いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

チェロとピアノの演奏会に行ってきました

2013年10月12日 | ピアノ・音楽

 今日は歌の仲間達との集まり。連弾したりリコーダーしたり歌を歌ったりして楽しみました。その後昨日に引き続き演奏会に行ってきました。若手二人によるチェロとピアノのデュオ演奏会です。

演奏 チェロ:神谷勝 ピアノ:小林真央

プログラム

バッハ作曲 ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第3番 ト短調 BWV1029

バルトーク作曲 ルーマニア民俗舞曲

ヒナステラ作曲 パンペアーナ第二番

~休憩~

ベートーヴェン作曲 モーツァルト『魔笛』の主題による12の変奏曲 ヘ長調Op.66

フランク作曲 チェロソナタイ長調

<アンコール>

シューマン作曲 トロイメライ

 大変意欲的で充実したプログラムでした。バッハのヴィオラ・ダ・ガンバは古い楽器をもとにした曲でありとても難しそうに思えたのですが、特に第二楽章でうっとりと。バルトークのルーマニア舞曲やヒナステラのパンペアーナ第2番は細やかで難しい動きがたくさんあったのですが色彩豊かな音色と民族の熱き血を感じさせる演奏でわくわくしました。ピアノと違い弦が外に出ている弦楽器、空気に触れている度合いがピアノよりも多く音もそのために移ろいやすそうな気がしたのですが、その移ろいやすさがうまく生かされて生き生きとした味わいが出ていたような気がします。

 後半も楽しませてもらいました。フランクのチェロソナタは難曲だと思うのですが、とても血の通った音楽で、最初から音楽の世界に惹きこまれ、ぞくぞくしぱなしでした。チェロがピアノが表情豊かにのびやかに歌っていました!なんてすばらしい音楽なのでしょう!終わったあとに感じたのはまさに希望そのものでした。素敵なものを聴かせていただきました。

 今後のご活躍を楽しみにしています!


エル・システマ・フェスティバル 2013

2013年10月12日 | ピアノ・音楽

 昨日は日本・ベネズエラ外交樹立75周年記念事業として開催された、エル・システマ・フェスティバル2013に行ってきました。会場は東京芸術劇場のコンサートホール。19:00の開演から盛りだくさんの内容で堪能してきました。

演奏:エル・システマ・ユーズ・オーケストラ・オブ・カラカス       

指揮:ディートリヒ・パレーデス

ピアノ:萩原麻未

曲目は

ヴェルディ作曲 オペラ『運命の力』序曲

グリーグ作曲 ピアノ協奏曲イ短調Op.16

<アンコール>

バッハ/グノー作曲 アヴェ・マリア

 ~休憩~

チャイコフスキー作曲 交響曲第5番

<アンコール>

サン=サーンス作曲 『サムソンとデリラ』より パーカッション

セキーニャ作曲 ティコティコ

バーンスタイン作曲 『シンフォニック・ダンス』より マンボ

 噂には聞いていたエル・システマ。どのようなステージなのだろうと期待していました。とにかく最初から最後まで圧倒されぱなしの3時間でした。終わった時にはすっかりラテンの祭りのルンルン気分に、音楽とはこうあるべきなのでは、と語ってしまいそうでした。

 最初のヴェルディ、オーケストラのメンバーがステージに溢れかえりそうな状態になっていました。コントラバスが10人、フルートが8人はいたでしょうか。弦楽器もたくさんいました。エル・システマの教育を受けた若々しい演奏家たちが表情豊かな音楽を奏でてくれました。音程もしっかりしていました。場面転換も鮮やかでまるで絵巻物を見ているようでした。

 次のグリーグではオーケストラのメンバーが激減。萩原麻未さんによるピアノが入りました。萩原さんの演奏を初めて聴いたのは彼女が中学生のときでしたが、そのころから地元のオーケストラをバックに協奏曲を堂々と演奏していてさすがだと感じた記憶があります。そのころから世界的な大ピアニストへの道筋へとつながっていたのかもしれません。グリーグ、オーケストラとも堂々と掛け合っていてダイナミックな演奏でした。第2楽章の中間部の夢見るようなところでのきらきらした輝き。第3楽章では一転して切れの良い演奏を聴かせてくれました。メンバーが激減したオーケストラのメンバー、しかし音の厚みがほとんど変わらなかったのがすごかったです。管楽器の音がのびやかに出ていました。

 その後萩原さんによるアンコール、アヴェ・マリアだったのですが、繊細なピアニシモが2階席にもしっかりと届いていました。細やかな真珠のような演奏。ピアニシモとなると音すら出なくなりやすいのに、さすがです。しびれました。

