いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

階段を下りると、そこは

2013年07月22日 | ピアノ・音楽

 クラシック音楽をじっくり聴きながら、珈琲を飲める、そんな名曲喫茶に行きたくなって高円寺に足を運びました。twitterの友人たちに教えてもらった店に行くことにしました。

中央線沿線の高円寺商店街のアーケード。古き良き町という印象です。

細い路地を左に曲がって少し進むと。。。「地下一階 ルネッサンス 音楽室と珈琲」と書かれた古そうな黄色い看板が見えます。右の方に入っていくのですが、一見そっけなさそうな感じです。

 しかし地下に降りて扉を開けると。。。日本でいえば大正浪漫、ヨーロッパでいえば中世に戻ったような薄暗い部屋が広がっていました。そしてショパンのピアノソナタ第2番が部屋いっぱいに聴こえてきました。まるでお祖母ちゃんの秘密のお部屋のような雰囲気です。

 飲み物は入口で注文。珈琲(ホットとアイス)、ジュース、紅茶がありました。

 席に着くと目の前には古そうなスピーカーがどんと構えていました。ビクター犬が顔を向けてもよさそうです。しかしこのスピーカーからは音が聴こえてきませんでした。空調設備もちゃんとついていて、涼しかったです。

  音が聴こえてくるもとはどうもこちらの方向でした。壁には絵が掛かっており、がっちりとした高級そうなコンポが置いてあります。ちょっと暗くてすみません。フラッシュをたけなかったのでこのようになりましたが、スピーカー見えるでしょうか?

  音源はすべてLP。部屋いっぱいに音楽が広がっていました。ノイズも時折聴こえてきたのですが、そのノイズも含め心地よく聴こえます。音源の元も古い演奏。

  店員さんにかかっていた曲と演奏者を尋ねました。どの演奏も心をゆさぶるものばかりでした。部屋の雰囲気と古き良き演奏のおかげでたちまちタイムスリップ、夢の世界へと誘われました。

ショパン作曲 ピアノソナタ第2番 アルフレッド・コルトー (ピアノ)

マーラー作曲 交響曲第4番 カール・ベーム(指揮)アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

ベートーヴェン作曲 ピアノ協奏曲第4番 カール・ベーム(指揮)ロベール・カサドシュ(ピアノ)アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

フランク作曲 ヴァイオリンソナタ アルテュール・グリュミオー(ヴァイオリン)ジェルジ・シェベック(ピアノ)

 こんなに集中して音楽を聴いたことは、コンサートや発表会以外にはないのではないだろうか、というぐらい、集中して聴きました。会話はできませんでしたが、そのようなことは気にならないぐらい。他のお客さんも音楽に聴き入っていました。

 しかし部屋にあるものにも思わず心惹かれました。椅子や机もただならぬ雰囲気の素敵なものだったのですが、席からふと上を見てみるとレトロなシャンデリアとともになんとこんなものがありました!

 トランペットです♪演奏していた方がいたのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  目立たないように、忍び足でちょっと探検してみると

 ミステリアスな空間が。。。

 嶽本のばら氏という作家がカフェーについて書いた『カフェー小品集』に描かれたさびれながらも魅力的で耽美的なカフェーの世界を実現していました。行間から音楽が聴こえてきそうだったのを覚えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

  本とともに振り子の時計(ちゃんと動いています)ギリシャ神話に出てきそうな方の胸像もありました。

 

 ちょっと見方を変えてみると。。。

 こんなところにちょっと埋もれてみたい、という思いがふつふつと。

 ちなみに古き写真や古き絵も壁に飾ってありました。

 しかしそれだけではなく、

古き時計も、飾ってありました。

おじいさんの時計たちです。動いていませんでした。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 こんな空間に入ってしまったら心はすっかり夢の中。美しい音楽を聴きながらいろいろなことを思い浮かべ、頭も心もデトックス。店から出るときにはまるで別人になったような感覚でした。

 その後は友人に会い貴重なひとときを過ごしました。いつも前向きで努力家の友人から大きなエネルギーをいただいたような気がします。

 それにしてもルネッサンスのような名曲喫茶、これからもなんとかして存続してほしいものです。そのような場を必要としている人がたくさんいるはずですから♪