いろはにぴあの(Ver.3)

ピアノを趣味で弾いています。なかなか進歩しませんが少しでもうまくなりたいと思っています。ときどき小さな絵を描きます。

オルセー美術館展 放浪その1

2010年08月06日 | 気になる場所、風景
 オルセー美術館展がある、ということは前から知っていた。実際にパリのオルセー美術館に行くことがあり、美しく親しみやすい絵が多く感じたのにも関わらず、ツアーの関係上時間があまりとれなくて残念だった記憶があったので、今回こそぜひ行きたいという思いがあった。しかも今回は約半数の作品がこちらに来るということではないか。すごいことだ。日程を見ると8月16日まで。もうすぐで終わりだ(汗)主人にも声をかけたのだが、混雑が予想されるので一人で行ってきてとのこと。本当は本人も絵を見たかっただろうとは思うのだが、経験から人混みが苦手というのは分かっているので了解。(その結果八景島になりました)平日の昼間だから今回は大丈夫だろうと高をくくっていたが。。。。。美術館に着くなりびっくり。長蛇の列ができていて入場まで30分待つようにという指示。会期末ぎりぎりの時期だったからなあ。やっぱり主人は来てはいけなかった。

 無事会場に入ることができたのだが、会場内も人、人、人。作品はいきなり「最後の印象派」。モネを始めとした印象派後期の作品だ。日本庭園を元にえがかれたと思われる「睡蓮の池、緑のハーモニー」、洋服や日傘にあたる光の描写が見事な「日傘の女性(二作品あるようですが、展示してあったのはこちらからは右、正面を向いている作品です)」、はっとするほど美しい夕焼け空と反射した水、そしてそこから浮き出ているように見える国会議事堂が印象的な「ロンドン国会議事堂、霧の中に差す陽光」という超有名作品が展示されていた。輪郭よりも微妙な光の動きを美しい色彩のタッチで表現したモネ。いつみてもいいのだ。人が多いのにも関わらず「睡蓮の池、緑のハーモニー」と「ロンドン国会議事堂」の前ではしっかり時間をとって見た。その次は踊り子など人物の表現が巧みだったドガの作品が展示してあった。他にもシニャックスーラ等いい作品がたくさん展示してあったのだが、省略する。

 最も楽しみにしていたセザンヌの展示室に入った。当初は物の形の抽象化を始めた人で、分かりにくい絵の創始者だという思いもあったうえに、描かれる対象にもあまり魅力を感じておらず、あまり好きではなかったのだが、実際にオルセー美術館でセザンヌの「籠のある静物」「リンゴとオレンジ」を見て一気に先入観が吹き飛び魅入られてしまった。こんなに説得力のある絵は見たことない、と思った。果物の色の美しさ、平面的に見えて温かみのあるポット、無造作だけどいい感じの白い布、そしてそれらの物のバランスが見事でこの絵から離れたくないと思えるぐらいだった。その絵に今回も再会できたのだ!(見ることができたのは「籠のある静物」で、「リンゴとオレンジ」は今回の展示にはなかったが)やっぱり重量感や説得力があって光っている。天才だと思った。「サント=ヴィクトワール山」も美しい。彼の捉え方が見事なのだろう。これこそ写真ではなくて「絵」だからこそできることなのだと思った。セザンヌの作品はぜひ一度実物を見ることを強くお勧めする!特に「籠のある静物」や「リンゴとオレンジ」は白眉ですよ、本当に。
 セザンヌで思いっきり熱くなっていたが、まだまだロートレックなどすぐれた作品が続く。ロートレックも好きだ。人物の表情が動きをもって巧みに描かれている。
 そしてセザンヌの次に楽しみにしていたゴッホの部屋にやってきた。こまやかな筆遣いで光の微妙な動きをあらわしたモネの作品と違い、太く長くくっきりした鮮やかな色、油絵の具の特徴をふんだんに生かしたと思えるような線で描いている。「アルルのゴッホの寝室」を見たのは実は三回目。いつ見ても見事だと思う。水色と茶色の組み合わせ、そしてアクセントのように入っている赤と黄色が印象的だ。また「自画像」(左を向いたパイプを吸っていない絵が展示されていました)の目の周囲にみられる緑や赤の線もすごい。線に彼の思いが込められているような気がする。そして本当に美しいと思ったのが「星降る夜」だった。暗い夜空のなか自ら光を放つのは北斗七星とガス灯。その光を川の水面が受け止め美しい反射をなしている。手前にいるのは恋人たち。向こうの岸辺はゆるやかな曲線。静かな風景のはずなのだが筆の線の方向から動きと力が感じられる。想像力がかきたてられる。
 ゴッホと同じ部屋にはゴーギャンの作品があった。一時期は人間の内面を表現しようとしていて同士として仲間だった彼ら。その後ゴーギャンはタヒチに向かい、平面的で力強い絵を描くようになる。「タヒチの女たち」の絵からにじみ出てくる生き生きした雰囲気。彼女たちとの語らいもあったのではないかと思えてくる。
 その後ルソーの「蛇使いの女」等を見て出口へと向かった。「蛇使いの女」の女性と笛の暗さが何ともいえず印象的だ。ルソーの絵はあやしそうな絵が多いのだが、どの絵にもほのぼのしたユーモアが感じられるのでいつ見ても楽しい。倉敷の大原美術館にある「牛のある風景」という絵も大好きだった。