 休憩後はチャイコフスキーの交響曲第5番。大好きな曲なのですが生演奏で聴いたのは初めてでした。再び大所帯のオーケストラによる演奏。曲が曲だったのもあるのですが、どこかへ連れて行かれそうな圧巻の内容でした。第2楽章の有名なところでは空に舞い上がったような気分に、第3楽章では曲に合わせて頭を振りながら、第4楽章ではアドレナリンが放出しっぱなし、あの疾走しそうな場面ではこんな演奏をするのかと再認識。今でも口すざめそうです第4楽章。音楽よ永遠なれ、と口走りそうな状態でしたが、演奏者の方たちはそこで収まるような方たちではありませんでした。

 壮絶のアンコール3曲!!!ラテンのエネルギー爆発といったような状態でした。抜群のリズム感、超絶なパーカッション、立ったり座ったりトランペットや弦楽器の軸が上下したり回転したりと、噂にきいていた世界が目の前で繰り広げられました。最後のマンボまでイケイケドンドン、なんといっても演奏者の人たちがとても楽しそうで、これぞわれらの音楽だと体全体で表してくれました。ステージと客席が一体になり熱きラテンの渦に。楽しく興奮に溢れたひとときでした♪


終止へと(再投稿)

2013年10月10日 | ピアノ・音楽

 昨日書いたハイドン作曲のピアノトリオ39番 Hob. XV/25の第3楽章の出だし、和音記号に基本的なミスがありました。どうしてこのようなミスをしたのだろうかと恥ずかしく読者の皆さんには申し訳ない気持ちでいっぱいです。画像を入れ替えます。



 和音の動きはⅠ→Ⅴ→Ⅰ、正確にはⅠ→Ⅴ7→Ⅰになります。まさに終止形の典型的な形です。右手と左手を合わせて考えると、レファ♯ラドになるので、Ⅴ7です。緊張から弛緩へ、不安定から安定へと落ち着く方向に向かった動きであることには変わりありません。


 勘違いしていた内容である、Ⅰ→Ⅳ→Ⅰの終止はアーメン終止と呼ばれます。Ⅰ→Ⅴ→Ⅰ(Ⅰ→Ⅴ7→Ⅰ )よりもやわらかい印象です。


終止へと

2013年10月09日 | ピアノ・音楽

 今一番時間をかけて練習している曲が、ハイドン作曲のピアノトリオ39番 Hob. XV/25の第3楽章です。ジプシートリオと言われているとおり、ハイドンの曲にしてはジプシーの濃厚な情熱や激しさが感じられる曲で特に第3楽章はジプシーらしさに溢れた快速な曲です。この曲、練習開始前は細かく動く右手が大変だろうと思っていました。確かに右手の動きは細かいのですが、今最大の難所のひとつが終止感を音で表すことです。この曲の出だしは以下の楽譜のようになっています。

 

 このピアノパートの左手の和音の下にⅠ→Ⅳ→Ⅰと和音記号を書きました。Ⅳ→Ⅰの動きは終止の動きであり、緊張から弛緩へ、不安定から安定へと落ち着く方向に向かった動きなのですが、このⅣからⅠに向けての動きを表すのに苦心しています。鍵盤の手前から奥に、とか、大きい音から小さい音へ、という動きでもあるのですがそれだけではすまないような終止を表す何かを聴かせる必要があります。自分では弾けた、と思ったのですが持って行くとまだまだ。。(汗)ちなみ右手の第3小節目のソシレの「レ」の部分にはスタッカート記号がついていますがこの記号はあまり意識せずにちゃんとこの音を聴いて次の「ド」の音に移動するとのこと。しかし「レ」から「ド」まで距離がある上に、レの下にある点がついつい気になり、思わず跳ねたり弾いたか弾かなかったか分からないような音にしてしまったり、と色々やらかしているのでした。音価(音の長さ)はぎりぎりまで伸ばして瞬間移動、この瞬間移動を速く的確に、ということです。実際やってみたらまるで運動をしているみたいです。実際腹筋と背筋を使っているらしいし。子供の時運動苦手だったからとあきらめずにチャンスだと思ってやるのみだと感じるこの頃です。

 

追記)大変申し訳ありません。この記事にはミスがありました。次の記事で正しいものを投稿します。したがって本記事の画像は削除しました。


自主演奏会に行ってきました

2013年10月09日 | ピアノ・音楽

 更新がさぼりがちになっているこのブログですが思い立った時に更新です。

 先週末は二つの自主演奏会に行ってきたのでした。土曜日はピアノ仲間が在籍しているサークルの演奏会、日曜日はオルガンを弾く友人、どちらも貴重な音楽仲間が出演する演奏会でした。

