日々感ずることを、徒然に書いています。ご笑覧あれかし。

言葉というもの、非常に興味があります。

日本は、そういう国なんですわ

2021-10-10 08:29:47 | 日記

私、日本を出るまでは、ずーっと京都に住んでいました。

その京都にいた時、ちょっととんでもないことが起りました。それも2度。

存じあげていた妙齢の女性がお二人、自らの命を絶たれたのです。

そのお一人は、近所の人だったのでよく覚えています。あだ名が「ホガちゃん」。

彼女は、心無い他の子供達からこう呼ばれるたびに、身を裂かれる思いだったのでしょうね。

お二人とも、自死されたのは、唇裂が原因です。その頃は、兎唇と言いました。三つ口とも。

それを英国人に言いますと、その方、唖然として、こう仰いました。

「まあ、そんなことで、、、?」

同じ症状をお持ちの大阪の女性は、英国人男性を見つけ結婚、ロンドンで幸せに暮らしておられます。

英国では、ある有名な男優がこの唇裂を持っておられます。非常に演技が達者ですので、この程度のことが、問題になることはありません。

もっと極端な身体的障害をお持ちの人が、何人か、堂々とTVに出てこられるほどですからね、この国では。

そういうお方、即座にお二人、私の頭に浮かびます。TVで、ドラマとかクイズ番組によく出てこられます。男性と女性。

そのお二人、風貌をご覧になると、皆さんびっくりされると思いますが、頭脳は極めて明晰です。男性のお方は、アダムピアソンさんと仰り、子供の時に頭蓋骨が異様な変容を遂げてしまい、これまでに整形手術30回くらい受けられたそうです。大学でビジネスに関することを学ばれ、学位を取得されました。将来、いい女性と結婚して、子供を授かりたいとおっしゃっています。

彼の言です。

「自分のような者が、社会に出ず、隠れて”こそこそと”生活していると、世の中の”障害者に関する問題”は、いつまで経っても解決しない。従って、あえて自分の顔を世の中に晒す」。

非常に立派なお言葉です。

また、TV局も、こういう人を、意図的にドラマなんかに起用しているんだと思います。そのことで、一般の人たちを啓蒙しようというわけです。「世の中には、こういう人もおられるんですよ、」

ただ、日本で、こんなことが起りうるでしょうか。まあ、乙武洋匡さんみたいなお人もおられますが、どちらかというと、例外ですね。

そして、そういう障害を持たれる人を、公衆の面前に引き出すと、「プライバシーの侵害」だとか何とかのお叱りを受けるかもしれません。私、そうは思いませんが。

日本では、この私でも異常者の一員に数えられているんですよ。まあ、私の家族にとっては、そうです。「変わり者」なんですって。 変り者ですか、私?

日本のTVドラマなんかを観ていますと、出演者は、大抵顔立ちのいい美男美女ばかり。だから、もう一つ「現実味」がないんですよね。

日本人の好きな相撲。まあ、私たち日本人は、子供の時から、大相撲を観つけていますから、何とも思いませんが、あれを初めて目にされる外国人は、何とも異様に感じられるでしょうね。

殆んど裸の、太った男が二人、土を固めたたリングの上でとっつき合う。それも異様な髪型で。それに行司と呼ばれるレフリーがいて、派手だけれど趣味のいい豪華な装束のおじさん。手には、塗りの団扇みたいなものを持っている、、。しかし、こんな光景は、観なれてしまうと、何とも思わないものです。

ですから、人間の場合も同じことで、子供の時から、いろんなタイプの人を目にしていると、そういうのが当たり前になってくる。私はそう思います。隠すからいけない、。「隠す」というのは、それこそ「差別」ではありませんか。

でもねえ、皆様。一寸お聴きくださいな。

そういう西洋流の考え方を日本に持ってきても、なかなかうまくいきません。
理屈はわかるんですが、日本には「日本流のやり方」というものがあるからです。

この様な結論に達するのが、常です。

それに、私、こう云うちょっと尋常とはかけ離れた症状を持つ人たちが、日本で忌み嫌われるのには、他にも理由があるのではと思っています。

神道がそれです。

日本人の美意識の象徴みたいなもので、そこで言われることは、潔くあれ、素であれ、直であれ(素直)、、、。

そういうところに、こう云う常道から外れたものは中々受け入れられません。

何しろ、神道と密接な関係にある大相撲では、女性が土俵に上ることすらできないのですからね。

まあ、日本は「そういう国」なんですわ。



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