 本当に充実した企画だったと思う。人が多いのも分かるような気がする。広島の美術館はそんなに人が多くなかったので、絵をひとりで見に行くことはゆっくりできる贅沢であり、ひそかな楽しみでもあった。今回はちょっとゆっくりはできなかったな。しかしささやかな楽しみは味わえた。それにしてもこれだけの絵が一度に日本に持ち込まれたなんて。。。もしオルセー美術館のためにパリに来ている人がいたとしたらがっかりだろうと思う。そうならないためにも下調べは念入りにですね。

 続きはまた書きます。

ごく普通のスーパーと東京アート放浪

2010年08月05日 | 気になる場所、風景
 関東中心の話題です。最近お気にいりのスーパーは東急ストア!日用品も食料品も置いてあり、しかも結構値引きもしてあって飾らないところがお気に入り。品質もまともです。こちらに来たばかりのころは、このような普通でお手頃なスーパーがなさそうなのでちょっと不便さを感じていたのですが、東急ストアに巡り合ってたちまち光がさしました。会員になってポイントためることもできるのもうれしいです。ネットショッピングもできるのですね。
 この東急ストアに開眼したのが約1ヶ月前でした。他の食料品のスーパー(こちらも悪くないです)があったので目に入らなかったのです。しかし東急ストアのおかげで相当買い物がしやすくなりました。
 他にもあまりにも込み入っていて分からないところがたくさんあったのですが、この1ヶ月で目から鱗が落ちるように分かるようになった場所がいくつかあります。100均のダイソー(やっぱり好きです)はとても分かりにくい場所にあったのですが、やっと間違えずに行けるようになりました。また高級そうに見えていたクイーンズ伊勢丹がとても良心的だと思えることもありました。そう考えてみたら、私もやっとこちらの生活に慣れてきたと言えるのかもしれません。

 実は昨日は主人の夕食がいらなかったので、都内を放浪してきました。国立新美術館、六本木ヒルズ、森美術館という美術館コースでした。そのことについて書こう、書こうと思いながら、まだ書いていません。ものすごくよかったのになかなか筆が進まなくて。。。また書こうと思います。
 そうそう、今も一言書けそうです。平日の今の六本木ヒルズ森美術館は人が少なく涼めるのでお勧めです。催し物(ネイチャー・センス展)は良心的ですばらしいものでした。子供連れも多かったです。なんと六本木ヒルズ、屋上(スカイデッキ)にも行けるのですね!あまり暑くない夕方にかけて行くのもいいかもしれません。国立新美術館もよかったのですが、人気の催し物が開かれていたため平日の昼間でもものすごく混んでいて人に酔いそうでした。