 土曜日の演奏会は「音楽でヨーロッパを巡る午後」というテーマのもと、ヨーロッパ各国の音楽を楽しむ企画でした。会場は有名なホールの近く。落ち着いた雰囲気の素敵なところでした。ヨーロッパということで、ドイツ→フィンランド→スペイン→ポーランド→ロシア→ドイツ→オーストリア→アイルランド→ポーランド→オーストリア の作曲家の曲をメンバーたちが演奏しました。人前で演奏するためにその日に向けて丁寧に曲を仕上げてこられたのだというのが端々から伝わってくる演奏でした。練習会でも演奏を聴かせてもらっていたメンバーさんは謙遜されていましたが、その日に向けて大曲に向き合われてきたというのが感じられました。音楽が、そして演奏している曲が大好きという気持ちが伝わってくる演奏ばかりでした。

 前半はソロ、後半はアンサンブルだったのですが、アンサンブルも楽しかったです。ティンホイッスルというアイルランドの縦笛でアイルランドのサリー・ガーデンズという曲を演奏された方がいました。とてもさわやかで目の覚めそうな演奏、心も洗われました。縦笛とは違って歌口が丸かったので音を出すのが難しそうだなと思ったのですがどうなのでしょうか。プログラム最後は、モーツァルトの曲ばかり22曲を集めて春畑セロリさんが編曲したリレー連弾の曲「ヴォルフガングの玉手箱~モーツァルト名曲メドレー」でした。練習会でちょっとやったことがあるのですが、1曲ずつでは入れ替わりが激しく演奏も手ごたえがかなりあった覚えがあります。ところが今回入れ替えは数曲単位で行われていたうえに練習もされていたようで、とても流れがよくモーツァルトの音楽22曲のエキスを楽しむことができました。

 こちらの演奏会に行ったのは3度目なのですが今回も温かな気持ちになりました。音楽が大好きな方たちの真摯で心のこもった演奏ばかりだからだと思います。

 

 日曜日の演奏会は教会でのチェロとオルガンのデュオ及びソロの演奏会でした。勿体ないことに会場に遅刻してしまい、入った時は一曲聴きそびれてしまったのですが、プログラム2番目のバッハ作曲「コレッリの主題によるフーガBWV579」の悠々たる演奏。聴いていて胸がすくような思いになりました。前半はバロックとロマン派でしたが、後半はじめの2曲は近現代。オルガンはアレクサンドル・ギルマンという近代フランスの作曲家兼オルガニストによる、オルガンソナタ第1番からの抜粋でした。第2楽章の牧歌では牧場で笛がのどかに吹かれているこだましているような感じでした。パイプオルガン自体笛がたくさん集まってできていますものね。そして第3楽章の終曲は激情的なかっこいい曲。中間部はゆっくりしていましたが聴いているうちにどんどん盛り上がっていきました。ノブでの操作によるものでしょうか、オルガンの音ががらりと変わり華やかになるところがありました。調節は手間がかかるもののこのように音色を一気に変えることができるのは音色を変えずらいピアノしか普段触れていない者から見たらとても新鮮でした。近代フランスの曲とはいえどもそこまで奇抜な和声はなく聴きやすかった印象があります。

 その後のチェロ独奏はヒンデミットの無伴奏チェロソナタOp.25-3でした。ヒンデミットというだけで難解そうな予感がしたのですが、演奏者の方が曲の特徴を解説してくださり、予備知識を持って聴くことができました。確かにちょっとひねりはあったものの、奥底にある血の通った音楽が感じられました。第4楽章のささささっという音楽はかなり特徴がありましたがこれも楽しく聴くことが出来ました。難解さよりも親しみやすさを感じることができてよかったです。一緒に行った友人も聴きやすかったと言っていました。

 プログラム最後はフレスコバルディ作曲カサド編曲のトッカータでした。重音などがたくさん出てきて曲自体演奏が難しく聴かせどころがたくさんあったのもあるのですが、情感にあふれて生き生きとした痺れる演奏でした。カサドが大変なチェロの名手であったためチェロの聴かせどころをたくさん設けたようです。

 演奏者の方たち二人が司会&曲解説および演奏されたのですが、その二人が企画や演奏を心から楽しんでいるのが伝わってきて素敵でした。

 そのような貴重な縁に感謝しようと思った次第です。

 


ドレファミ やら 内声 やら

2013年09月03日 | ピアノ・音楽

 ただ今ショパンのバラード3番を練習しています。無謀なのもなにも承知なのですが、一生のうちにショパンのバラードを少なくとも1曲は弾くというのが夢だったので、その夢の実現に向かっているということになります。基礎的な力も中途半端なのは承知しているため、大曲に手を出すのは控えたほうがいいのでは、とずっと思っていたのですが、私が本当に上手な方のように弾けるようになるのは一生かけても無理だというのも分かっている今、むしろ憧れの曲を今弾かないでいつ弾く?と思うようになったのもあります。前の自分よりも弾けるようになる、その過程を楽しむのもありだと思ったし、なんといっても、憧れ曲を弾いたほうが練習へのモチベーションも上がりますしね。 

