ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第11次支援活動<埼玉県加須市>(その1)

2013-01-06 10:11:04 | 能楽の心と癒しプロジェクト
第11次となる支援活動は有志による炊き出し支援のお手伝いとしての参加となりました。

原発事故で全域が警戒区域となり避難を余儀なくされた福島県双葉町。住民さんは各地に避難したのですが、わけても埼玉県加須市にある廃校となった高校が避難所となっています。県立騎西高校がそれで、双葉町の役場機能を含めて多くの住民さんがここで避難生活をしておられます。震災関連で国内に唯一残された避難所で、震災から1年10ヶ月になるとしている現在でも今なお体育館や教室で不自由な生活を強いられているのです。そのうえ支給されていた食事が最近有償となり、住民さんはさらに厳しい状況に置かれています。



この状況を見て、有志ボランティアにより主にfacebookを通じて呼びかけがされ、騎西高校避難所にて炊き出しプロジェクトが展開されています。第1回目の活動は去る11月に行われましたが ぬえは舞台スケジュールの都合で参加できず、12月1日に行われた第2回の活動に笛のTさんとともに参加して参りました。

活動を主催された有志は、主に石巻で ぬえたちも何度かお世話になったり、また活動されているお名前だけは存じている方たちで、ぬえたちも自然に参加する流れになりましたが、早朝に新宿駅からボランティアの送迎バスを用意したり、騎西高校の最寄り駅まで車で送迎したり、大掛かりな対応が行われていました。

ぬえらは車で直接避難所に到着したのですが、集まったボランティアさんは50名以上! もう第2回目の炊き出しということでみなさん手慣れたもので、ミーティングもなく4階の家庭科室? のような調理設備のある教室で一斉に調理の下ごしらえが開始されました。



特徴的なのはボランティアさんの半数以上が外国人ということで、これは石巻で活動している英国人でモデルのディーンさんが中心メンバーの一人だからなのでしょう。やがて下ごしらえが終わると食材をドド~っと1階に下ろし、別棟の「学生ホール」に移動です。



学生ホールは騎西高校の学食兼談話室のようなところで、大きな鍋釜、炊飯器などの調理設備が備えられているこの建物が炊き出し会場でした。ここでもボランティアさんが一斉に炊事を開始! この日のメニューは豚丼と豚汁、それに漬け物など。ぬえは盛りつけくらいしかお手伝いできませんでしたが、ふと見るとTさんはいつの間にか調理のボランティアさんに混じって奮戦中。どうも普段から料理はお得意なようです。



↓これ以下の画像は明友館サイトより拝借させて頂きました。



だんだんと準備が整ってきたところで明友館のリーダー、千葉恵弘さんもティッシュやカイロの支援物資を持って石巻からわざわざ到着! 被災地からの支援、というのも珍しい光景ですが、即席のバザーの準備もどんどん整っていきます。





正午頃、いよいよ配食開始。次々に集まって来られる住民さんに炊き出しの食事をお配りし、支援物資もお渡しして、その他にも住民さんにマッサージをしてあげるボランティアさん、似顔絵を描くボランティアさん、あちこちで賑やかな談笑が起こります。ディーンさんはトレードマークのTシャツを着て、子どもたちと遊んでいました~