以前から名古屋の能楽研究者の「鮒さん」と共に進めている ぬえの師家所蔵の古い映像・音声のデジタル化作戦ですが、SP盤のデジタル化~16mmフィルムのデジタル化…と着々と成果を生んでおります。
今年もすでに1本のフィルムをデジタル化しているのですが、以前にご紹介した三保の松原にある「羽衣の碑」の除幕式で師家の先代の師匠が能『羽衣』を勤められた様子を記録したフィルムに関連して、鮒さんが実際に三保の松原など現地での実地踏査をされる、ということで、ぬえもお手伝いをして参りました。
ここまでの経緯については以下の記事をご覧下さい(ちと大変ですが…)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その2)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その3)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その4)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その5)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その6)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その7)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その8)
さて、この日は昼に鮒さんと静岡市役所で待ち合わせということで、早めに自宅を出発した ぬえ。というのも、伊豆にはよく出向く ぬえではありますが、静岡市まではなかなか出かける機会がないから、このチャンスにあちこち見て回ろう、と思ったのですね~。なんせ静岡市といえば、観阿弥が52歳の年、5月4日にこの場所で演能し、その2週間後に亡くなった…おそらく終焉の地と考えられる浅間神社や、久能山東照宮、登呂遺跡と、能楽や日本史にとって重要な場所がたくさんある土地なんですよね~
で、がんばって車で東京を発ち、午前中に久能山東照宮に参りました。いや~、沼津インターまでは通い慣れた道だけど、静岡インターとなると かなり遠い、と思いますね~。静岡県…広過ぎ! 年始の師家の恒例行事、丹波篠山の翁神事への通勤の時にも思うことですが、体感としては日本の国土の1/4は静岡県なんぢゃないの? と思うほど。
静岡市から海際の快適な道を走って久能山に着きましたが…事前の計画もなく行きましたので よく事情がわからず…海側から東照宮に至るのには1,000段以上の階段を登らなければならないのですね。ここから反対側…ぐる~っと久能山を迂回して、日本平の高地に行けば東照宮に通じるロープウェイがある、ということを知って、時間も限られているので急いで日本平に行きました。
ロープウェィの乗車時間はほんの5分間。あたりは崖崩れの跡があったり、山桜や河津桜との混交種の桜がとりどりに咲き頃を違えていて、なんだか居心地の悪い感じでした…が、久能山の山頂…といっても日本平から東照宮までは下りの道のりですが…に到着してみると、駿河湾を見下ろす雄大な光景。そうして日光東照宮にも匹敵するような壮麗な社殿。美麗な宝物を納めた博物館。
…でも、なんだか久能山東照宮は不思議な場所ですね。まず、どうして家康がここを埋葬の地として遺言したのか…当地に立ってみても理由が分かりませんでした。故郷・岡崎と風景が似ているのかなあ? そんな憧憬で墓所を決めるような人物とも思えないけれど…
そうして、何と言ってもこの場所には家光の存在感がなぜか希薄ですね。これは印象でしかないのだけれども…。東京に生まれ住んでいると、震災や戦災で何度も荒廃した東京には、それでも家光の影は感じざるを得ない、ということはあるのです。いや、ホント。たとえば上野東照宮や芝・増上寺を見ても、装飾の程度はずいぶん違っても、何というかな、家光の雰囲気というのがあるんですよね~。これは首都圏内でも、たとえば筑波山などでさえそれを感じる場所があるんです。
それが…ここには希薄ですね。もちろん、日光東照宮の造作にとても似ているし、ここが家康本人の遺言により急遽定めた墓所という沿革からしてみれば、この壮麗な社殿は日光東照宮と同時期かそれ以後に改・増築されたものでしょうから、当然家光が関わらなかったはずはないと思うのですけれども…それでも、どうも家光「らしさ」みたいなものがない場所だなあ…なんて考えていました。勘違いですかねえ…
