、どうしても行きたい場所があった。それが 「イギリス空軍ヘンドン飛行機博物館」 である。


この博物館はロンドン北部の郊外にあり、第一次世界大戦から現代までの様々な軍用機が展示されていた。


ここは英国のみならずドイツ機の展示も充実していて有名である。英国は戦勝国だから飛行機マニアの私にとっては素晴らしい機体が展示してあると胸躍らせて訪れた。


日本のロケット特攻機 「桜花」 が展示されていたのにはびっくりしたが、何と言っても感動したのは "アブロランカスター爆撃機" である。


第二次世界大戦時に活躍した英国を代表する爆撃機で、米国のB29爆撃機に匹敵する英国が誇る傑作機である。


さらに驚くのはこの機体はフライタブルでまだ飛ぶことができるように整備されているとのことだった。


機体左側のコクピット下の外板にドイツへの出撃回数を示す何十個もの爆弾が描かれているのが印象的であった。


それにしても綺麗な博物館で、飛行機の歴史に酔いしれました。
          (この項終わり)


今日は熱帯スイレンの花をアップしました。二枚の表示板の説明を読んでください。特に熱帯スイレンと温帯スイレンの特徴を知っておくと参考になるでしょう。


俗に言う、スイレンとハスはどう違うのだろうか?

水面に咲くのがスイレン、水面より上の方で咲くのがハスとのことです。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 




 



      写真説明:  熱帯スイレン

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その20)

2022年10月12日 09時06分24秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル:
       高度 35,000 フィート、入口温度マイナス 35 度 ●

いろいろな高度を想定しての試験であったが多くは忘れてしまったので、意識を呼び起こしながらこの文を作っている。

しかし、高度 35,000 フィート、入口温度マイナス 35 度の中で運転された FJR710 エンジンの性能を確認するこの試験で鮮明に覚えていることがある。


それはこの運転終了後、エンジン点検のためにチャンバーの中に入った時にびっくりしたのは入口ダクトが氷結して真っ白だったこと。

長く伸びたダクトの白さが妙に幾何学的に綺麗な光景であったことを忘れていない。

そして私がスロットルレバーを操作する装置の作動油が低温で影響を受けないかと心配したが、スムーズに作動したことに安堵した。

全ての試験が終った時、私は重く感じていた肩の荷が一気に消え、無事に試験が終ったことを感謝した。

そしてこの試験で多くの事を学んで、ジェットエンジンへの知識を深めることになった。
     (この項終わり)

今日は赤と白のベゴニアをアップしました。
赤いベゴニアの花言葉は 「公平」。白いベゴニアの花言葉は 「親切」。思うに、修身の教科書に載せたいようなベゴニアです。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  赤と白のベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その19)

2022年10月11日 14時21分15秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 再着火試験 ●

ジェットエンジンは如何なる場合でも連続燃焼しているが、それでも飛行中に火が消えることは想定しておかなければならない。

火が消えることは当然推力の減少を招くから機長は再着火を試みる。しかしながらどんな高空条件下でも再着火が可能と言う訳でもない。

その再着火エンベローブを探るのも今回の試験目的でもあった。即ち横軸を機体速度 (機速)、縦軸を高度のグラフを想定するならば機速に対して如何なる高度で着火可能なのかを確認し、その点を結んだ範囲が再着火可能なエンベローブなのである。

飛行中に4発のエンジンの火が消えたのは現実に起こった。

年代は忘れたがインドシナ半島上空を飛行していたイギリス BA 航空のジャンボジェット機の全てのエンジン4基が停止した。

幸い高度が充分にあったため機長は急降下しながら再着火始動を試みた。

20分以上も掛けてやっと4基のエンジンの再着火に成功し推力を得ることができた。

火が消えた原因は火山噴火により空中に飛散した火山灰をエンジンが多量に吸い込んで、燃焼が止まったためだった。

おそらくは火山噴火を知っていても航路には異常は無いだろうとの判断から飛行したのだろうが、それ以後は噴火情報は航空機の運航に欠かせない情報となった。

以上の文中で推力 (すいりょく) との言葉があったが、ジェットエンジンの場合、出力を現わすのは馬力ではなく、推力またはスラストを用いる。
その単位はポンドだが、日本で開発されたエンジンはキログラムが使われることもある。

