今朝は5時に目が覚めた。新聞は5時半ごろでないと来ないし、ビデオでもみようかとテレビをつけたら男子サッカーをやっている。そうだ、「なでしこジャパン」はどうなっただろうとBS1に変えたら、ちょうど1:1の同点になった瞬間だった。
これまでの試合はスポーツニュースで見るだけだったが、これは見ずにはいられない。先制されては追いつき、とことん食らい付いてゆくしぶとさ、とうとう延長戦に。それでも決着がつかず、いよいよPK戦に突入。ここではGK海堀の活躍がすばらしかった。
性別以外はすべて男子サッカーと同じとか、小さな体であの広いピッチを走り回る姿に男子選手に負けない力強さをみた。ドキドキハラハラ、優勝の瞬間には思わず手をたたき、感動の涙がこみ上げてきた。
日本女子代表が編成されてから30年、その節目の年に世界の頂点を極めるとはアッパレのひと言である。「大和なでしこ」とは日本人女性の凛とし清らかな美しさを讃える言葉だが、その名のとおり、「日本女子ここにあり」と世界に名を知らしめてくれたことを誇りに思う。
キャプテンの澤穂希、今大会の最高殊勲選手に選ばれるとともに、通算5得点で得点ランキング1位に輝いた。彼女の名前の穂希(ほまれ)にふさわしい栄誉である。もう1人は宮間選手。彼女の所属する「岡山湯郷ベル」は、私が昨年まで住んでいた町から車で20分ほどの隣町にあり、私も彼女の名前だけは知っていた。今回のすばらしい活躍に地元ファンも大喜びである。そして、チームはフェアプレー賞に選ばれたという朗報も喜ばしい。
考えてみれば、3.11の東日本大震災以来、暗いニュースばかりが続く中で、これほど明るくて元気が出るニュースがあろうか。地震・津波による原発事故、その上、水・野菜・牛乳・お茶・牛肉など食品への放射能被害は、2次、3次どころの騒ぎではない。さらに「脱原発」をめぐって電力事情は深刻さを増している。
復興どころか復旧さえままならぬ被災地をほったらかして、政局に明けくれる政治家たち。“菅おろし”にもイマイチ決め手を欠き、今やにっちもさっちもゆかぬ有様にイライラしていた国民の目に、女性でありながら男顔負けの奮闘をした「なでしこジャパン」がどれだけ頼もしく映ったことだろう。
「男女共同参画社会」とはいえ、依然として「男社会」であることに変わりなく、ともすれば女性の地位が軽視されてきたことは否めない。私の年代では、やはり女性は男性には叶わないという潜在意識が強く、差別化しているところがある。特に、世界の女性国会議員数ランキングでは日本は下から数えて12番目の104位だというのを見ても分かるだろう。
しかし、今回の「なでしこジャパン」の奮闘振りを見て、日本の政治にも「女の底力」が必要ではないかと思ったりもする。日本で現在、女性議員で大物と言われるのは社民党の福島党首、自民党の小池百合子氏くらいで、与野党ともにただ知名度があるというだけのどうでもいい議員ばかり。男が頼りなければ女が奮闘するよりほかあるまい。
その小池百合子氏が、最近、“ポスト谷垣”と言われているとか。(「週間現代」2011年7月16・23日号より)
「解散・総選挙? やってもらおうじゃない。やっつければいいのよ」
“脱原発解散”を匂わせる菅直人首相に対抗して主戦論を唱えるのは、自民党の小池百合子総務会長。最近、ことのほか鼻息が荒く、百合子節は絶好調だ。
例えば、菅首相の退陣示唆発言を揶揄して、「菅さんも謎の鳥になったのかな? またサギが出てきた」。政界再編の話題になると、「缶(菅)切り、栓(仙)抜きよ」といった具合。「ポスト谷垣(禎一・総裁)の一番手に浮上した」(中堅議員)という声があがるほどである。
小池氏浮上の理由は“敵失”。次世代の主役として登用された石原伸晃幹事長と石破茂政調会長の失速だ。石原氏はベテラン勢の茶坊主であることが明確になって、中堅若手から総スカン状態。政策通とされる石破氏も、「酒とは言わないが、食事にすら誘わない面倒見の悪さ」(若手議員)がたたって、党内人気は下落の一途なのだ。
女帝の座を争っていた野田聖子元郵政相の出産による長期離脱も、追い風となった。自民党「女子会」はいまや、小池氏の牙城だ。
また、東京・練馬にある自宅、通称「エコだハウス」も人心掌握の貴重なツールになっている。太陽光発電はもちろん、グリーンカーテン、地中熱利用など徹底的に省エネを実現したこの自宅に、中堅若手議員をたびたび招待し、手料理を振る舞う。そこではこんなライバル評も飛び出す。
「私と石破さんの違いがわかる? 石破さんは小沢一郎ノー、でも私はノーじゃない。本気で連立する気なら、あらゆる可能性を残さなきゃね」
確かに、男どもよりずっとしたたかそうではある。
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