ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第8回狩野川薪能(その1~再会)

2007-02-18 01:44:24 | 能楽

昨日は久しぶりに伊豆の国市へ行って参りました。

もう8年目になる当地で恒例の『狩野川薪能(かのがわたきぎのう)』。今年は8月18日に開催することが決まりました。そしてそこで毎年恒例として上演される「子ども創作能」に出演する地元の小学生たちと、講師となる能楽師との初顔合わせの集まりが昨日行われたのです。と言っても参加した能楽師は「主任講師」?の ぬえだけでしたが。(^^;)

いやいや、時間の余裕がある「顔合わせ」の集まりですから、ぬえはいつもの新幹線ではなく、いっぺん乗ってみたかった「踊り子号」で伊豆に向かいました。でも~~。。下田方面へ向かう、海岸沿いの鉄路を走る「踊り子号」と、伊豆半島の中程を通って修善寺を終点にする列車とではオシャレ度がぜんぜん違うのねえ。。

とりあえず巻頭の画像は車窓から見た相模湾。うう。。寒いっす。(;_:)

が、しかし。まずは見てください、薪能の「初顔合わせ」に集まったこの盛況ぶりを! 昨日までに参加を申し込んだ子どもたちだけですでに23名を数えるほどになりました。すごいなあ。



あ! このブログにも度々書き込んでくれているアリサ&アスカも写っているねっ! さすが昨日の集まりにも最前列に座っていましたね。そして。。彼女たちは、この夏の薪能でみごとに大役を射止めました。うん、この結果を ぬえは うすうすながら予想していましたよ。

そういえば、去年の薪能で「子ども創作能」が無事に終わって、子どもたちが楽屋へ引き上げるときに、その中で大きな声で「ああ、これで終わっちゃうのかあ! つまんなあいっ、ずっとお稽古したいのに~。だって楽しかったんだもん!」って声が聞こえました。あれ、アリサだよね? ぬえはそう言ってもらえて、「ああ、この薪能をずっと手伝ってきて、本当によかったなあ。。」と心から思いました。そしてその後に上演する ぬえが主役を勤める能の準備をするときにも、あの声はとっても力になりました。「よしやるぞっ」ってね。

あれからずいぶん時間も過ぎました。でもブログに楽しそうに書き込んでくれる君たちを頼もしくも思うし、昨日はまた、半年経ってまた みんなが元気に集まってくれて、一番前の席に座っている君たちを見て、本当に薪能でのお役を楽しんでくれたんだなあ、と思いました。

そして薪能でのそれぞれの配役を決めるとき、最前列の君たちは「あの役、やりたいっ」って名乗り出てくれました。ぬえが「この役は大変です」と言ったばかりの役を、「たとえ当日40度の熱が出ていても、ケガをして骨折していても、それでも必ず舞台に立ってもらう」と ぬえがおどかした役を。「じゃ、みんなの前で大きな声で“その役を責任持ってやりますっ”って言ってみて?」と ぬえが申し渡したら、「はい、責任持ってやりま~~~~~すっ!」だって。(^_^;

うん、今は自信を持って言えるけれど、キミたちになら任せられますよ。大変だと思うけれど、一緒に良い舞台を作り上げましょう!(゜-゜)b

君たちのお役について、またその稽古についてのレポートは、折々このブログで説明していくことにしましょう。次回は狩野川薪能の歴史や、今年の見どころなどを。