ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第13次支援活動<気仙沼・石巻>(その20)~石巻・立町ふれあい商店街

2013-06-09 02:35:53 | 能楽の心と癒しプロジェクト
【3月12日(火)】

2ヶ月遅れのご報告もようやくひと段落。今回の活動の最終日です。
例によって早朝に起きた ぬえは石巻の市内をひとまわりして復興の進み具合の感触を確かめて、コンビニで朝食を買って笛のTさんのもとへ。ようやくTさんも起きあがりましたが「チーム神戸」事務所にお泊まりのスタッフさん一同はまだまだ夢の中。。朝食を済ませて午前9時、「石巻立町復興ふれあい商店街」へ楽屋入りをしました。





石巻の中心部にあるこちらの仮設商店街、もう ぬえたちプロジェクトが出演させて頂くのも これで3度目になるでしょうか。雨にたたられて会場を移したり、大雪のために出演どころか東京から出ることさえできない、という不可抗力もあったので、実際にこちらでの出演が完了していない場合もあるのですが。。

とはいえもうお店の方々ともすっかり顔なじみの商店街。会場に到着して、いつも楽屋として拝借するお部屋に装束など荷物を下ろすと、早速各商店に挨拶にまわります。おいしいパン屋さんの「パオ」さん、茶巾の佐藤さん、立町商店街の様子をブログで発信している電器屋さんの「パナックけいてい」さん、そうして忘れてならない戸田海産物店さん。ぬえは毎度ここで東京のおみやげを買います。だってとろろ昆布とかワカメとか。。とっても美味しいんだもん!

で、問題なのはこれまた毎度、買い物するより多くのおみやげを頂いちゃうのよねえ。。これじゃ支援活動なのか支援頂いてるのかわかんない。。この日も挨拶するや否や「お茶っこして行ってよねえ!」とお誘いを受けて「あ、はいはい。。ありがとうございます~ちょっとその前に上演準備をしますので~」「ああそう。じゃ終わったらすぐにおいでね~」「はい~~」…てなもんでして、しかし装束の準備には小一時間かかるのであった。やがて戸田さんは「忙しいみたいね~」と言ってお茶っこを楽屋に持参してくださるのであった。。

やがて上演時刻となり、今回は『龍田』を上演致しました。もちろんその前に各店舗をまわって開演のご挨拶をし、また終演後は記念撮影をして楽しんで頂きました。いつ来てもこの商店街はにぎやかですね。そうして、今回はパン屋さんから「何度も足を運んでくれるけど、だんだんと私たちも神様に護られているような気がしてきたのよ~」と言われたのがありがたかったです。毎度神様や仙人の能を上演するように心がけているので、普段の行いが悪い ぬえでも少しは神様もあわれんでくださったかしらん。。



トップ画像とこの画像の2枚はイシノマキタチマチブログより拝借しました



終演後はやっと約束の戸田さんのお店でお茶っこ頂きました。すると、海草を漬け込んだ おかずが次から次と並べられて。。こういう時に ぬえに遠慮はない。例によってバクバク食させて頂きました~。おみやげも買って、おみやげ頂いて。。(T.T)

ところが今回はいつもとはちょっと違う出来事がありまして。いわくNHKテレビの取材があったのです(!)。ぬえらプロジェクトの活動は、一昨年の12月に岩手県釜石市・鵜住居町の被災旅館「宝来館」のオープニング祈念イベントとして出演させて頂いたときの模様が「朝ズバッ!」で紹介されたことはありましたが、これは みのもんたさんの同番組がこちらの旅館の再建をずっと取材していたから。ぬえたちの舞台の映像にはプロジェクト名も、それどころか曲名さえも表示されませんでした。

このたびはNHKの夕方のニュース番組「てれまさむね」(宮城県では定番の番組)で流される、とのことで、まあ短く紹介されるのだろうと、このときは高をくくっていたのでしたが。



やがて立町商店街さんを辞して、一路仙台方面へ。立町でも写真撮影などしてくださった仁さんは仙台に宿泊して明日も予定があるそう、笛のTさんは仙台から高速バスで会津へ稽古に行くことになっていました。