 そして弾き始めて数ヶ月。はじめはモチベーションも高かったのですが、ときどきあまりにも難しいのと、どこを直せばいいのか分からなくなったりするのと、ほかの曲が素敵そうに思えるのとが合わさったりして気移りすることもしばしば。しかし、やっぱり好きな曲なので練習が楽しいです。後半の難所はエレベストのようなのですけどね。。。。

 今回はそのバラードの中でなんとなく気づいたことがあったので書きます。誰も言ってなさそうなことである上に、重要度もあまり高くなさそうな気がするのですが、弾いていて気付いたことなので書くことにしました。

 前半部、第二主題から前半の最大の盛り上がりに移ろうとするところ、徐々にそして最後は思いっきり盛り上げるのですが、その盛り上げ始める箇所である77~81小節目の左手内声の「ドレファミ レミラ♭ソ ファ」が気になりました。

 

  以下のアムラン氏による演奏の動画でいうと、2分44秒から2分51秒にあたるところです。その後第1番目の盛り上がり部分になります。

 

 そしてその「ドレファミ レミラソファ」は95~99小節目でにユニゾンとなって再現し、その後ひとまず収束へと向かいます。先ほどの動画でいうと3分17秒から3分25秒になります。 

   この部分の「ドレファミ」すなわち「CDFE」で思い出したのが、モーツァルトの交響曲41番K.551ジュピターの第4楽章のテーマの「ドレファミ」「CDFE」でした。ジュピターで頻繁に使われているこの「CDFE」音型はジュピター音型と言われ、モーツァルトの他の曲、例えばK.192の「クレド」(以下の動画でいうと1番目の曲 )

 

やK.257「クレド・ミサ」の 「サンクトゥス」で使われています。彼にとってこの「ドレファミ」こと「CDFE」は一生かけてのテーマとなる音型だったそうです。そしてさらにさかのぼってハイドンの交響曲13番の第4楽章でも使われているそうです(これらの内容は詳しい方たちに教えていただきました)。

 また新しくはシベリウスの交響曲第4番の第4楽章に「ドレファ♯ミ」こと「CDFisE」という不気味な形となって登場しています(こちらも詳しい方による情報です)。出だしのチェロの独奏から印象的です。寒く厳しい北欧の夜を連想するのですが、シベリウスはこの曲を作るときにジュピターことモーツァルトの音楽を少しは頭に浮かべていたのでしょうか?

 

 

しかし、この「ドレファミ」こと「CDFE」というジュピター音型の起源、実はグレゴリオ聖歌のHymn「Lucis creator」にあると言われています。音源があったので貼り付けておきます。確かに出だしから「ドレファミ」こと「CDFE」が聴こえますね!

 

 この「ドレファミ」パレストリーナも使っているそうです。探そうと思ったらきりがなさそうです。

 ちなみにショパンのバラード3番の「ドレファミ」ではその後「レミラ♭ソファ」と続き、ヘ短調となりますのでこの部分の前半をジュピター音型というのは多少無理があるかもしれないいのですが、それでも「ドレファミ」こと「CDFE」という音型には何らかパワーがあるのでは、というような気がしました。

 再びバラードに戻ります。ジュピター音型とは違う話題です。「ドレファミレミ♭ラソファ」の後の静まろうとしたシーン。こじつけもあるかもしれませんが、下の楽譜でいうと右手のソプラノもですが、内声の茶色で囲まれた部分も聴きながら弾くと、音楽が素敵になりそうな気がしました。先程の動画でいうと3分26秒から3分36秒のところです。

 

 そう考えてみたら内声の存在感の大きさを感じます。人によってはあまりにも聴きなれた曲が多く分かりきったように見えるショパンの曲、もっともっと発見できそうなことがあるような気がしました。 

 


ジョージ・セル&クリ―ヴランド管弦楽団 ライブ・イン・東京 1970 を聴きました

2013年09月03日 | ピアノ・音楽

  ピアノ以外の音楽、そして指揮者、しかも過去の指揮者については詳しくないのですが、ジョージ・セルという指揮者を固有の指揮者として意識したのはこの私にしては早い方かもしれません。それでも長年のファンの方たちからみたらにわかに聴き始めた私がここに採りあげるのはおこがましいのも十分に承知であり、その上あまりにもつたない感想なのですが、それでも印象に残ったものは残しておきたいので書こうと思いました。私のセルとの出会いはあるサイトでした。いにしえのよき演奏を公開したあるサイトで、ジョージ・セルにほれ込んだ筆者が並外れた透明感を持つ演奏だと大きく採りあげていて、こんなにすばらしい指揮者の演奏なら聴きたいと思い、無料でありながらもそのサイトの音源を聴かせていただいていました。そしてtwitterでもセル専門のアカウントを作られる方もいらっしゃるぐらい、クラシックファンに定評のある指揮者なのだということを知り、今度はCDを購入して本格的に聴いてみたいと思うようになりました。
 
