税理士として働きだして数年が経ち、大学の恩師に挨拶にいった時のことだ。
監査論で知られた三沢教授は丁度講義中なので、研究室で待たせてもらった。その時に若手の研究者がパソコンで遊んでいたゲームに目を惹かれた。モニターの前面に広がる花火のような弾幕を掻い潜って敵キャラを攻撃するシューティングゲームであった。これが私の東方プロジェクトとの初めての出会いであった。
元はPC98で動くゲームであったようだが、当時はWin98に移植されて再販されていた。私もさっそく買ってみてやってみた。実はシューティングゲームはけっこう好きだ。グラディウスや1942などをゲーセンで遊んでいたので、やる気になった。
最初に大学で見かけた時は絶対無理と思ったが、若手の研究者によると弾幕の中にも攻略ルートがあり、それを見出せばクリアできるとのこと。自宅のPCでやってみたが、最初はまるで歯が立たない。でも検索して攻略法を見つけてプリントアウトしてやってみると、案外と簡単にクリアできた。もっともハードモードに設定すると、まるでダメなので、私はノーマルモードで遊んでいた。
ちなみに宇宙船や航空機を操作するのではなく、博麗霊夢という巫女さんの御札での攻撃か、霧雨魔理沙という魔法使いの魔法で敵の妖怪を打ち倒すゲームである。私は2チャンネルに関心がなかったので、この二人の頭部が「ゆっくりしていってね」なんて出てきて人気を博していることは知らなかった。原作者のZUNさんは、商業利用以外での二次利用を認めているからこそだと思う。
仕事が忙しくなり、面白くもあったので、次第にシューティングゲームはやらなくなっていた。特にこの東方のゲームは目が疲れるので、やらなくなったのが本音だ。だからコロナ禍で自宅で動画を視るようになると、霊夢と魔理沙が出てきて様々な事柄を解説する「ゆっくり解説」の番組が多数あることを知りビックリしたものだ。ちなみに私のお勧めは「ゆっくり土建図鑑」である。
解説動画とは別に、この東方のゲームの登場人物たちを使った二次創作動画が多数あることを知ったのもこの時だ。主人公である霊夢や魔理沙だけでなく、他のキャラクターまでが主役として活躍している動画も数多くあった。表題のゲームのラスボスであるレミリアまでもが霊夢たちと仲良くしているのには驚いた。
それどころかゲームでは雑魚でしかなかったキャラクターまでもが、この二次創作動画で活躍しているのである。私のお気に入りは、ワッキュウさんの動画で、天狗の飯綱丸・出世物語である。TNTさんの霊夢と魔理沙の幼少時を描いた動画も面白い。他にも幾多の動画があるが、驚くべきは多少の違いはあれども、基本的な流れ、キャラクターの造形などは原作のZUN氏のものを大きく阻害するものはないことだ。
動画制作者の多くは、ZUN氏主宰の同人サークルとは無縁であることが普通で、単に東方のゲームのファンであるに過ぎない。しかしZUN氏へのリスペクトからか、決して大筋の流れを阻害するような動画はまず見かけない。もしかしたら、あったのかもしれないが動画運営側に消されたのかも。
私も全ての東方プロジェクトのゲームをやっている訳ではない。いや、実際は紅魔郷だけだ。また全ての二次創作動画を視ている訳ではないが、それでも製作者たちに原作に対するリスペクトがあるのは分かる。
ZUN氏は著作権フリーを謳っているので、やろうと思えば好き勝手できるはずですが、誰もそれをやらないから凄い。原作に対するリスペクトが欠落している日テレを始めとしたマスコミ様は、真剣に反省して欲しいものです。
ヌマンタさんが東方のゲームをやっているなんてびっくりでした。
私はゲームはやったことがないですが、ZUN氏公認の二次コミックはよく読んでいました。
ゆっくりはユーザーの思いもさりながら、商標事件でもファンの意識は高かったですよね。
本当に説明ができない不思議なコンテンツだと思います。
第三帝国をナチス政権側から描いた映像配信(非常に出来が良いが、何度か削除されて作り直している)で、霊夢がレイム大佐として出て来たのが最初なので、キャラクター原案があるとは知らなかった(笑)
ほら、エルンスト・レームかと想うでないすか(笑)
その後、ゆっくりは各種ハマり、ゲームもコミックも未読のまま、視聴してきました。今でもズンダモンより彼女らの方が愛着ありますね。全体的に、ゆっくりの方が詳しい解説が多くて上品なイメージがある。
商標事件については、そもそもキャラクターの原案者が許可しているコンテンツなのに、それを商標で儲けようとした配信者に抗議が集中して、諦めさせたのは、やはりコンテンツとキャラクターに対するリスペクトゆえなのだと思います。
ズンダモンは東北企業の案件ならば使用無料なので、
昨年あたりまで爆増していたのに、そっちに鞍替えする配信者は少ないですしね。むしろ、新規参加が増えて、質が低下したのに、視聴者はキャラクターで覚えてサムネを選ぶが為に、ズンダモンの全体の視聴数は落ちてきてるのに、ゆっくりは変わらない。
YouTubeは、単純に登録者数や視聴数だけでなく、
どれたけ再生の時間数かで収益が加算されるので、配信者の儲けはあまり変わってないらしい。
その辺りの仕組みも、ゆっくり商標を公有として守護する為に、自らの収益やシステムを明かす配信者が多くて、なかなか勉強になりました。
あの商標登録阻止の動きが無ければ、配信とかしない私にはシステムがどうなってるか解らないままだったてせう。そういう意味で利用する配信者も、それを観る視聴者も、原作に対するリスペクトが強く作用しているコンテンツだと思います。