桝野浩一氏 / 「自らのありようは『自分が選択した』と思うようにする」

リリー・フランキー氏は、

自作の小説

「東京タワー　オカンとボクと、時々、オトン」

がベストセラーになった後、

変調を来したそうです。

吉田豪氏の著書、

「サブカル・スーパースター鬱伝」に、

その間の事情が

記されているようです。

味覚障害を起こし、

精神的に辛い時期だったみたいです。

味がわからなくなっているのに、

皮肉にも

唯一残った文章の仕事が

料理雑誌の連載だった、

という風な

よくできたコントのような

悲惨さに恵まれたらしいですな

（「サブカル男は

なぜウツになるのか？」文春９・２０日号参照）。

鬱になるときは、

くつろいでいた喫茶店のトイレに

入り損ねたことでも

なります。

きっかけは

ひとそれぞれです。

この本には

リリー・フランキー氏以外、

大槻ケンヂ、

川勝正幸、

杉作J太郎、

菊池成孔（なるよし）、

みうらじゅん、

ＥＣＤ、

松尾スズキ、

桝野浩一、

唐沢俊一諸氏が

取り上げられているとのことです。

松尾スズキ氏などは

風呂に入ったら

お湯が入ってないとかあって

“ダメ感”

が増幅し、

何度もバスタブの中で

泣いたそうです。

上掲書の著者、

吉田氏は、

「サブカル男は、

４０歳前後で

精神的に壊れ、

鬱になる、

という仮説を唱えていらっしゃます。

この点、

どうなんでしょうね。

吉田氏は、

「中年の思春期」

の現れと理解されます。

しかし、思春期が

中年にあるなら

老年になって、

なお、あって不思議ではないということ、

覚悟しておいた方がよろしいです。

克服の仕方も

たぶん同じでしょう。

たとえば、

桝野浩一氏が

掲げている

精神安定対策である、

自分のありようが

自分にとって

どんなに好ましいものでなかったとしても、

それは、

「自分が選択した」結果であると、

無理にでも思うことです。

すなわち、

何が起きても

すべては自分の責任として

受け入れた方が

傷が浅く済んだりするわけです。

実際、それどころか、

人世の深いところで得るものがあったりします。