 そして第一号に購入したのが、実は、セルにとっては最後の音源でもあった、1970年の来日時の東京公演でのライブ演奏である「LIVE IN TOKYO 1970」ジョージ・セル指揮、クリ―ヴランド管弦楽団による演奏という有難くそして畏れ多さも感じるようなラッキーなものでした。(実はY市の中古レコード店に置いてあったのです!そのときはそこまで感じていなかったのですが今となっては運命的な出逢いだったと思っています)ソニーの京須氏によるCDの解説によると、1970年の来日時には健康状態が思わしくなかったセルでしたが、音楽への真摯な取り組みは変わらず、殆ど観光はせず一にも二にも音楽、オベロン序曲でフルートかオーボエか、メンバーが一人足りないことに気付き団員が寝過ごしたということに判明すると「クビだ、帰国させろ!」と劣化の如く怒ったという、真摯でストイックな姿勢だったそうです。生涯最後の”初演作品”でもあったという「君が代」の試奏のあと、テンポの当否をしきりに周囲の日本人にしきりに問い、譜面を穴があくまで見ていたということでした。
 
 このCDはその来日公演の中の、東京公演初日のプログラムで、音源自体もしばらく不明になっていたものだそうです。拍手も入っていてライブ感にあふれています。

 全体的に、とても濃密な演奏です。楽譜をとことんまで見通し深く厳しく追求したからこそ出せる音があつまっていて凄かったです。この演奏を生で聴いた方たちがうらやましくなる、そんな演奏でした。ぴしっとのりをつけてアイロンをかけた、楷書のようなしまり、曲の隅々まで見通し追求したような密度の濃さが感じられました。
 CDは2枚あり、下に書く1枚目とともに、2枚目にはシベリウスの交響曲第2番とベルリオーズのラコッツィ序曲があるのですが、今回は1枚目の感想を書くことにします。(ベルリオーズは言うまでもなく、有名なシベリウス2番を聴いたのも今回が初めてだったので、曲そのものへの感想になってしまいそうな気がして今回は避けました)

C.M.v.ウェ―バー 歌劇「オベロン序曲」
 「オベロン、または妖精王の誓い」という全3幕のオペラで、台本はヴィーラントの叙事詩「オベロン」の英訳をもとに「夏の夜の夢」と「テンペスト」の内容を付け加えたもの。結核に侵されていたウェーバーが自分の死期を悟り、15ヶ月の速さで作られ、絶筆となった作品。そしてこの序曲がもっとも演奏されています。
 冒頭はホルンでしょうか、厳粛な感じの始まり。その後弦楽器そしてフルートと思える管楽器が絡み合い、妖精がささやきはじめます。そして突然どんとなり、美しくわくわくする旋律のテーマとなります。どこかで聴いたことがありそうな楽しいメロディーが続きます。その次も甘くて優しく包み込むような音楽が続いたり、かと思ったら元気に飛び回ったり激しく情熱的になったりと、変化に満ちて聴きごたえがあります。これからの季節にぴったりな曲の一つのような気がしました。
 この曲もこのCDで出会ったので、感想を書くのはちょっとおこがましい気もするのですが、とても麗しい演奏で曲との素敵な出会いのきっかけになりました。華やかにはじけ、たおやかに流れる、色彩豊かな演奏でした。

交響曲第40番ト短調
第1楽章モルト・アレグロ 速いホグウッドに聴きなれてきた耳にはゆっくりした音楽に思えたのですが、音の隅々にまで丁寧に神経の行き届いた美しい演奏。速度が一瞬遅くなるところがあるがそのたびに音楽への愛情が感じられぞくぞくしました。その間の中にセルの愛情が込められているような気がしました。まだ音楽は続くはずなのだが最後に近くになるにつれて寂しさを感じました。

第2楽章アンダンテ 低音部や内声を大切にしているからか、厚みにあふれた音楽でした。のどかでゆったりとした感じでありながら、曲が盛り上がるところでは緊迫感がありどきどきさせてくれる。大きく曲をとらえた感じの演奏だと思いました。

第3楽章メヌエット・アレグレット 小悪魔的な雰囲気のこの曲、実はこの40番交響曲の中で私が一番好きな楽章です。変拍子で後半がちょっとずれて寸足らずな感じなのがおしゃれなのですがこの演奏もそういう洒脱を感じさせました。しまりのあるかっこいい音楽。外へ外へと向かう激しい気迫も感じられその気迫がずしんずしんと重力方面にも向かっている感じでした。

