今月はじめに研能会で「杜若」のシテを舞わせて頂きましたか、なんと同じ月の間に公演で三河に行くことになり、空き時間もあったので「三河の国八橋」にある「かきつばた園」に行って参りました!
さすがに杜若の盛りの時期は過ぎてしまったので、まあ、花の名残の茎や葉だけでも眺めてくるか、と思い、また先輩からも「現地に行った、ということが大切なんだよ」と勧められて、せっかくの機会だから行ってみたわけですが、案の定、タイトル画像のように一面の草ばかり。。と思ったのですが。。
よく見るとなんと! まだ遅咲きの杜若が咲き残っているではありませんか!!!
これは驚いた。じつはこの「かきつばた園」に到着してすぐ、現地の観光ボランティアガイドさんに声を掛けられ、東京から来ました、先日能の「杜若」を舞わせて頂いたのでひと目現地に行って見ようと思い立ったのです、とお答えしたところ、「まだ咲いていますよ」と教えて頂き、その後1時間に渡って園内をご案内して頂きました。
本当に咲いていた! それに「これが杜若」と意識してこの花を見たのは初めてでした。無事に能を舞えた事を感謝して、手の届くところに咲いていた1輪をそっと撫でてきました〜
最近作られたという業平像。
ここは知立市の無量寿寺というお寺の境内にあたり、境内に16もの池を持って、そこで杜若を育てているそうです。「伊勢物語」の業平の「東下り」史実ではないと思われますし、「杜若」に「水行く川の蜘蛛手なれば橋を八つ渡せるなり」とあるように古来増水などあって時代により地形も変わりやすかったとのことですが、やはり「伊勢物語」の世界に想いを馳せるのにこういう場所が整備されているのは素晴らしいことです。
ボランティアガイドさんは戸田勝士さんとおっしゃる方で、興味深いお話をたくさん伺いました。
いわく
・杜若の群生地は珍しく、愛知県刈谷市、京都府北区、鳥取県岩美町などにあり国の天然記念物に指定されているとのこと。
・尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」はこの八橋の無量寿寺のもので、尾形光琳は何度か都と江戸を往復しているが、そのうち2度は5月・6月の杜若の季節に知立市を通ったということが記録から確認されているのでここに立ち寄った可能性は高い。
・杜若はどちらかというと弱く、ここでも一時は絶滅する寸前にまでなったことがあるが、保存会の努力によってまた勢いを取り戻しつつある。
戸田さんに「いまの五千円札の裏側に描かれている杜若はもちろん尾形光琳の絵で、すなわちこの八橋の杜若なんですよ。」と言われてはじめて、ぬえは五千円札に杜若が描いてあることを思い出しました。
戸田さんいわく、この五千円札も7月のはじめには新しいデザインのものと切り替えになってしまうのです。
そうだたのか。。たまたま今年の杜若の季節にシテを舞わせて頂き、また偶然にも同じ月に八橋を訪れるとができたのも驚きででしたが、まさか咲いている杜若を見ることができ、さらには杜若が描かれている五千円札の流通が終わる、その最後のタイミングだったとは。。
当日ご案内頂いた知立市ガイドボランティアの会の戸田勝士さん。感謝です!
さすがに杜若の盛りの時期は過ぎてしまったので、まあ、花の名残の茎や葉だけでも眺めてくるか、と思い、また先輩からも「現地に行った、ということが大切なんだよ」と勧められて、せっかくの機会だから行ってみたわけですが、案の定、タイトル画像のように一面の草ばかり。。と思ったのですが。。
よく見るとなんと! まだ遅咲きの杜若が咲き残っているではありませんか!!!
これは驚いた。じつはこの「かきつばた園」に到着してすぐ、現地の観光ボランティアガイドさんに声を掛けられ、東京から来ました、先日能の「杜若」を舞わせて頂いたのでひと目現地に行って見ようと思い立ったのです、とお答えしたところ、「まだ咲いていますよ」と教えて頂き、その後1時間に渡って園内をご案内して頂きました。
本当に咲いていた! それに「これが杜若」と意識してこの花を見たのは初めてでした。無事に能を舞えた事を感謝して、手の届くところに咲いていた1輪をそっと撫でてきました〜
最近作られたという業平像。
ここは知立市の無量寿寺というお寺の境内にあたり、境内に16もの池を持って、そこで杜若を育てているそうです。「伊勢物語」の業平の「東下り」史実ではないと思われますし、「杜若」に「水行く川の蜘蛛手なれば橋を八つ渡せるなり」とあるように古来増水などあって時代により地形も変わりやすかったとのことですが、やはり「伊勢物語」の世界に想いを馳せるのにこういう場所が整備されているのは素晴らしいことです。
ボランティアガイドさんは戸田勝士さんとおっしゃる方で、興味深いお話をたくさん伺いました。
いわく
・杜若の群生地は珍しく、愛知県刈谷市、京都府北区、鳥取県岩美町などにあり国の天然記念物に指定されているとのこと。
・尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」はこの八橋の無量寿寺のもので、尾形光琳は何度か都と江戸を往復しているが、そのうち2度は5月・6月の杜若の季節に知立市を通ったということが記録から確認されているのでここに立ち寄った可能性は高い。
・杜若はどちらかというと弱く、ここでも一時は絶滅する寸前にまでなったことがあるが、保存会の努力によってまた勢いを取り戻しつつある。
戸田さんに「いまの五千円札の裏側に描かれている杜若はもちろん尾形光琳の絵で、すなわちこの八橋の杜若なんですよ。」と言われてはじめて、ぬえは五千円札に杜若が描いてあることを思い出しました。
戸田さんいわく、この五千円札も7月のはじめには新しいデザインのものと切り替えになってしまうのです。
そうだたのか。。たまたま今年の杜若の季節にシテを舞わせて頂き、また偶然にも同じ月に八橋を訪れるとができたのも驚きででしたが、まさか咲いている杜若を見ることができ、さらには杜若が描かれている五千円札の流通が終わる、その最後のタイミングだったとは。。
当日ご案内頂いた知立市ガイドボランティアの会の戸田勝士さん。感謝です!