徳島県警吉野川署は21日、別居中の妻を刺し殺したとして、徳島市のカイロプラクティック店経営木村輝彦容疑者を殺人の疑いで緊急逮捕した。カイロプラクティックとは聞きなれない言葉だが、いわゆる整体と同じようなものらしい。
木村容疑者は、妻の弘子さんを対象としたドメスティックバイオレンス(DV)防止法により11月8日、徳島地裁から「今後6カ月間、妻の身辺につきまとい、妻の住居などでうろついてはならない」などとする接近禁止命令を受けており、転居先を知らなかった。だが、看護師である弘子さんの勤務先の病院など関係先を回って行方を探していたが確認できなかったため、探偵に頼み居場所を突き止め、待ち伏せしていたらしい。弘子さんは子供3人と4人暮らしで、木村容疑者は、調べに対し「(居合わせた)子供も殺そうとしたが、かわいそうになりやめた」と供述しているという。
木村容疑者は父親の死後、母親に対して暴力を振るっていたそうだが、会社をリストラされた頃から、弘子さんにも暴力を振るうようになったという。弘子さんをよく知る人が言うには、よく顔にアザ作っていたが、本人は転んだとか言って夫の暴力を隠していたそうである。木村容疑者は表面上はやさしくて、人当たりはよかったらしいが、こういう外面のいいのが曲者である。
その後、弘子さんは、県女性支援センターにDV被害を相談しており、センターの斡旋で転居し、子ども3人と息を潜めるようにして暮らしていたという。だが結局、執拗な夫から逃げることはできなかった。彼女も哀れだが、残された3人の子どもの受けた傷の大きさを思うと哀れでならない。
この事件から、以前読んだ佐々木譲著「ユニット」という小説を思い出した。テレビでもドラマ化されたが、テレビではやはり表現しきれない物足りなさを感じた。でも、読み応えのある1冊である。
主人公・門脇祐子は、警察官である夫のDVのため、いつも生傷が耐えない。病院の医師は告訴することを進めるが、世間体を気にする夫をおそれ公にすることができない。意を決した祐子は5歳の幼い息子をつれて家を出る。女性支援センターの斡旋でシアターで生活を始めるが、執拗な夫の追跡の気配を感じ、ある小さな会社の住み込みの賄い婦として身を隠す。そこで、7年前に当時17歳の若者に妻と娘を殺された真鍋篤という男と出会う。この事件は、山口県光市で起きたあの母子殺人事件を髣髴させるものがある。お互い惹かれ合うものが芽生え、そのままゆけばハッピーエンドだが、それでは小説にはならない。祐子の夫は自分の職権をフルに利用し、なおも執拗に妻子の行方を追うのである。そして、真鍋もまた、加害者・川尻乃武男が刑を終え出所したことを知り、復讐の思いにとらわれる。やがて夫の門脇と川尻が奇妙な共同戦線を張って、祐子と真鍋を襲ってくるのであるが、会社の社長の機転で救われ、結末はやはりハッピーエンドで終わる。
弱い立場の女性や子どもに暴力を振るう男は最低である。DVの恐怖、執拗な追跡に恐れおののき、人知れず社会の片隅で小さくなって暮らさなければならないなんて、そんな理不尽なことはない。だが、今回の被害者のように、DV防止法だけではとても救えないのが現実であるという。
木村容疑者は、妻の弘子さんを対象としたドメスティックバイオレンス(DV)防止法により11月8日、徳島地裁から「今後6カ月間、妻の身辺につきまとい、妻の住居などでうろついてはならない」などとする接近禁止命令を受けており、転居先を知らなかった。だが、看護師である弘子さんの勤務先の病院など関係先を回って行方を探していたが確認できなかったため、探偵に頼み居場所を突き止め、待ち伏せしていたらしい。弘子さんは子供3人と4人暮らしで、木村容疑者は、調べに対し「(居合わせた)子供も殺そうとしたが、かわいそうになりやめた」と供述しているという。
木村容疑者は父親の死後、母親に対して暴力を振るっていたそうだが、会社をリストラされた頃から、弘子さんにも暴力を振るうようになったという。弘子さんをよく知る人が言うには、よく顔にアザ作っていたが、本人は転んだとか言って夫の暴力を隠していたそうである。木村容疑者は表面上はやさしくて、人当たりはよかったらしいが、こういう外面のいいのが曲者である。
その後、弘子さんは、県女性支援センターにDV被害を相談しており、センターの斡旋で転居し、子ども3人と息を潜めるようにして暮らしていたという。だが結局、執拗な夫から逃げることはできなかった。彼女も哀れだが、残された3人の子どもの受けた傷の大きさを思うと哀れでならない。
この事件から、以前読んだ佐々木譲著「ユニット」という小説を思い出した。テレビでもドラマ化されたが、テレビではやはり表現しきれない物足りなさを感じた。でも、読み応えのある1冊である。
主人公・門脇祐子は、警察官である夫のDVのため、いつも生傷が耐えない。病院の医師は告訴することを進めるが、世間体を気にする夫をおそれ公にすることができない。意を決した祐子は5歳の幼い息子をつれて家を出る。女性支援センターの斡旋でシアターで生活を始めるが、執拗な夫の追跡の気配を感じ、ある小さな会社の住み込みの賄い婦として身を隠す。そこで、7年前に当時17歳の若者に妻と娘を殺された真鍋篤という男と出会う。この事件は、山口県光市で起きたあの母子殺人事件を髣髴させるものがある。お互い惹かれ合うものが芽生え、そのままゆけばハッピーエンドだが、それでは小説にはならない。祐子の夫は自分の職権をフルに利用し、なおも執拗に妻子の行方を追うのである。そして、真鍋もまた、加害者・川尻乃武男が刑を終え出所したことを知り、復讐の思いにとらわれる。やがて夫の門脇と川尻が奇妙な共同戦線を張って、祐子と真鍋を襲ってくるのであるが、会社の社長の機転で救われ、結末はやはりハッピーエンドで終わる。
弱い立場の女性や子どもに暴力を振るう男は最低である。DVの恐怖、執拗な追跡に恐れおののき、人知れず社会の片隅で小さくなって暮らさなければならないなんて、そんな理不尽なことはない。だが、今回の被害者のように、DV防止法だけではとても救えないのが現実であるという。
児童相談所でも同じです。
言ってもわからないんだから積極介入が必要です。
それが国が国民の命を守る義務でもある。
あと、ご近所の意識の希薄化も問題ですね。
「隣の人ぞなにする人ぞ」ではいけないのです。
暴力を振るう男には刑罰を与えるべきだと思いますね。