初めて「肉吸い」を見かけたのは、20年以上前の大阪は天王寺界隈の定食屋だった。
見かけた時は、ただの肉ウドンだと思っていた。でもメニューに肉ウドンはなかった。すると知人が「あれは肉吸いだよ。寒い時食べると心底温まるよ」と教えてくれた。私の目当ては明石焼き定食だったので、その時は頼まなかった。
ただ「肉吸い」という名称が強烈に印象に残った。
あれから十数年、週末YouTubeをふらふらと料理関係の番組を漁っていたら、懐かしくも「肉吸い」の簡単レシピを紹介している動画を発見した。改めて視聴してみると、なんと白だしで煮込んで牛肉の出しを効かせた汁物だと知った。
その番組では、ウドンは入れず、牛肉の肩落としと豆腐、青ネギだけで作っていた。これがまた美味しそうだった。
この夏は異常な暑さで、どうしても冷たいものを飲んだりしがち。ここいらで熱くて栄養バランスの良い食事が必要だと思っていたので、自己流で肉吸いを作ってみた。
牛肉の切り落としは事前に軽く煮て、灰汁をとっておく。それから鍋に白だしを8倍くらいに薄めて、味りんを少々加えて火にかける。具材は牛肉の切り落としと豆腐だけ。沸騰したらすぐに弱火にして、細ネギを加えて完成。これなら疲れて帰宅した夜でも、すぐに作れる。ちなみに物足りなく感じたら、味の素を一振りで誤魔化す。
はい、牛肉の出汁がが甘く出ており、どんぶり一杯、軽くいけます。でもこれでは野菜不足。だから残りの汁を使って野菜汁を追加で作ります。野菜は冷蔵庫に隠れていた残り物で十分。私は夏を意識してオクラやキャベツ、椎茸などを適当にぶち込んで、軽く煮こんで頂きました。
多分、もっと丁寧に作れば、さらに上品な味になると思いますが、早い、手軽、手抜きをモットーとする私にはこれで十分。なお本場では、卵ご飯やウドンと組み合わせるみたいですね。
肉吸いは肉うどんのうどん抜きから始まったメニューです。素うどんの上に甘辛く煮た肉を載せたのが本来的の肉うどんなので、肉、ネギ、かまぼこにうどんだしを注いだのが肉吸いてす。
確かに豆腐はいいと思います。最近、一食に一品は大豆製品を入れてます。