びびりそうですね、就職活動本

2010年08月04日 | 読書
 書店で「○○内定」というようなタイトルの就職活動本を立ち読みしました。私よりかなり若い学生さん対象の本です。就職が厳しくなっているこのご時世、このような本を読まれている学生さんも多いのではないかと思います。仕事というものは、確かに厳しいものなのかもしれませんが、書いている内容も本当に厳しいですよね。勉強は当然のこと、サークル、アルバイト、遊び、恋愛、すべての面においてアクティブかつテンション高く取り組み、しかもそのときの内容が具体的に言葉で表現できるぐらい活性化させておかなければならないようです。(ちなみに恋愛でも、ある雑誌によると、20歳までに○○をなくしておかないと遅れていると焦っている学生さんもいるとあってびっくりしました。確かに恋愛が大切だと思う気持ちはわかります。しかしそのようにとらわれることは決してないのに。焦ることはないのに。)自己分析というもんですね。そして、そこまで自分はできていない、と思える人たちは、卒業までに慌てていろいろな活動をするようになるか、またはそのままなりになんとか乗り切ろうと思うか、あまりの恐ろしさに回れ右をするか、ということになりそうです。または果敢にぶつかっても、企業から冷たいあしらいをうけることもあります。その上、自己分析というものだけではだめで、企業の業界研究も必要ときています。しかも受ける会社が多ければ多いほど多くの研究が必要になります。自分の将来にかかっているのだから当然なのかもしれませんが。それだけでも大変なのに、この不況ときています。本当に大変だと思います。
 ちなみにこの就職活動本を読んで回れ右をしたくなる人の気持ちが私にはよく分かります。なぜなら自分がそういう人に近かったからです。勉強はがんばっていたのですが他の面で相当抜けていた学生時代の私、某書籍を読んで大変恐ろしくなり落ち込みました。全然だめではないですか(汗)それなら尊敬できる先生がいて楽しくて自分もがんばってきた(?)勉強を続ける方があっていると思いました。しかしそちらもかなりのテンションが必要だったし、相当リスクが高かったのですけどね。そう、アクティブでテンション高い人が輝いているように見えました。(じつは私も思いは熱かったのですが、テンションの表現が下手くそでした。別に輝いてなくてもテンションの表現がうまくなくても、地道にがんばっていけば道は開ける可能性もあったのかもしれないと今は思います。しかし当時の私にはそれはきつすぎました。犠牲も多かったと思うし。)
 結局その後そちらは断念し、紆余曲折しながらも某企業で働くことができました。そのときは涙が出るほどうれしかったです。だって学生時代あんなに恐ろしいと思っていた会社というものに入れたのですから。そのとき感じたことは、あの恐ろしい就職活動本を真に受ける必要はほとんどなかった、そして、できるものなら企業は新卒で入ったほうがいい、ということでした。そして大学はあてになる面もあるけれど、まったくあてにならない面もあるので、自分で考え自分の足で動くことが最も大切だということ、活用できると思えるところがあったら思いっきり活用するとよいということでした(ちなみにこれは、ある地方大学の当時新設学科の昔の例です)。就職活動本を読んで、ますます気が進まなくなっている人たち、ひょっとしたらその本は、ものすごく優秀な方を対象に書いているものかもしれません。しかし現実はそこまで立派ではなくても、働いている人たちはたくさんいます。「そういう本なんか読んでなかったよ」という人もたくさん働いています。希望している会社に入れなかったり、数社続けて落ちたりして凹みそうになっている人もいるかもしれません。しかしあなたと縁のあるところはかならずあります。とにかく凹みそうになったら、自分で抱え込んだり、結論を出したりする前に、友達でも先輩でも家族でも先生でもいい、信頼できる人にその気持ちを正直に話したらいいと思います。そうしながらも前へ進んでいけばいいと思います。ベストを尽くすのは大切ですが、辛くならないようにやり方を考えるのも大切です。
 それから自己分析に縛られるよりも、業界や企業の研究のほうが大切だと今の私は思います。もちろん資本金や福利厚生を見ておくのもありですよ。自己実現という考えも、自分の心から生まれたもので現実に即していればいいのですが、企業においてはそれにとらわれてしまうときついこともあると思います。
 それからもう一つ、組織内で希望の部署にいけたらいいけれど、そうではなくても自分はだめだと思うことはないと思います。希望の職種に後に行ける可能性もあるかもしれません。また好きなことは必ずしも会社の仕事を通してではなくても始めることはできるのです。私もピアノを再開できたしね。

 う~ん、えらっそうに書いてしまいました。○年前の自分に向けての発言かも。このブログに立ちよる学生さんはほとんどいないと思いますが、偶然でも立ちよった方がいらっしゃったら、すこしでも参考になることがあったらしていただけたらと思います。

 今も規模は縮小していますがささやかに動いてます。前書いたところは土曜日必ず出勤ということで縁がありませんでしたが(それでも承諾すればよかったのかもしれませんが、後々のことを考えたらこれでよかったと思います)
 

八景島のシロイルカ

2010年08月01日 | 日記
 前から行きたいと思っていた八景島シーパラダイスに行ってきました。世界各地の魚、哺乳類、生物たちがたくさん。すばやく群れをなして泳ぐ魚、すばやく単独で泳ぐ魚、ゆっくりとマイペースで泳ぐ魚、泳ぐと言うよりも決まった方向性もなく移動している魚、泳ぐと言うよりも水底に張り付いている魚などいろいろな個性を持った魚たちに出会え、元気づけられました。
 魚だけではなく素敵な哺乳類たちにも出会えました。たとえばシロイルカ。5mという大きなイルカですがご覧の通り全身石膏みたいに真っ白でとてもかわいらしいのです。海のカナリアとも言われていて大変美しい鳴き声をしています。このような立ちポーズをしてくれたので写真に撮りました!