ちなみに久能山東照宮の本殿は昨年の秋に国宝指定されたそうです。
今年もすでに1本のフィルムをデジタル化しているのですが、以前にご紹介した三保の松原にある「羽衣の碑」の除幕式で師家の先代の師匠が能『羽衣』を勤められた様子を記録したフィルムに関連して、鮒さんが実際に三保の松原など現地での実地踏査をされる、ということで、ぬえもお手伝いをして参りました。
ここまでの経緯については以下の記事をご覧下さい(ちと大変ですが…)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その2)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その3)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その4)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その5)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その6)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その7)
師家所蔵 16mmフィルムのデジタル化大作戦!(その8)
さて、この日は昼に鮒さんと静岡市役所で待ち合わせということで、早めに自宅を出発した ぬえ。というのも、伊豆にはよく出向く ぬえではありますが、静岡市まではなかなか出かける機会がないから、このチャンスにあちこち見て回ろう、と思ったのですね~。なんせ静岡市といえば、観阿弥が52歳の年、5月4日にこの場所で演能し、その2週間後に亡くなった…おそらく終焉の地と考えられる浅間神社や、久能山東照宮、登呂遺跡と、能楽や日本史にとって重要な場所がたくさんある土地なんですよね~
で、がんばって車で東京を発ち、午前中に久能山東照宮に参りました。いや~、沼津インターまでは通い慣れた道だけど、静岡インターとなると かなり遠い、と思いますね~。静岡県…広過ぎ! 年始の師家の恒例行事、丹波篠山の翁神事への通勤の時にも思うことですが、体感としては日本の国土の1/4は静岡県なんぢゃないの? と思うほど。
静岡市から海際の快適な道を走って久能山に着きましたが…事前の計画もなく行きましたので よく事情がわからず…海側から東照宮に至るのには1,000段以上の階段を登らなければならないのですね。ここから反対側…ぐる~っと久能山を迂回して、日本平の高地に行けば東照宮に通じるロープウェイがある、ということを知って、時間も限られているので急いで日本平に行きました。
ロープウェィの乗車時間はほんの5分間。あたりは崖崩れの跡があったり、山桜や河津桜との混交種の桜がとりどりに咲き頃を違えていて、なんだか居心地の悪い感じでした…が、久能山の山頂…といっても日本平から東照宮までは下りの道のりですが…に到着してみると、駿河湾を見下ろす雄大な光景。そうして日光東照宮にも匹敵するような壮麗な社殿。美麗な宝物を納めた博物館。
…でも、なんだか久能山東照宮は不思議な場所ですね。まず、どうして家康がここを埋葬の地として遺言したのか…当地に立ってみても理由が分かりませんでした。故郷・岡崎と風景が似ているのかなあ? そんな憧憬で墓所を決めるような人物とも思えないけれど…
そうして、何と言ってもこの場所には家光の存在感がなぜか希薄ですね。これは印象でしかないのだけれども…。東京に生まれ住んでいると、震災や戦災で何度も荒廃した東京には、それでも家光の影は感じざるを得ない、ということはあるのです。いや、ホント。たとえば上野東照宮や芝・増上寺を見ても、装飾の程度はずいぶん違っても、何というかな、家光の雰囲気というのがあるんですよね~。これは首都圏内でも、たとえば筑波山などでさえそれを感じる場所があるんです。
それが…ここには希薄ですね。もちろん、日光東照宮の造作にとても似ているし、ここが家康本人の遺言により急遽定めた墓所という沿革からしてみれば、この壮麗な社殿は日光東照宮と同時期かそれ以後に改・増築されたものでしょうから、当然家光が関わらなかったはずはないと思うのですけれども…それでも、どうも家光「らしさ」みたいなものがない場所だなあ…なんて考えていました。勘違いですかねえ…
ちなみに久能山東照宮の本殿は昨年の秋に国宝指定されたそうです。