いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

コンクールの審査員をしてきました

2011年12月04日 | ピアノ・音楽

 私のことを知っている人が、このタイトルを見たら、なんと図々しいと感じると思います。そう、まことに図々しいのですが、審査員をしてきました。全日本学生音楽コンクール中学生ヴァイオリンの決勝大会の市民賞の審査員です。正規の審査による賞とは別に、このコンクールには会場のある横浜市の市民による、市民賞というのがあるのです。審査員は横浜市民ならだれでもいいそうです。それは非常にありがたく貴重な話だと思い、申し込みました。

 曲目リストを渡されましたが、ヴァイオリン協奏曲や知らない曲がずらりと並んでいて曲目だけで圧倒。中学生のヴァイオリンの上手な子って、どんなにすごいのだろう、と思いながら聴き始めましたが、いきなりノックアウトされました。堂々たる態度、美しい音色、抜群のリズム感、見事な手さばき、豊かな表情、壮大な世界の構築、すべてにおいてみなさん、さすが決勝に残られた方たちという感じでした。ほとんどプロ、という感じ。一生懸命演奏しているから伝わってくる熱さにもあふれていてぞくぞくしっぱなしでした。

 しかし審査をしないといけないんですよね。市民賞なので、印象に残った演奏を選ぶのが一番だとは分かっていたものの。たとえば音色という基準でいくとします。いわゆる「美しい音色」とか「響く音」というようなひとくくりではすまないものを感じました。例えばチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲で求められる音色とラヴェルのツィガーヌ(恥ずかしながらこの曲は本コンクールで初めて知りました)で求められる音色はまったく違います。音程という基準も曖昧だと思いました。素早いボウイングでものすごく速く動くところは、どうしても多少の音程の狂いが見られたもののそれでまったく悪くないような気がしたし、そのようなところで音程をかちっとはめることにこだわる必要があるかどうか、という気もしました(専門家の方のお考えはどうなのかわかりませんが)。また、ゆっくりしたところも、どういう音程が求められているのだろうか、とふと感じました。平均律のピアノと純正律のヴァイオリンは音程の取り方が違うのですが、やっぱりバランスがとれたほうがいいのだろうか、など。合わせからソロへ、または反対への移行も難しいだろう、と感じました。ヴァイオリンがすばらしいのは言うまでもないのですが、伴奏(相手、と言ったほうがいいのだろうか)のピアノの方たちの責任も重大。ヴァイオリンの方たちが引き立つように演奏されていてすばらしかったです。中には無伴奏で弾かれた方もいらっしゃっいましたが。。。おそらく「超絶技巧」と呼ばれる技が無数に出てきたと思います。しかし技だけでなく芸術的にもすばらしかったと思います。プロの演奏会だといっても遜色がないように感じました。

 そして正規の審査結果は以下の通りでした。

1位 K田さん(チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35第1楽章)

2位 I塚さん (イザイ 無伴奏ヴァイオリンソナタニ短調 作品27 第3番バラード)

3位 G司さん (シベリウス ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47第1楽章)

 すばらしいです、本当に。1位のK田さんはなんと私の地元の広島の方でした!

 そして私が参加させていただいた一般市民の投票による横浜市民賞は

K野さん (ヴィエニァフスキ 「ファウスト」の主題による華麗なる幻想曲 作品20(一部省略))

 ヴァイオリンのことも曲のことも予備知識がないまま投票させていただきました。ちなみに私は誰に投票したかって?それは秘密です。

 貴重な演奏が聴けて本当によかったです。


オウム裁判が終わり そして江川紹子さん、宮本益光氏と「鴎」

2011年12月04日 | 日記

 先月、世間に果てしない恐怖感をあたえた一連のオウム真理教事件の裁判が終結した。16年前、地下鉄サリン事件およびそれ以前の事件発覚をテレビで見ていて、現実離れした恐ろしさを感じた覚えがある。あの地下鉄に、と思うとぞっとする。犯人には、いわゆるエリートと言われる人たち、社会的地位もあった人たちが多かったのにもショックを感じた記憶がある。見て決して気持ちのいいものではないのに、当時は張り付いていてテレビを見ていた。松本智津夫という変な男に出会い、はまってしまったために、人生を狂わされ犯行に手を染めてしまった彼らを、許すことはできないし、同情もできないけれども、なんというか、あわれなものを感じた記憶がある。

 その事件に関して、当時、ジャーナリストの江川紹子さんが調査し意見をひんぱん述べられていた。教団の危うさを的確に指摘し、正義感が強くはっきりと意見を述べながらも温かみが感じられる彼女の勇気に脱帽し、好感を持っていた。再び彼女の名前を思い出して検索をかけてみたところ、今回の裁判終了時も死刑執行の順番について意見を述べていた。反省して罪を認めた人から刑が執行されるようなことになれば、正義に反する、ましてや、他の死刑判決となった弟子が、主犯の松本智津夫よりも先に死刑執行になってはいけない、と。どうも、裁判の順番によると、罪を認めた元幹部ほど裁判の終結は早く、罪を認めようとしなかった者や、裁判に背を向けた者ほど、審理に時間がかかったということだったようなのだ。それが真実ならば、まさに彼女が述べている通り、死刑執行は裁判終結順ではなく悪者順に行ってほしいと思う。

 江川紹子さんはホームページを持っておられ、なんと音楽大好き、しかもオペラ通であることが判明した。音楽紹介コーナー=ほとんどオペラ紹介コーナーになっていた。見たことないのは言うまでもなく、知らないオペラも多かったが、紹介文からとても面白そうに思えた。それから、バリトン歌手宮本益光氏による子守唄のCDを出されていたことも知ってびっくり。多才な方なんだ。

 それにしても珍しくこのような記事を書いている。

 宮本益光氏の演奏を見つけた。すばらしい。この歌の楽譜ほしいなあ。合唱でも歌われているようだし。

歌曲「鴎」(詩:三好達治 曲:木下牧子) 歌:宮本益光