因みにボーイング B747 に搭載されているエンジンは PW-4000-94 だが、その推力は 56,750 ポンド (25,765 Kg) と表示される。    (この項終わり)

今日は赤系統のベゴニアをアップしました。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  赤系統のベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その18)

2022年10月10日 09時15分43秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 高空性能試験 ●

この研究所の如何なる設備で高空条件を設定しているのかは判らないが、その装置を動かすためには膨大な電力を使用するとのことである。

ここではチャンバー後方より空気を抜いて減圧しているのかも知れない。また入口空気温度を下げるのはアンモニアを用いている。

しかし、リクエストされた高空状態にシュミレートするのは意外と時間が掛かるようであった。まして複数のチャンバーで同時に試験することも可能であろうから、短時間で設定することは難しいことだろう。

私たちは地上運転場のみでのエンジン試験 (大気圧状態での運転) の経験しか無かったのでここでの試験は非常に興味深いものがあった。

エンジン後方から空気を抜くと当然エンジン入口では空気が流れ込むことになる。そのためエンジンは風車のような状態になって回転を始める。この事象をウインドミル (WM) と呼んでいる。


いわばエンジンが飛行中のような状態になる。エンジン回転数は徐々に上昇する。着火していない状態でエンジンが回転することは問題無いことなのだが、前述したように高空条件が設定するまでには時間を要する場合もあり、低速での潤滑油ポンプの性能などが未知数のためオイルレベルの減少が心配であったがそれも杞憂に終わりホッとした。


予定された高空条件が整うとそこでエンジン・スタートする。WM により回転数は上昇していたが当然スタータのアシストは必要であり、スタートはスムーズで問題無くアイドルに到達したことは感動すら覚えた。


このような状況の中で幾つもの想定したスケジュールで性能試験を終えることができた。      (この項終わり)


この温室を訪れてベゴニアにも多くの種類があるのを知りましたが、このような薄いピンク系のベゴニアは如何でしょうか?







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  ピンク系のベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その17)

2022年10月09日 08時53分37秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 運転中のオイル洩れ ●

エンジン運転中、エンジンは数台のカメラによってテレビで監視するのみで直接見ることはできない。


最初の運転時、アイドルからゆっくり回転数を上げていったが突然何かの液体が噴射する事象が発生、直ちにエンジンを停止した。


実はこの時、私は心中穏やかではなかった。もし、私が関わった所で締め付け忘れでもあったらどうしようか。いい恥さらしになってしまう? と不安だった。

そんな思いが交差する気持ちで停止後チャンバーに入ってほっとした。英国人作業者のミスでオイル配管に締め忘れがあったのである。これには後日談がある。

試験契約によれば研究所側にミスがあった場合はそれなりの損害責任が発生るというのである。

この場合、明らかに英国側のミスであるから日本側からクレームを指摘すれば作業を指揮したフォアーマン (職長) は解職になる可能性があるというのである。おそらくは穏便にとお願いがあったのだろうがこの辺は厳しいのである。

このフォアーマンはジャクソンと言う人で私はたいへんお世話になった。まずは解職にならくて良かったのと、私のミスで無くて幸いでした。   (この項終わり)

今日は白と赤のベゴニアをアップしました。
名前を知りたいが、ラベルはありませんでした。通常、街中でベゴニアを見ることもあるが、この温室に来てこのように多くの種類があることを知りました。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  白と赤のベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その16)

