つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

政治家の質の低下は世襲にあり?・・・

2009-02-02 | うんざりしてます
 麻生さんが今度は海外で恥をさらしたそうだ。外交で存在をアピールしたい麻生さん、喜び勇んで出かけた「ダボス会議」の特別講演で、原稿を読み上げる際に「決然」を「けんぜん」、「見地」を「かんか」、「基盤」を「きはん」と読み間違えたという。特にひどいのは「……人道的見地(かんか?)から見過ごせない」で、なぜ「見地」が「かんか」なのか、知らない人が素直に読んでも「けんち」と読むだろう。もし、「かんか」が「看過」のことなら次の言葉「見過ごせない」を「看過」というのであり、まったく意味不明になる。
 そして誤読だけではなく、英国のトニー・ブレア前首相の名前を3回言い間違えたというのだからどうしようもない。人さまの名前を言いまちがえるというのは一番失礼なことである。 
 人間誰しも間違いはある。だが、こう度々間違うというのは単なる読み間違いではなく、根本的に国語力が不足しているといわざるを得ない。普段めったに使わない難しい漢字が読めないのを笑う人はいない。だが、今まで麻生さんが誤読した漢字、言葉はごく常識的な言葉でほとんどの人が読めるだろう。自分の言葉でしゃべれば失言するし、官僚が作った原稿を棒読みしても誤読する。意味を理解せずに読むのなら全部ひらがなで書いてあげるか、漢字に振り仮名をつけてあげればいい。そうすれば麻生さんも恥をかかなくてすむし、国民に嘲笑されることもなかろう。政治家はみな高学歴で偉いと思われているのだから、これしきの国語力もないようでは学歴が泣くというものだ。
 また、麻生さんと一番仲良しの中川昭一さん、「朱に交われば赤くなる?」のか、28日の2009年度予算案に関する財政演説で一部を読み飛ばしたり、「渦中」を「うずちゅう」と読み間違えたそうだ。またそれだけではなく、「歳入」を「歳出」、「7兆4510億円」を「7兆4050億円」などと間違え、26か所もの速記録訂正を衆議院事務局に申し出たという。

 昨今、政治家の質の低下は世襲議員の多さに関係するのではないかといわれている。父親や祖父が有力な政治家だった首相が続き、麻生内閣のメンバーでも世襲議員が半数以上を占めている。あれだけ「改革」を唱えた小泉元首相も、引退して次男を後継者にするというのだ。これでは国会議員は「家業」になっているといわれても仕方あるまい。
 もちろん、なかには有能な二世、三世議員もいるだろうが、ほとんどが実力ではなく、親の七光りで難なく要職について幅をきかしている。大きな志をもって政治家を目指しても、一から地盤を固め、知名度を上げていくのは並大抵ではない。また、支持する後援者が代々世襲というのも困りものだ。
 「腹痛やあなたと違うという理由で、首相を相次いで辞めたのは世界中どこを探しても日本ぐらいのものだ」と、週刊誌が揶揄した。それでも政界から退きもせず、元総理経験者として優遇されるというのは悪しき慣習ではないだろうか。
 二世議員でも、父親の秘書ではなく、他人の家で秘書家業をし、他人の釜の飯を食い、修行した者ならまだましだ。だが、最近はそれをする者も、武者修行させる親もいない。生まれたときからエリートで、失業の恐怖や無職の不安、さらには、将来に対する絶望など一切味わったことのない二世、三世議員に、国民の痛みが分かるはずもないし、分かろうともしないだろう。

 日本と同じ議員内閣制を採用している英国では、世襲議員はほとんど見られないという。それは、世襲であってもなくても、公募方式によって競争条件を一緒にする、厳しい候補者選定制度にあるという。また、政治家として有能と思われる順に安全な選挙区に鞍替えさせてゆくなどの小選挙区制度の仕組みで、選挙区が変わることはよくあることで地元意識はほとんどないそうである。始めて立候補する場合などは、若い人の力を鍛える為に、相手方の強いところにわざと出して負けさせるといったこともやっているそうである。若い有能な政治家を育てるにはこうでなくてはならないが、日本ではとうてい無理な話である。
 ある経済ジャーナリストが言ったそうだ。「世襲をやっていいのは、歌舞伎とか浄瑠璃といった伝統芸能だけ。政治家や大企業はやってはいけない。なぜなら、二世がダメなら、国民・社員を道連れにしてしまうから…」と。まったく同感である。 
 来る次の総選挙ではきちんと考えて1票を投じようではありませんか。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 全国の「かんぽの宿」を老人... | トップ | 映画「戦場のピアニスト」・・・ »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ryu)
2009-02-03 20:51:03
オールドレディさま

ご無沙汰です。
毎回、時宜を得た幅広い話題をのぞかせて戴いておりました。ありがたく思っています。

この一年半余、老いの一徹ではありませんが、
手話を学んでおりました。
社会奉仕の真似事出来そうです。
なんとか目途が付きました。

しかし、この国は、何故こんな国に成ってしまったのでしょうか?
党利党略、自己保身の根性なし、自らの選挙しか頭にない、意気地のない温室育ちのボンボン、
人の痛みが微塵も伺え知れぬ政治家に、呆れ果てました。

ブログ再開です。よろしくお願い致します。
お身体ご自愛下さい。
返信する
Unknown (nana)
2009-02-03 22:10:27
確かホンダだったと思いますが。
創業者の宗一郎氏、弟さんを経営から外して他会社へと追いやったのではなかったでしようか。
一族経営の弊害を何よりも恐れ、平社員でも斬新なアイディアがあればどんどん採用する、それで今では世界的企業になっています。
先見性のある人はこうして身内をも切っているのに政治の世界はそうではないですね。
二世どころか三世もいる現在、もう少しすると3・4世が当たり前になるかもしれません。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2009-02-04 08:32:02
♠ryuさま
いつも駄文にお付き合いくださっているとか、ありがとうございます。
生涯学習でしょうか、自分のためではなく手話を勉強して人さまの役に立とうという精神には感服します。
人間いつまでも身を律し勤勉であるべきですが、地位や名誉を得てしまうとダメ人間になることが多いようですね。
老獪な政治家を一掃して、明治維新ならぬ平成維新が起きればいいのにと思います。

ブログのアドレスが分からなくなりました。どうぞお教えください。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2009-02-04 08:42:05
♠nanaさま
先日トヨタでしたか、また本家主流に戻ったとか。
有能な後継者なら文句はありませんが、いずこの世界でも二世三世が一世を超えた例はありませんね。
芸能界でもそうですが、親の七光りで楽に生きようなどと考える若者に大成した例はありません。

二世三世が親と同じ選挙区から立候補することを禁止しようという声もあったようですが、オジャンになったようです。これを法制化するべきでしょうね。
英国のBBCが日本の官僚政治を取り上げた記事があるそうです。同じように世襲制度も不思議がられているでしょうね。
一番の責任は選んだ国民にありますが、小選挙区制では他に有能な候補者がいなければ仕方なく投票してしまうということもあるのでしょう。
次の総選挙でどういう結果がでるか楽しみです。
返信する

コメントを投稿

うんざりしてます」カテゴリの最新記事