異常気象で野菜高騰、さらに値上げラッシュ・・・

　今年の気象状況は、３０年に１回以下の割合と定義する「異常気象」だったという。比較的雨の少ない当地でも、８月は一日中晴天という日は数えるほどだった。どの地域でも雨や曇りの日が多く、日照時間が少なかったため、例年にない野菜の高騰が目立つ。特にキュウリは普段の約２倍、１本が１３８円という日もあった。それも品薄のため、普段ならはねられる曲がった不細工なキュウリでも結構な値段が付いている。レタスも高い。夕食材料宅配のレシピにあるレタスが、お詫びの紙片とともにキャベツに変わっていた。だが、ナスは高値なのに、トマトの値段はまったく変わらなかったのはありがたい。
　８月にも値上げラッシュだったのに、９月１日からも右表のような商品が値上げされた。ババなど１人暮らしで買う量がしれているから、消費増税や商品の値上がりが家計を脅かすというほどではない。が、これらの値上げが他の業種に波及して、さらなる値上げにつながるのではないかと心配である。

　そして、高齢者にはいやな話。厚労省が、医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度について、７０歳以上の外来医療費の上限を引き上げる方向で検討に入ったという。現在、７０歳以上の外来医療費の毎月の負担上限額は、年収３７０万円以上の場合は４万４４００円、３７０万円未満は１万２千円、住民税非課税の低所得者は８千円となっている。
　上げ幅は、年収３７０万円以上の人は８万１００円、３７０万円未満の人は４万４４００円、低所得者に関しては、現行の８千円が据え置かれる公算が大きいという。２ヶ月ごとに市から送付される明細書をみて、毎月２万円弱の医療費が掛かっていることに驚く。健康保険のおかげでこれの１割、月２０００円弱の負担ですむのだから健康保険制度はありがたい。
　日本の年間医療費が４０兆円に届こうとしている今、高齢者が優遇されているのはたしかであり、高齢者にも支払い能力に応じた負担を求めるべきだというのもいたし方ないかなと思う。だが、年金は８月分からまた０.７％減額された。家計簿を見ると、年金は２０１１年度から毎年少しずつ減額されているのに、２.５％の特例水準の解消は来年４月まで続く。でも、それで終わるとは思えない。 

　話は変わるが、３日の内閣改造・党役員人事を顔ぶれをみると、聞き覚えのある名前、見たことのある顔ばかり。発表までの報道を見ていると、毎度のことながら、人事は思惑やら駆引き、配慮で決まるもの、というのがあからさまに見てとれた。さらに「大臣適齢期」「入閣待機組」「待機継続組」なる言葉には、「待機児童」が思い出されて笑ってしまった。
　女性の起用はいいことだが、適材適所の人事かどうかは分からない。世襲議員が８人、２人減ったとはいえ、やはり自民党らしい。留任・再任の閣僚が１０人で初入閣は８人。「入閣待機組」の中堅・ベテラン議員から不満が噴出しているというが、年季さえ積んでいれば大臣になれると思っているのか。馬鹿げている。
　安倍首相はアベノミクス効果を津々浦々に波及させると意気込んでいる。が、円高・株高が庶民の生活にさほど好影響をもたらしたとも思えない。直近の世論調査では改造内閣が優先して取り組む課題は「景気や雇用など経済政策」「年金や少子化対策など社会保障」「原発・エネルギー政策」であって、「憲法改正」ではない。これを肝に銘じて頑張ってもらいたい。