食べ放題は好きではない。
いや、好きなものをいくらでも注文できるのは嬉しい。でも、基本的に食べ放題では、あまり美味しい食事は供されないと思っている。これは店側の事情を考えれば、致し方ない部分もある。
食べ放題のメニューを出す場合、店側は予め人気の食材は多めに仕入れる。その一方、あまり人気のない食材は一応準備はするが、実際には無駄になることも多い。だから一定期間が過ぎると廃棄せざるを得ない食材が出るのが普通だ。
それでも食べ放題は人気がある。だから人気の食材は少し安目のものにして、他の食材の無駄をカバーできるように準備することは、店側にとって当然の経営手法である。
ただ店側にとって人気の食材の原価を落とすことはリスクが高い。だからこそ、ここに料理人の腕が発揮される。
それが実感できたのが、著名な寿司店である築地・玉寿司であった。私はここの築地本店には十数回行っている。その大半が前所長であるS先生のお供としてであり、自分の財布で払ったことは少ない。
ところで、玉寿司といえば食べ放題が有名だ。私も若い頃は、ここの食べ放題をありがたく頂いている。冒頭、食べ放題は好きでないと書いたが、ここのお寿司の食べ放題はけっこう気に入っていた。
そりゃ、他の名店の大トロや手間を十分にかけたコハダの握りに比べれば味は落ちる。でも、あの値段でネタが新鮮で腕の良い職人が握る寿司は十分楽しめた。私としては十二分に満足であった。
ただ最近は足を運んでいない。一つには私がカロリー制限というか、ダイエットを考えるお年頃になったので、食べ放題にはいかなくなったから。もう一つの理由は、リーマンショックあたりだと思うが、この店も随分とリストラをやっている。そのせいか、どうかは不明だが以前よりも味が落ちたと感じたからだ。
いや、味だけではない。店員さんにも余裕がなくなったというか、えらく忙しなく感じてしまい、以前の落ち着きのある雰囲気とは微妙に違うことが寂しかった。とはいえ、あの頃は閉店する寿司屋さん、フレンチ料理店などが相次いでおり、築地市場の移転問題も絡んでおり、外からはうかがい知れぬ事情があったのかもしれない。
緊急事態宣言は解除されたようだが、今もバイキング形式の料理は復活していないし、食べ放題も一部の店に限られるようだ。若い時のようにいくらでも食べられた頃が懐かしい。まァ、そのせいで体重が20キロ以上増えたのが、今の不健康な状態の大きな要因なのも事実。
それでも、元気になってもう一度、寿司の食べ放題を満喫したい気持ちはある。出来るかなァ~
どんな険しいトレイルも超えてこられたでしょ。
私ならとっくに死んでおります。
体調よくして愉しめる時は来ますよ。その程度の強運・悪運はお持ちの人です。
食べ放題というやつ、どうして食べ盛りの頃に無かったのだろうと悔しく思っています。
量はどうでもいいんですよ。料理がいっぱい並んでいる眺めが楽しいのです。
食べ放題って、私が学生の頃はあまりなかったです。あれもバブルの恩恵なのでしょうかね。