ジュピターの歌詞

2010年08月01日 | ピアノ・音楽
 平原綾香のジュピター、はじめはホルストの木星に歌詞をつけただけじゃん、なんでこのようなパクリみたいなことをするのだろうという冷めた見方をしていました。しかし紅白などで実際に彼女の歌を聴くごとに、どんどんいい歌だと思えるようになりました。平原綾香は伝える力を持っている歌手なのだと思います。音楽の勉強も専門的にしているという話も知りました。
 もちろんジュピターの歌詞にも大きな力があると思います。この部分を聴くたびにずきりときます。

夢を失うよりも悲しいことは
自分を信じてあげられないこと

 私の学生のときは、とにかく夢を持ったほうがいいという傾向があったような気がします。そしてちょっと強迫がかっていたような気もします(いや、それは私だけだったかな?)。でも持ったとしても、自分を信じてあげないことには、うまくいかない、ということを実感じました。一時期あまり向かなそうな道に行こうとしたというのもあるのですが。。。そして夢、誤解があってはいけないので補足しますが、とくに大きな賭けにちかいような夢というのは、かならず持たなくてはいけないものではないと今の私は思います。持ち続けられたらそれはすばらしいですが。。。そう思うようになったのは、特に結婚前ですが、夢というものを持っていないようでも、なんだかうまく順応している人(女性です)を職場などで見過ぎてしまったからかもしれません。ただ彼女たちは自分を信じていたような気がします。
 でもぶれることなく夢を持ち続けたままそれをまっとうしている友達もいて、そういう人は本当に尊敬します。夢もあり自分も信じていたのでしょうね。

 でも今の私は夢というよりも、自分を信じることのほうが先だと思っています。名曲に真理をついた歌詞をつけを心をこめて歌い続けている平原綾香を尊敬します。

 というわけで、私もメンデルスゾーンの浮き雲を弾き続けようと思います。歌詞をつけるかもしれません(笑)

P.S.誤解があってはいけないので一部訂正します。
 夢はあったほうがいいと思います。ただ大きな賭けのようなすることは必ずしもいらないんじゃないかなと思います。特に進路。当時は賭けのようなことをしたほうが勝ちみたいになっていました。しかしそのためには、それなりの裏付けと信じる力がいるのです。どんなにえらい人がそう言ったとしてもです。自分の本音や現実に即していたらいいのですが。。。

 でもこれはかなり過去のことなので、もう精算しなくてはいけませんね。
 今の状況に感謝していこうと思います。

予言の鳥

2010年08月01日 | ピアノ・音楽
 シューマンの森の情景に入っている「予言の鳥」の譜読みをしています。森の情景では有名な、とらえどころのないあやしそうな曲です。この曲、表現は難しそうな予感がしているのですが、譜読みはそうでもなさそうに思えていました。しかしそれは甘くとらえすぎでした。いきなり付点8分音符と32分音符の組み合わせ。どのように数えるのか最初は分からず、細かく切ってみたり、カツァリスのCDを聴いてみたりして確かめてみました。そして分かったものの、今度は指がなかなか思うように回りません。3ページという短い曲ですが、これからどのようなことになるかが楽しみです(^^;)ちなみに近い年代の作品やバッハなどの他の作曲家の作品とも(じつはバッハの平均律の某曲とのつながりもあるようです)「予言の鳥」は関連していそうです。。。本当にちゃんと弾こうと思ったら相当の素養がいりそうだという雰囲気も。そう考えたら私には弾けません、ということになるのですが、それでは悲しいです。関連していそうな曲は本番では弾かなくても、楽譜が家にある曲はちょっと譜読みしてみたくなってきました。(実を言うと「予言の鳥」の譜読みもまだなのですが)そうしているうちに、レッスンでは弾かない曲の譜読みがいつのまにか増えるんですよ~。前のように雑にならないようにしなければ、と思います。

 ちなみにシューマン、今回は森の情景の「予言の鳥」ということになりそうなのですが、弾きたい曲はまだまだあります。森の情景と幻想小曲集から挙げてみると

森の情景: 「孤独な花」、「狩りの歌」、「別れ」(「狩り」は中間部がシューマンらしくていいです。そして特に最後の「別れ」が大好きです。メンデルスゾーンの香りが漂っていると思っていたら彼への追悼の意味も込められているという説もあるようです。メンデルスゾーンの「浮き雲」と相当似ている上に難しそうなので今回は見送っていますが、いつか弾きたいと思っています。)
幻想小曲集: 「夜に」 (この曲の話も無理だと思いながらもさりげなくしてみたのですが、さらりとかわされました。しかし最大の目標曲の一つなのでいつか弾きますよ~。「飛翔」も好きなのですがどちらかを選べと言えば今の私は「夜に」を選びます。)

 「予言の鳥」アファナシエフの演奏です。かなり遅めでたどたどしいのですが、行間に味わいが感じられます。