第4楽章アレグロ 目まぐるしく転調しめくるめく音楽が広がっていく様子にさらわれそうになりました。しかも濃密なので力強くひっぱられていそうな感じがしました。最後の再現部直前にゆっくりとなるところでふたたびぞくっとしました。一瞬気を抜いたのかな、とも思えそうなのですが、再現部に向かうまでのかけがえのない過ぎてほしくないひと時を感じさせるような気がしました。セルはこの部分に大きな思いをはせていたような気がしました。その後速度が元に戻った時点で駆け抜けるような潔い終わり方がかえって切なさを感じました。

 シベリウスとベルリオーズは余力があったら書けたら、と思っているのですがあてにしないでください。(シベリウスの交響曲第2番はさすが名曲だけあり素晴らしい曲でした。この有名な曲を今回まで知らなかったのは大きな損失だったと思っています。)


気になるピアニスト クリフォード・カーゾン 

2013年08月25日 | ピアノ・音楽

 先月の今頃はいにしえの演奏家の演奏を聴くのにわくわくしているという記事を書きました。今もそうなのですが、先月書かなかったピアニストでかなり気に入っているピアニストがいました。クリフォード・カーゾン(Clifford Curzon)というイギリスのピアニストで、1977年にナイトに列せられたピアニストです。彼のこと、実はこの夏まで知らなかったのです。しかしtwitterでモーツァルトの演奏に定評があるピアニストとして名前が挙がっていて、興味を持ち始め、イシュトヴァン・ケルテス指揮ロンドン交響楽団による演奏のモーツァルトピアノ協奏曲23番、24番のCDを購入して聴いたところ、柔らかく流れるように自然な演奏に心惹かれました。こんなに素敵な音色のピアニストなのに今まで知らなかったことがちょっと残念で、でも知ることができて本当に良かったと思えるピアニストでした。かなりの録音を残しているものの、録音嫌いだったとWikiにはありましたが。。。私はまだまだカーゾンの音楽を知っているとは言えず、もっと聴きたいと思っているのですが、素敵な動画があったので貼り付けようと思います。

 カーゾンは作曲家としても有名なベンジャミン・ブリテンの指揮のもとでも演奏しています。以下の動画にあるモーツァルトのピアノ協奏曲第27番K.595第2楽章の天にも登ったような透明感あふれる音楽には次の言葉が出ません。

 シューベルトの即興曲Op.90 D.899の第3番変ト長調です。曲の輪郭をしっかりとらえた上に溢れんばかりの歌心。

 他にも動画がいくつかあり、中には本人の手の動きもうかがえるものもありましたが、埋め込みによる共有ができないものが多かったのでここまでにしておきます。もっと聴きたいと思われた方はCurzonで検索してご覧になってみてください。

 


いにしえの演奏家たち その2 ダヴィッド・オイストラフとジネット・ヌヴー

2013年07月28日 | ピアノ・音楽

 昨日に続いて今日もいにしえの演奏家について書きます。今日はヴァイオリン編。またまたtwitterの友人を通して名前を知ったお方です。昨日のピア二ストも含めて詳しい方たちは本当に詳しいです。趣味でピアノを弾いている我々としては、そういう演奏家たちを知ったところで演奏家たちの真似をすればいいわけではないし、そのためにかける時間やお金の捻出も考えるというところがあったりもしますが、それでも、そういう素敵な演奏に触れておくことで心に宝物を得、幸せな気分になれるし、それが結局は自分の演奏を含めいろいろな面でプラスになると思うのでした。でもさすがに弦楽器まで手を伸ばさなくてもと思われる方がいらっしゃるかも。いや、それが、弦による曲の歌わせ方を知っておくことはピアノ演奏にとってもプラスになるのです、それもですが、とにかく弦の音色って美しいのですよ、この禁断の世界にはまったら抜けられない!?

 前置きはそれぐらいにして、ダヴィッド・オイストラフ(David Fiodorovich Oistrakh 1908年- 1974年)というお方、Wikiによるとソ連(現在はウクライナ)のオデッサ出身のユダヤ系ヴァイオリニストで、ショスタコーヴィチ、ハチャトゥリアン、ヒンデミット、ブラームス、チャイコフスキー、ブルッフ等、多くの録音を有するクラシック音楽の好きな方たちの間では定評のあるヴァイオリニストです。どのような演奏をするのだろうと思って閉店間際のTレコードに残っていたこのCDを聴いてみたところ、深みと包容力を感じさせるスケールの大きな演奏でした。もともとこのオイストラフ氏、学生時代はヴィオラを演奏しており、生まれつきのヴァイオリニストではなかったそうですが、1937年、ブリュッセルのウジェーヌ・イザイ・コンクール(現:エリザベート王妃国際音楽コンクールで首位をかち取り、世界の檜舞台にその名を轟かせたからヴァイオリニストとして名をなすようになりました。その後はモスクワ音楽院で教鞭を執るかたわら演奏活動を続けたが、ソ連が第二次世界大戦に参戦すると、最前線に出て慰問演奏を行ないました。

