ヌマンタの書斎

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世界はどこへ向かうのか 池上彰

2021-06-16 12:04:00 | 

時事問題を分かりやすく解説することで定評があるのが池上彰である。

私も彼の著作は何冊も読んでいるが、たしかに分かりやすく解説している。しかも嘘は少ない(ない訳ではない)し、なるべく公正に解説しようと努力していることは認めている。

でも、はっきり断言します。池上彰は公正でもなければ、中立でもありません。それどころか、かなり偏っているのだけど、それをそう見せない技術に長けているだけです。

そのせいで、私も彼の偏向に気が付くのはかなり遅かったと思います。気が付いたのは民主党政権の時の沖縄問題の解説と、トランプ大統領に対するウィグル問題への無関心さを指摘した彼の解説を読んでからです。

これは他の問題解説でも同様なのですが、立場の異なる意見を客観的かつ公正に解説しているかにみせるのが上手い。しかし、よくよく解説に費やしたページ数などを比較すると、その偏向ぶりが見えてくる。

沖縄の米軍基地問題だと、圧倒的に基地反対派の意見を詳細に、しかも延々と書きている一方、賛成派については十分の一以下の説明で終わらせています。しかも米軍基地があることのメリットについては、ほとんど書かずに済ませている。

シナのウィグル人への虐待について、賢しげにトランプの無関心ぶりを解説(批難の色を薄める性質の悪さ・・・)していますが、実際にはトランプ大統領はウィグル擁護の法案等に署名していることは無視している。

もともと、左派勢力が根強く棲息しているNHK出身だけに、左派に偏向するのは組織内で生き残る以上、やむを得ない選択なのでしょう。ただ、この人、それを隠すのが上手い。

一見、中立公正であるかのように見せるのが、日本で一番上手いジャーナリストかもしれません。

なお、私はジャーナリズムに限らず、政治的立場を中立公正にすることは不可能だと考えています。誰だって自分の立場、家族の立場、職場の立ち位置など様々な状況下で、上手く立ち回る以上、一定の立場があることは必然です。

だから左派寄りのジャーナリズムを否定する気はありません。でも、それを隠して欲しくない。特に中立を装うのは止めて欲しい。国政選挙の解説でも、引っ張りだこの人気ジャーナリストですが、私はこの人の姿をみると、条件反射で騙されてなるものかと警戒してしまいます。

でも解説は本当に上手なので、その点だけは見習いたいですね。


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