2022年10月08日 08時35分35秒 | 日暮らし通信


発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 運転オペレーター ●

エンジンの運転操作をする人をオペレーターと呼んでいる。

日本での FJR710 エンジンの運転は私がオペレーターを勤めるが、この試験では英国人がオペレーターである。

赤ら顔で長身の老人だが何かアル中みたいな人で、グローブのような大きな手でスロットルレバー (車に例えればアクセルペタルに相当する) を操作する。

では私のミッションは? エンジン・パラメーターを監視し、同時にオペレーターの操作も監視し、必要に応じてアドバイスすることである。

FJR710 エンジンのスタート手順は他のエンジンと違って少し厄介な操作がある。

最初のスタート時、その操作がもたついて排気温度が上昇してしまった。
ジェットエンジンの排気温度には厳しい制限があってその上限を超えることは絶対許されないことなのである。

その時の上昇は制限値を越えそうなので私は "レバーを下げろ" とコールした。

しかし、このオペレーターは頑としてレバーを下げる気配がない。私の指示は通用せず、英国人のコントローラー (試験を統括する人) からの指示でなければ操作しないのである。

これは契約違反なのでこれには日本の試験統括者からもクレームが出たのは当然である。

しかし、考えて見れば英国のオペレーターは可哀想である。自分の意志では操作できないロボットのような存在なのだから。

日本人なら大幅な権限を持たされてエンジン・スロットルレバーを操作する。しかし、ここではコントローラーの指示がエンジン作動を制御しているのだ。

以後、私の監視は厳しくなった。そんな事情もあるので、緊急時には私がレバーを操作できるような位置で監視することになった。

試験も進んでくると現場のメカニックたちとは意気が通じるようになったが、この赤ら顔のオペレーターだけは懇意になることもなかった。

小作りな日本人が操作に口だしすることが我慢できなかったのだろう。でも私にも言い分がある、「俺の言う通りに操作しろ」 と、お説教したかったが、何せその言葉が英語で出てこないからどうにもならない。

でもそんな雰囲気の中で日本人の試験統括者 (この人は私の直属の課長だった) が、英国人の目線に怯むこともなく試験を続けた態度に私は勇気を貰った。素晴らしい統制だった。
      (この項終わり)

今日はピンク系統のベゴニアをアップしました。
鮮やかでふっくらと咲いている八重のベゴニアからは優雅で清楚な雰囲気が醸し出されていました。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  ピンク系統のベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その15)

2022年10月07日 08時54分59秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 鍵 ●

このページ以降では 「エンジン高空性能試験」 時のエピソードを纏めてみよう。


英国へ来てから何とも不思議なこと (私たちの慣習と違うこと) をたくさん見聞きしたがこの研究所でもたくさんあった。その一つが何をするにしても鍵の出番が多いことだった。


私たちの日常生活を考えても鍵が無いわけではない。ただ、私たちが朝会社へ出勤しても早く来た人が配電盤を開け、電源を投入し、照明を付けるのが当たりまえなので配電盤には鍵など掛かっていないのが日本の現状でもある。

ところがこの英国の研究所では配電盤には鍵が掛かっていて誰もが電源の投入などできないのである。ではどうするのか?

朝、鍵束を持った品質管理スタッフがまずやって来る。その人が持つ鍵の数はおよそ80個以上あってガチャガチャ音を立てながらやって来る。

その人が自ら配電盤を開け、電源を投入するのである。この人の役職は判らないがおそらく高い役職の人かも知れない。万事がこの調子、誰でも自由にスイッチを入れたり切ったりはできないのである。

日本人から見ればいささか悠長でやりきれない感じがするが、他国の慣習を反古にする気など毛頭ない。どこの国にも独特のしきたりがあるのは致し方無いことである。
     (この項終わり)

今日も黄色いベゴニアをアップしました。八重の黄色いベゴニアは近くで見ると優雅な雰囲気に満ち溢れていました。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  黄色いベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その14)