 オイストラフ、CDはもちろんyoutubeにも多くの音源があるのですが、まずピアノでおなじみの月の光!こんな素敵な演奏になるのですね。

 ちなみにオイストラフ演奏のCDで初めて聴いて心打たれた曲にブラームスのヴァイオリン協奏曲がありました。弦楽器のイメージの強いブラームスですが、Wikiによるとヴァイオリン協奏曲はこの1曲のみ、交響曲第2番の翌年に作られたそうです。そして、ベートーヴェンの作品61、メンデルスゾーンの作品64と並んで3大ヴァイオリン協奏曲と称されているそうです。

 第1楽章はゆったりとした管弦楽から始まりますが、途中から情熱的なヴァイオリンが入ってきます。ブラームスらしい茶色がかった熱い音楽が次々と登場し、どんどん盛り上がっていきます。第2楽章はオーボエによる天から降ってきたような甘く魅惑的な歌から入るのですが、この美しいオーボエの出だしが原因で、サラサーテはこの曲を演奏したくないと言ったそうです。あの美しい旋律をオーボエが歌っているのをヴァイオリンは見るだけなのが我慢できないと。しかしその後はヴァイオリンが魅惑メロディーを引き継ぎ本領発揮!こんなに美しい歌があっていいのだろうかと思えるような夢の世界が広がります。第3楽章は管弦楽とヴァイオリンが同時に入ります。ジプシー風の力強いヴァイオリンの主題から突き進む音楽、凛々しくてかっこいいです。まさにここで決めてくれた、という感じで終わる第3楽章です。youtubeの演奏をこちらに貼り付けるのはどうか、という気持ちも少しあるのですが、曲自体知らない人もいらっしゃるかと思うので、曲紹介も兼ねて貼り付けます。Orchestre National de la Radiodiffusion Francaiseによる演奏、Otto Klemperer(オットー・クレンペラー)による指揮による、ブラームス作曲ヴァイオリン協奏曲の第2楽章です。

 

 ところでオイストラフとほぼ同時代のヴァイオリニストで、ヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールというコンクールで若くしてオイストラフを破り、その後も数々の美しい演奏を残したヴァイオリニストにジネット・ヌヴ―(Ginette Neveu 1919年-1949年)がいます。ヌヴ―はWikiによるとフランスのヴァイオリニストで、母がヴァイオリン教師、父もアマチュアながらヴァイオリンを嗜む音楽一家に生まれ、若くしてヴァイオリンの才能に恵まれ7歳でブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番をパリのサル・ガヴォーで奏いたそうです。そして当時高名なヴァイオリニストであったカール・フレッシュに、「あなたは天から贈り物を授かって生まれてきた人だ。私はそれに手を触れてあれこれしたくはない。私に出来るのは、いくらかの純粋に技術上の助言くらいだ」と言わしめたそうです。「音楽上の」ではなくて「技術上の」です、それだけ彼女には音楽性が溢れていたのですね。そしてヴィエニアフスキ国際ヴァイオリン・コンクールで180名の競争の後オイストラフを破って優勝、その際あのオイストラフ氏も彼女の優勝を認め、『悪魔のように』素晴らしいと誰もが認めるだろうと言ったそうです。そんなヌヴ―氏、ドイツ、ソ連、アメリカ、カナダで演奏活動を続けました。第二次大戦中は演奏活動を中止したものの、終わると演奏活動を盛んに行ったそうです。しかし、1949年、三度目のアメリカへの演奏旅行に向かうために乗った飛行機で事故に遭い、若くして命を落としてしまいました。遺体が発見された時彼女は愛器ストラディヴァリウスを両手に抱えていたそうです。

 そのヌヴ―もブラームスのヴァイオリン協奏曲を大変得意としていました。名盤として知られる1948年5月3日のシュミット=インセルシュテット指揮、北ドイツ放送交響楽団の演奏によるライブ盤のCDを聴いたのですが、あまりの美しさに鳥肌が立ちっぱなしでした。燃えたぎるような情熱と豊かなでのびやかな表現、ライブならではのぎりぎりのところにまで挑む凛とした高貴さを感じることができました。こんなに素晴らしい演奏に巡り合えて心から良かった、一期一会という言葉があるのなら、このCDとの出会いは貴重な一期一会だったと断言したくなる、そんな演奏でした。

 というわけで、こちらには彼女の別の演奏を貼り付けます。1935年演奏のDe Falla 'La vida breve’、スペイン舞曲第1番です!音質がいまいちって?それは当時のことを考えたら受け止められるでしょう、なんといってもその裏にある彼女の熱き情熱と表現が大切。

