ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

富士山から見える思い出

2024-12-11 09:33:32 | おでかけ

休憩室から、富士山が見える。
遠いのに、色んな場所から見えるのって、すごい。

冬の空気が澄んでいるから、すごく綺麗。
雪山は、心を浄化させる。

富士山は、ツアーで、二度登った。
一度目は、装備不足と高山病で、途中でリタイア。
持病持ちの弟の方が、頂上へ行ってしまった。

悔しくて、翌年、1ケ月ジョギングし、
準備満タンで、再チャレンジ。
頂上で、ご来光を見た。

富士山は、岩がゴロゴロで、
近くで見ても、楽しくはない。
ただ高いから、登ってみたかっただけである。

富士山を見ながら、
イヤホンで、「あずさ2号」を聴く。
8時ちょうどのあずさ2号は、
今は、あずさ5号になっているらしい。
乗ってみたい。

富士山を見ていると、旅したくなる。
そのせいか、20代の頃に行った、
山中湖のペンションを思い出した。

確か、転職先が決まって、勤務前に、
友人と一緒に、冬に行ったのである。
人の少ない山中湖で、
やっているペンションは限られていた。

このペンションの事は、時々思い出していたのだが、
まだ、営業しているだろうか。
本気で確認したくなった。
行くなら同じ、冬がいい。

ネット上では、そのペンションの情報は載っていた。
電話したら、画面に個人名が出た。

「山中湖のペンション『〇〇〇』でしょうか?」
「そうです…。でも、ペンションは、もうやってないんです。
両親が亡くなって、建物も老朽化して…。」

女性の声のように思えた。
両親? 
あの時のオーナーは、亡くなったのか?

「実は私、〇〇年前に、そちらに行ってまして…。
自転車で、世界を旅行していたオーナー、男性の…。」
「そうです。私です。」
「あ~、オーナーが死んじゃったのかと思いました。
そんなに年取ってないのに。」
「いや、年です。もう、70才ですよ。」
「私は、〇才になりました。(笑)」

「確か、転職先が決まって、
その前に、どこか行こうとして、冬に行ったんです。
他に、お客さんいなくて、貸し切り状態でした。
自転車旅行のビデオ、見せてもらいました。」

「写真、もらってたかな…。」(何か思い出した様子。)
「私、ピンクのダウン(本当は安物の綿入り)着てました。
建物の前で、3人で、同じポーズで撮りましたよ。
写真、送ったと思います。」
「宿泊者の記録あれば、私、〇〇〇〇と〇〇〇です。」

「皮革のキーホルダー、持ってます。」
オーナーが、この話に、すごく食いついた。

「あれは、ペンションが新しい時に作った物で、
その後は、売ってないんです。」
「そうなんですか?
じゃあ私達、新しい時に行ったんですね。」

「いつまで、営業してたんですか?」
「10年前まで。」

今は、別な場所に住んでいるが、
建物は、まだあるそうだ。

たった1泊だったのに、
長い間、お世話になっていたような気がした。

「楽しかったです。」
思わず口から(心から)出て、話を終えた。

あの時、レンタサイクルで、湖を一周した。
意外な出来事もあったので、
もっと話したかった。

やっているか確認だけのつもりだったのに、
本当に、行きたくなっていた。

大きくて、綺麗なホテルに泊まるのもいいが、
小さくて、アットホームだと、
いいも悪いも、記憶に残る。

人と人を繋ぐのって、
時間や年月の長さではなく、
会話なんだろうな。

古くからの友人も、
ずっと一緒に過ごしているわけじゃないから、
知らない事、たくさんあるしね。

ペンションがやってなくて、
オーナーと電話を切った後、
こんなに寂しい気持ちになった事に、
自分でも、驚いている。

今日も、富士山が綺麗だ。

 


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