2022年10月06日 10時53分09秒 | 日暮らし通信

発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: スロットル・レバーの油圧系統 ●

据え付けの殆どは英国人のメカニックが行ったが、ただ一つスロットル・レバー (車のアクセルペダルに相当する) の油圧系統だけは私が取り付け作業した。

これはアーデル式と呼ばれる油圧装置で計測室内からオペレーターがエンジンの FCU (Fuel Control Unit:燃料制御装置) を遠隔操作する大事な装置である。

計測室内にある制御装置とエンジン側に取り付くトランスミッターを二本の銅管で接続し、充填された作動油を加圧することによりオペレーターが操作するレバーの動きが同一角度でエンジン側に伝わるようになっている。

この装置については実績があるので作動についての心配は無かったが、高空性能試験なので大気条件35,000フィート、マイナス35度の試験の時に銅管も冷やされて中の作動油がどのように変化するのかが一つの懸念であった。


さて据え付けの終わりはエンジン入口ダクト内の点検である。

これは私の確認を求められたが、ここにも英国式のしきたりがあった。私が呼ばれて行ってみるとインスペクターのスタッフと中年の掃除人が待っていた。

この掃除の人もやっと出番なのである。その持ち物を見ると小さな箒とちり取りである。三人でダクト内へ。長いダクト内を丁寧に点検し、小さなゴミも掃除して貰った。日本なら私一人で充分なのにと思った。

因みにジェットエンジンは異物を吸い込むことが一番の弱点でもある。吸い込むとエンジン内部を損傷する。だからエンジン前方は念入りな掃除を行なってクリーンな状況を確認する。(この項終わり)

今日は黄色いベゴニアをアップしました。この公園の大温室ではいろいろなベゴニアと逢うことができます。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




 




 



      写真説明:  黄色いベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)







イギリス in 1977 (その13)

2022年10月05日 08時23分20秒 | 日暮らし通信


発信元:  赤とんぼ






● この項のタイトル: 喫煙しながら作業してる ●

私がチャンバー内でエンジン計測系統を点検していたら何か灰のようなものが落ちてきた。

見上げたら顔見知りのメカニックが片目でウインクしている。愛嬌者である。が、びっくり仰天した。彼は仕事をしながら葉巻をくわえていたのだ。

私の頭はまだ切り替わっていなかった。日本だったら喫煙所以外は禁煙。まして工場内でタバコを吸うなんて罰金ものである。

だがここは英国。チャンバー内は喫煙可なのだ。葉巻を吸うのは珍しいが多くの人は箱入りの既製のタバコではなく紙巻きタバコを愛用する。

紙の上にタバコの粉をならべて舌で紙の端を濡らしてくるくると巻くのである。あっという間に小さな細いタバコが完成する。私もこの道具を買って巻きタバコに挑戦したが帰るまでにとうとう習得できなかった。

タバコを吸いながらエンジンを据え付けるなんて私には別世界にいるようだった。勿論、灰皿なんて無いから適当にあちらこちらに捨てている。

燃料配管も近くにあるだろうから実際の話、私はあまり気持ち良かった訳ではありませんでした。

日本の我が工場の運転場は危険物取扱所、消防署のお達しもあって火気厳禁だが、この所内ではエンジン据え付けが終るまでは喫煙は自由だった。

しかし、エンジン据え付けが終ると完全な禁煙環境となり、所内の消防隊が査察に来たのにはまたびっくりした。 (この項終わり)

今日からはベゴニアの世界をご紹介します。 「ベゴニアの分類」 との表示板を見て、実際に花を観察してみましょう。

花を愛でる方法はたくさんあるでしょうが、皆さんはどうしてますか。この写真のように花びらを水の中に浮かべると、その花の再生を見ることができます。







★ 写真の上でクリックすると拡大されます ★




ベゴニアの分類は?




こんなに沢山のベゴニアがあります




花びらをこのように水面に浮かべるのもどうでしょうか



      写真説明:  ベゴニア

      撮影場所:  神代植物公園・大温室にて  (2018.1.18)