 

 さて、こういうことにうつつを抜かしているようですが、自分の練習は?なんとかやってますが、本当はもっとちゃんと向き合わないとね。

 それにしても今は昔の名演をこのようにたくさん聴けるのですから本当に有難いですね。

 


いにしえの演奏家たち その1 イグナツ・フリードマンとウィリアム・カペル

2013年07月27日 | ピアノ・音楽

 いにしえの演奏家の演奏を聴くのが楽しくなっている今日この頃。1945年前後の演奏というとまさに第二次世界大戦前後、想像もつかないぐらい大変な時代だったはず。しかしそのような時代にも、古さを全く感じさせない、目の覚めるような演奏がたくさんなされていました。そんな演奏で以前から個人的に大好きな演奏の一つがポーランドのピアニスト、イグナツ・フリードマン(Ignaz Friedman 1882年– 1948年)によるショパンのノクターンOp.55-2。ショパン晩年の美しい作品を、フリードマンははっと目の覚めるような澄み切った演奏を聴かせてくれています。なんと1936年の演奏です。この演奏を初めて聴いた時にはこんなに素敵な演奏がそんなに昔になされたということ自体が信じられないような思いでした。こちらのCD(オーパス蔵で出ていましたが残念ながら廃盤になっていたようです)で何度も聴きました。同じCDに入っていたマズルカもとても素敵です。

 有難いことにOp.55-2の動画があったので、こちらに貼り付けます。


 フリードマンの演奏をきっかけにOp.55-2が好きになって数年後のつい先日、twitterである方がスカルラッティの動画として紹介されていた動画が目につき、ちょっと開いてみました。ウィリアム・カペル(William Kapell  1922年- 1953年)というピアニスト、名前も何も知りませんでしたが、とにかく聴いてみようと思って開いてみました。そうしたら、涼やかなスカルラッティK.380(29秒から)聴こえてきました。晩年である1953年の演奏ですがまったく古さを感じさせない洒落た演奏でびっくり。そしてさらにびっくりしたのは、その次(3分32秒から)あのノクターンOp.55-2が登場したこと!しかも、深みのある歌心あふれた演奏。なんと愛しむべき演奏なのでしょう。Op.55-2のマイベストはフリードマンだと思い込んでいたのですが、カペルのこの演奏、私から見たらフリードマンへの強力な殴り込み演奏でもありました。。。ちなみにその後のエミリオ・ナポリターノという方がピアノ用に編曲した「Gato(猫)」というアルゼンチンのフォークソングも素敵です。

 ちなみに本人の演奏姿が映った動画はyoutubeでは今のところこの動画しかないようです。

 この動画をきっかけにウィリアム・カペルというピアニストに興味を持ち始めたのですが、どうもこのカペル氏、アメリカ生まれのアメリカ育ちであり、第2次世界大戦終焉後世代における最も有望なアメリカ人ピアニストとまで称されるすごい方だったようです。まことに残念なことに、飛行機事故に遭い早世してしまいました。もし、彼が早世しなかったら、ピア二ストのr歴史も大幅な変化があっただろうと思える存在でした。(詳しい紹介がなされているサイトがありましたのでリンクしておきます(ウィリアム・カペル ~ホロヴィッツを超えて~)。

 ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲の独奏者として抜擢されたカペル氏はこの曲の演奏を得意とし、第二次世界大戦中もソビエト連邦への連帯を示すために演奏し、この曲の普及に努めたといいます。カペルの演奏で初めてこの曲 (youtubeにもありますm(__)m)を聴いたのですが、バリバリとした見事な演奏でした。まだ一度しか聴いておらず、ちゃんとつかみ切れていないのですが、歴史的に有名な演奏だそうです。

 私が個人的にまだ聴きなれている曲目であるバッハのパルティータ第4番、ショパンのピアノソナタ、ラフマニノフも素晴らしいです。そしてショパンのマズルカ!これがまた素敵なのです。晩年の名曲Op.67-4です。

 

 最後に大好きな幻想ポロネーズの動画も貼り付けます。後で気付いたのですが、カペルによる幻想ポロネーズの演奏、彼自身についての知識も何もない段階からかなり気に入っていたみたいで、お気に入りに前から入れていたことに後で気づきました。

 

 ちなみにカペルの演奏を集めた全集のCDが最近お得な価格で出たようです。動画音源を貼り付けてばかりでずるい、という声がちらほらと聴こえてきたような気が。お金と手間をかけてLPを聴いた方たちもたくさんいらっしゃるようです。というわけで、私も有難味を感じながら、いずれはちゃんと全集も聴きたいものだ、と思っている昨今です。

 

PS)ホロヴィッツについての記載については誤りがありました。申し訳ございません。削除いたしました。